Tomさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.9

人間と技術の進化の行く末…か。監督の見据える未来を前に,この世界とその先の未来は一体どうなるのだろうか,人は何を想い何を求めて生きていくのだろうかと無限に色んな事を想像していた。創造が想像を超えた時人>>続きを読む

極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

3.0

タリバンに拉致された23人の命を救う為に交渉する緊迫の110分。『工作』での北朝鮮の再現も凄かったが,本作のリアルなアフガニスタン描写も中々。本作も色んな交渉の上で成り立っているのだろう。ファンジョン>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.7

毒ってそういうこと?wウェスアンダーソンは短編ぐらいが情報量的にも物語的にも丁度いいかな。コント的なシュールな笑いと映画的な仕掛けの数々を堪能できる。本をそのまま映画に落とし込む創りはこれはこれで面白>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.6

相変わらず情報量多っwというか台詞早っw目だけじゃなくて口にもパン詰めたれよ。短編な分ストーリーラインが一本で明快で迷子にはならなかった。ギャンブルってやっぱスリルがないとつまらないものなのかな。あの>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.0

終盤のルーブルへ行ってからは面白いのに,序盤のだらだらした回想が普通に退屈。それが終盤に殆ど効いてこないのも勿体無い。それにしても人の頭型の本って読みにくそうよねw僕だったら黒い絵の中に何を見るんだろ>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.5

街の人々のさり気ない人情と関係性の変化を台詞でなく映像で丁寧に積み重ね,彼らへの情で観客の気持ちも一緒に作品に向かわせる脚本が素晴らしい。血の跡で闘いを想像させたり短くも密度の高いアクションも◎。🇮🇹>>続きを読む

女王陛下の戦士(1977年製作の映画)

3.9

WWII下の🇳🇱の若者達が戦争へ巻き込まれる様を描いた群像劇。戦争映画であり青春映画。戦争によって壊されていく日常と,死をちらつかせながらも,ユーモアをもって楽しく生きる姿が実に印象的。ヴァーホーベン>>続きを読む

4番目の男(1979年製作の映画)

3.5

後の『氷の微笑』を彷彿とさせるがヒッチコック味も感じる本作。意味深な要素やヴァーホーベンらしい要素も入りつつサスペンスとしてシンプルに楽しい。あの眼球然り要所でギョッとするような魅せ方が最高。DVDの>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

人間って何?生きる意味は?介護の今は? 言いたのに言えない事…。綺麗事を廃し現実を突きつけ乍ら何度も何度も問いかける。安全地帯から眺めていた我々は気付けば映画の中にいて,必死に考えていた。果たして僕は>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

4.0

彼の凍った心を溶きほぐし世界に色を与えていく周りの温かさに泣いた。あのおばちゃんよ。時に優しくて時に厳しくて愛情深くて器も大きくて。変われる説得力も十二分。人は自分の為だけには生きられない。もし生き甲>>続きを読む

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.6

大阪の社会の底辺のどうにもならない日常を細かく魅せる世界観が見事。台詞の応酬も原田監督の中では聞き取りやすくアクションが少なめでも緊張感をしっかり絵で保っているのは流石。犯罪者ながら随所に人間味が垣間>>続きを読む

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

2.0

起承転結の起と承しかなく,これで終わり?!って感じ。かと言ってアクションもそこまで緊張感が無く,CGも良くも悪くも普通。特に引き込まれる絵がある訳でもなく,全体的に中途半端な印象。時代感の統一の無さや>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

3.2

人は真実ではなく,信じたいものを信じる生き物だ。噂は一人歩きし,尾ひれが付きその暴走を不安が加速させる。そしてその盲信は人を変えてしまう。もっと終盤の事件に焦点を絞って欲しかったが日本でも自国の汚点を>>続きを読む

春に散る(2023年製作の映画)

4.0

2人の熱量と感情を積み上げ,師弟関係の成熟を丁寧に魅せるのが素晴らしい。今を生きる2人の想いを拳に乗せて魅せるボクシングの試合も前のめりに見入ってしまった。役者と観客を信頼した語り過ぎない瀬々監督の手>>続きを読む

熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

4.7

イランの社会と市民と向き合ってきたパナヒ監督だからできる冒頭含む演出の数々や誠実な人々の生活の描写に感服。因習に縛られるイランの負の側面を映画創りを禁じられた監督の今と重ね現実と映画の境界を曖昧にする>>続きを読む

伯爵(2023年製作の映画)

3.0

伯爵の遺産相続を巡るドタバタ劇。歴史も背景も全く知らずに見たので正直よく分からない所は多々あるが随所に白黒の映像がしっかりキマっていてしょうもなさとのギャップが心地よい。序盤のシルエットで殺戮を魅せる>>続きを読む

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。(2023年製作の映画)

1.3

久しぶりに観たけど相変わらずの福田雄一。やっぱ苦手。シンデレラ+赤ずきんでやるのはミステリー。笑いも痛々しいしコスプレお遊戯会感半端ない。赤ずきん設定はほぼ活かされず,橋本環奈にその格好させたいだけで>>続きを読む

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.1

最近のバレエ映画は寄りのカメラで誤魔化している作品が多いが本作はダンスを引いたカメラで頭から手,足の先まで全体を映し魅力を感じられるのが素晴らしい。人間ドラマも丁寧に紡がれる。順調は特権なの。いい言葉>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.9

