胃潰瘍のサンタさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

1.8

遅ればせながら。
こういうキテレツ映画を観た時の感想として「意味が分からなかった」という言い方があるが、この映画は真逆。「意味"しか"分からない」。より正確に言えば、「意図だけは分かる」。
ベーグルや
>>続きを読む

名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

4.5

何故これを映画館で観なかったんだろう……
思い出補正の強い初期作に匹敵するほど面白い、シリーズ屈指の傑作。
爆弾魔プラーミャをめぐるミステリー&サスペンス、警察学校組の追憶、高木&佐藤カップルのラブコ
>>続きを読む

ナイトクローラー(2014年製作の映画)

4.3

ジェイク・ギレンホール無双。
もちろんシンプルながら練られた脚本も素晴らしい。
もっと展開できたはずなのに、この内容で突っ走ったダン・ギルロイ、兄貴よりすごいと思う。

バビロン(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

安彦良和はかつて、『王立宇宙軍』を観て「これだけの力で“地球は青かった”なんて分かりきったことしか表現できないなんてふざけんな」と評したらしい。

全く同じ感想をこの映画に抱いてしまった。

誰が何と
>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

4.0

「海と山」、必ずどちらかに曲がろうとしている車、霧の街、などなど、絵解きのようにメタファーが散りばめられた大人の映画。二人が一緒に映っているところでは心情を見せず、画的に分断されている状況で感情が見え>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.9

身体の芯が熱くなる。

それ以上の言葉は要らない。え、CGが酷い? そんなの「へでもねえや」。

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.0

ちょっとオチたような雰囲気を出してるが、一つもオチていない。
お馴染みの世界の壮大な秘密を匂わせた前作までのワクワク感はどこへやら。身内の痴話喧嘩に終始して、主人公どころかテーマ性まで見失ったように見
>>続きを読む

クローネンバーグの ファイヤーボール(1978年製作の映画)

2.2

いくらポイントが余ってたから、いくらクローネンバーグの珍しいやつだからといっても、ここまで退屈だとさすがに苦痛。
途中何度か登場する車の発火シーンはちょっとカッコ良くて、さすがのフェティシズムを感じる
>>続きを読む

スノーデン(2016年製作の映画)

4.1

オリヴァー・ストーンは退屈に感じることが多いが、これは面白かった。
かなり露骨なプロパガンダなのは観る前から分かっているのでそこは割り引いて、スノーデンという個人の「解放」のドラマで一貫しているので、
>>続きを読む

わが名はキケロ ナチス最悪のスパイ(2019年製作の映画)

3.1

「本格」を装った典型的なメロドラマ。
映画だから史実から逸脱するのは構わないが、嘘臭いと感じてしまったらそこでおしまい。もう楽しみは半減する。
英独の間で揺れながら何とか参戦を避けたいトルコの立ち位置
>>続きを読む

どぶ鼠作戦(1962年製作の映画)

3.3

音が悪いせいでセリフの理解が7割ぐらい。
ただそれを加味しても、これは岡本喜八の中ではちと期待外れだった感がある。冒頭の爆破シーンから、次から次へと出来事が起こる割に、佐藤允の白虎たちが「何故今この行
>>続きを読む

ハムレット(1996年製作の映画)

3.7

演劇には全く詳しくないが、ハムレットが一切削られず上演されることは舞台でもそう滅多にないというから、「決定版」を作ろうという意気込みがビンビン伝わる。

被写体は舞台の方法論で揃え、カメラがそこに割り
>>続きを読む

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

4.3

実話ベースでありながら、エンタメとしてのサービス精神に事欠かない。
コメディタッチの前半から、意外にもノワールのような情緒を見せる後半部、ベタベタの演出で泣かせに来る終盤まで、時折妙に派手なカーチェイ
>>続きを読む

わが命つきるとも(1966年製作の映画)

3.9

アカデミー賞の大好きな、信念を貫いた人の話。人口200万人程度だったこの時代のイングランドの田舎ぶりはそれらしく再現されているし、朝焼けの場面や絵画の構図そのままの戴冠式は美しい。
ただ、全体的にはハ
>>続きを読む

