胃潰瘍のサンタさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

フォルトゥナの瞳(2019年製作の映画)

2.9

何だかどこかで見た展開だし、ラストのどんでん返しは「じゃあここまでのドラマは何の茶番だったんだ?」と。

デイズ・オブ・サンダー(1990年製作の映画)

3.4

トニスコでずっと観られなかった作品。
『トップガン』より画がカッコいい&ロバート・デュヴァルが良い。ほぼストーリーは変わらないが、それだけであっちより観てられる。
あと『リベンジ』さえ観られれば制覇な
>>続きを読む

霧の旗(1965年製作の映画)

3.9

出発点と着地点がちぐはぐな、いつもの松本清張。「左利き」をキーに、自然と大塚弁護士の視点で観てしまうよう誘導する橋本忍脚色がさすがの名人芸だ。
倍賞千恵子がこんな妖艶な魅力を出せるとは知らなかったし、
>>続きを読む

戦国野郎(1963年製作の映画)

3.5

筋立ては面白い。が、結局話の帰結が思ったより小粒でどうでも良かったり。
あとちょいちょいアクションが繋がっていない。岡本喜八、カットを割りまくるもんだからごくたまーに(『ブルークリスマス』とか)こうい
>>続きを読む

大日本帝国(1982年製作の映画)

3.6

とりあえず一言。長かった……

『二百三高地』以上に、笠原和夫の屈折した戦争観が見える。
自衛戦争ではあるけど、やっぱり死にに行くだけ。
反戦と言いたいが、戦いきった自分たちのことはどうしても否定でき
>>続きを読む

狼よ落日を斬れ 風雲篇・激情篇・怒濤篇(1974年製作の映画)

4.2

決して出来の良い映画だとは思わない。テレビっぽいぼやっとした質感の映像に、大河ドラマみたいな役者陣。歴史モノに振りたいのかメロドラマに振りたいのか中途半端な脚本。特に後半は妙に湿っぽく、長い。三隅研次>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.7

シネマカリテで『灼熱の魂』という内戦を舞台にした超悲劇を観た後、何となく口直ししたくなって急遽ハシゴを決め、池袋のIMAX-GTで。

最高。「ハリウッド映画はこれで良いんだよ!!」と言いたくなる、分
>>続きを読む

灼熱の魂 デジタル・リマスター版(2010年製作の映画)

4.7

さすがヴィルヌーヴ。この語り、この撮り方であるからこそ重くのしかかる。

物語の構造がとにかく美しい。
父と兄を探せという遺言によって母の人生を追う娘の視点と、難民である母自身の人生が交互に展開する序
>>続きを読む

大殺陣(1964年製作の映画)

3.8

『十三人の刺客』に本作、『ヨコハマBJブルース』と3本観たが、工藤栄一作品ってとにかくアンバランスな印象が残る。
毎度、冒頭は滅茶苦茶カッコいいのに、始まってしばらくたっても一向にストーリーの全体像が
>>続きを読む

赤毛(1969年製作の映画)

4.2

岡本喜八が描く「革命」。
赤報隊の触れ回りで百姓たちが金持ちや代官を締め上げる様はまるでフランス革命直後のそれ。だが、そんな武士主導の革命は「所詮"葵"が"菊"に替わるだけ」とバッサリ。対するラストの
>>続きを読む

ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.3

最終日滑り込み。いやあ、映画館で観られて良かった。最高に美味しいカレー食べたみたいな満足度。美味しいカレーは、ちゃんとスパイスは効いてるけど、辛さ頼みじゃない。
ワンアイデア勝負の直球ホラーかと思いき
>>続きを読む

人斬り(1969年製作の映画)

4.2

69年のフジテレビって金あったんだなあ……という一言。
勝新太郎のめちゃくちゃ乱雑だけど人を確実に殺している太刀筋、確かな型だが殺せているとは思えない三島由紀夫の剣筋、仲代達矢の陰険な演技、極彩色に見
>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

4.1

下手なホラー映画よりはるかに怖かった……
「権利を認める」と言いながら、事実上の義務に追い込んでしまう無言の圧力。「高齢者に寄り添う」と言った同じ口で「キャンセルしないよう誘導する」と言い切る偽善。こ
>>続きを読む

将軍家光の乱心 激突(1989年製作の映画)

2.9

内容もまあ途中でどっちらけになる(つまり書くことがあんまりない)のだけど、それとは関係ない文句を一つだけ。
U-NEXT版の画質、悪すぎ。以前、Amazonで途中まで観た時はもっとしっかりした画質だっ
>>続きを読む

仇討(1964年製作の映画)

4.5

表の『切腹』、裏の『仇討』。橋本忍はこういう話を書くとやっぱり凄い。
『切腹』が謎解きを通じて視点を逆転させ、武家社会の形式主義(=体裁重視)と武士の本分(=殺し)を反転させていく構成だったのに対し、
>>続きを読む

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

2.4

こればっかりは全く良さが分からなかった……。
野蛮な中世の空気感、神の本意に反した不寛容な信仰、少女の「愛」の罪、歴史の「流れ」と内面の対比、といった表現として受け取るだけ受け取ったが、いかんせん撮り
>>続きを読む

最後の誘惑(1988年製作の映画)

4.8

聖書にはあまり明るくないが、一切目が離せず息詰まる163分間。スコセッシ、入魂の1作。
パワフルなカメラワーク、テンポいい編集、エキゾチックな音楽に、極めつけはウィレム・デフォーの名演。映画としてもう
>>続きを読む

レミニセンス(2021年製作の映画)

3.5

ラストが長い。
リサ・ジョイは感情濃い味なのがお好きらしい。せっかくオトナな感じなのに、ポイントポイントで興醒めする。

奇跡の丘(1964年製作の映画)

4.1

「実在」としてのイエスは、どのような人物だったのか──?
できるだけ解釈を排除して、聖書に記された内容のみを誇張なしに描こうとするパゾリーニのアプローチは、多分意図としてはブレッソンの『ジャンヌ・ダル
>>続きを読む

肉弾(1968年製作の映画)

4.2

「反戦」となると急に我を忘れてモノローグをぶち込みたがる岡本喜八。

コメディ調の前半から虚無的なラストに向かっていく流れは『独立愚連隊』からずっと変わらないが、この作品の場合、中盤の浜辺のシーンがち
>>続きを読む

帝都物語(1988年製作の映画)

2.3

このレビューはネタバレを含みます

自分の中で久しぶりに不幸な鑑賞体験だった気がする。
難解と評判だったから、分からないなりに世界観に浸ろうと決めて観たのだが……冒頭30分ぐらいで既に、話を追いたいという気持ちが完全にへし折られてしまっ
>>続きを読む