何が起きたのか。これまでどうしてきたか。これからどうするのか。彼女らと会話し考え続ける100分。時代も背景も違えど今も世界中で日々起きている。気付いてないからこそ彼女らの一言一言が心に響く。考える事と>>続きを読む

チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ(2022年製作の映画)

2.5

『トムとジェリー』実写で壊滅的だったCGと実写の処理も自然に魅せる上に表現の幅も広いのが凄い。個人的にはもっと2人にフォーカスして欲しかったがディズニーのメタな笑いをふんだんに入れた自虐おふざけ要素も>>続きを読む

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

2.6

安心と信頼の(強さ的な意味で)ステイサム。数多のツッコミ所もツッコミながら見ると中々に楽しい。ステイサム映画としては十分だがサメ映画として観たら不満。サメのサイズ感もデカいデカいと煽る割に小さいし,こ>>続きを読む

激突!(1971年製作の映画)

4.2

実は初見。トラックに追われる。たったそれだけなのに何でこんなにもハラハラドキドキするのか。素晴らしすぎる演出一つ一つを分析したくなるけど堅苦しい事は忘れて見入ってしまう面白さ。予算無くてもアイデア一つ>>続きを読む

私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター(2022年製作の映画)

1.5

20年以上抉られてきた姉弟喧嘩。何故ここまで頑なに憎しみ合うのだろうか。原因があるなら話せばいいのに。お互い何に怒ってるのかも分からなくなってそうで気の毒になってきた。僕はこんな風に気持ちを溜め込んで>>続きを読む

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.9

冬やクリスマスならではのアイテムを片っ端から武器にして闘うアイデアと遊び心が最高。サンタの設定もキャラも絶妙で,その存在を問う物語も面白い。困ったら魔法に頼るのもずるいが潔くていい。サンタを信じていた>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.3

エスターを応援したくなる捻りの効いた展開が楽しい。顔に関しては仕方ないが,彼女を小さく見せる為の撮影と編集の工夫も随所に垣間見えた。前作の衝撃と怖さに比べると映像も演出も弱いが前日譚として彼女を観客が>>続きを読む

MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

4.2

楽しい!闘う敵も増えモンスターパニック要素も強まり人間辞めたステイサムにしぶとすぎる男も加わり無限のフラグ建築からの高速回収に笑いが止まらない。前作以上に細かいことは気にしちゃダメwこの夏最高に景気が>>続きを読む

バカ塗りの娘(2023年製作の映画)

4.0

漆を何度も研いでは塗る様に,人生も立ち止まり選択して前に進んでの繰り返し。真の意味での伝統の継承と厳しい現実も見据えつつ其々の人生の選択が導く変化と家族の形に泣いた。色んな環境下で皆想いがあるから自分>>続きを読む

PATHAAN/パターン(2023年製作の映画)

4.1

インド大作アクションもここまで来たか。ハリウッド超えてるよ。王道な大迫力のスパイアクションにインドらしいキャラの深掘りや脚本の捻りに加えて肉体美半端ねぇ役者陣の夢の共演におバカ要素もてんこ盛り。相変わ>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.6

熱い!これが実話だなんて…!!元レーサーとゲーマーのリセットボタン無き命懸けの挑戦。呼吸を忘れるレースの臨場感に圧倒された。ただ描き足りない部分が多く,コーチがどんどんギラギラしてくるのに対し主人公側>>続きを読む

アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

3.8

今の日本の停滞感と閉塞感を反映した世界観が素晴らしい。正直この世界の全貌が掴めるまで全く乗れなかったが終盤彼らの感情にもっていかれた。こんな変わらない世界でも成長して,恋をして,変わっていけるという未>>続きを読む

第9地区(2009年製作の映画)

4.2

感情移入と視点の転換を巧みに使い差別をする,差別をされるとはどういう事か心に訴える素晴らしい作品だ。同時に人間のエゴと愚かさを直球で突きつける。エーリアンの描き方としても新鮮でデザイン含めて作り込まれ>>続きを読む

オオカミの家(2018年製作の映画)

2.0

唯一無二の映像である事は間違いない。ただ事前知識無しでは全然よく分からず心が離れてしまった。ストップモーションも創るのは大変だと思うし心象表現やアートとして凄いとは思うが終始画面が揺れて酔って集中でき>>続きを読む

ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方(2018年製作の映画)

3.9

動物達の声が聞こえてくるかのようで,その表情が本当に素敵。エンタメとして楽しい上に循環を見つめ直す過程で我々もその一部であり我々が一番共存できていない存在だと自ずと気付かされる。老若男女全ての人へ薦め>>続きを読む

アシスタント(2019年製作の映画)

4.1

夢の映画業界へ入った新人アシスタントのブラック過ぎる一日。日常をフラットに切り取るも余りの生々しいリアルな無言の圧力に圧倒されっぱなし。俯瞰視点で見せる事で誰もが加害者になりうる危うさを訴える。この多>>続きを読む

あしたの少女(2022年製作の映画)

4.1

実話をベースに韓国の競争社会と労働搾取の闇に真っ向から切り込む。明らかにおかしいのに言い出せない空気感や圧力とその恐怖が物凄いリアリティで伝わってくる。止められた分岐点は幾らでもあったのに…。大人のエ>>続きを読む

ソウルに帰る(2022年製作の映画)

3.5

韓国で生まれ,幼くして養子縁組に出されフランスで育った女性が実の両親を探す物語。彼女の繊細で複雑な感情が表情から伝わる。顔は韓国人で心はフランス人…言葉や文化,様々な壁にぶつかりながらも自由奔放に生き>>続きを読む