張込み(1958年製作の映画)

3.4

列車で始まり列車で終わる、野村芳太郎の勝負作。
残念ながらこういう「窓から見つめる」タイプの映画は今ではありふれているし、橋本忍の脚本も誰の何の物語なのかいまいち焦点が絞れていない。やたらと多い割に本
>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.2

新海誠恒例のポエム始まりとか繊細な恋愛描写はない、直球のアクションファンタジー。
序盤から息つく間もない映像の洪水で一気に引っ張り込まれる。あの世を題材にするのはジブリオマージュを入れ過ぎた『星を追う
>>続きを読む

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

4.2

三島由紀夫を描く時はあんなに映像スカスカだったのに、こっちはもうパワフルったらない。やはり監督の思い入れが違うらしい。

この時代のデジタルカメラの安い質感と棒読みの役者陣が、ざわついた時代の空気感を
>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.8

最高!

それ以外の言葉が出ない。
今年は『トップガン マーヴェリック』が一番熱い映画だと思ってたのに、まさかそれを超えてこんな贅沢な映画を観られるとは。
相変わらず笑っちゃうぐらい狂った発想のアクシ
>>続きを読む

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

4.5

冒頭シーンから「ああ、また民主化の英雄を持ち上げるいつもの韓国映画か」と思ってたら、全然違う話だった。

主人公は確かに民主化運動の旗手としての朴正煕を信じていたが、その暗殺の動機はもっと個人的なもの
>>続きを読む

戦慄の絆(1988年製作の映画)

4.0

ずっと観たかった作品だが、久しぶりにクローネンバーグを観るとちと疲れる。というかリアリスティックな分、他の作品よりエグかった気がする。
『ザ・フライ』の次、『裸のランチ』の前と考えると、グロキモい特殊
>>続きを読む

火の鳥(1978年製作の映画)

2.4

期待に違わぬB級実写版。80年代からこんなことしてりゃもうダメだよ日本映画界。しかも市川崑なんて尖った監督が。

原作のストーリーラインまんまなのに、完コピするでもなく映画の「動き」を得るでもなく中途
>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.9

シン・ゴジラの要素がキャラクター以外残らなくて嬉しいような残念なような……
1から10まで評判通り。みんな言ってるメフィラスやザラブの流れは面白かったしニヤニヤしながら見たけど、みんな言う通り終盤は盛
>>続きを読む

名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

4.3

久しぶりに抜群に面白いと思ったコナン映画。個人的には小さい頃散々観た『天国へのカウントダウン』と同じぐらい好き。
櫻井武晴脚本になってから、「そんなアホな」と爆笑したくなるスペクタクル・パニックが多く
>>続きを読む

テレフォン(1977年製作の映画)

3.1

電話を引き金に催眠が発動し、国民がテロを起こす……荒唐無稽な設定を順繰りに見せていく序盤こそ、話の広がりを予感させ「どう止めるんだ!?」と続きが気になる。が、何だかんだで中盤からはどこにでもありそうな>>続きを読む

るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

3.1

テレビで『伝説の最期編』をチラ見して、「トリミングされたら絶対アクション見にくい」と直感。先に配信で。

『レイジング・ファイア』を観た時も思ったが、最近のアジアン・アクション映画は青とオレンジの対比
>>続きを読む

賞金稼ぎ(1969年製作の映画)

4.0

この節操のなさ、もはや香港映画のノリ。若山富三郎の殺陣がキレキレで最高だ。

十一人の侍(1967年製作の映画)

4.5

『忠臣蔵』+『十三人の刺客』。そこに藩存続のサスペンスを加えて盛り上げる。
例によって設定はリアリティガン無視だが、シンプルなストーリーに工藤栄一の画力。クライマックスの盛り上がりと言ったらない。
>>続きを読む

君よ憤怒の河を渉れ(1976年製作の映画)

3.3

5分に1回爆笑できる。
現場から指紋も取らずに被害者を帰してしまうアホすぎる警察、最初から逃げる気満々の検事(どう見ても逃がすためだけの設定)、唐突にヒロインを襲うキグルミの熊、どうやって新宿に運んだ
>>続きを読む