あああさんの映画レビュー・感想・評価

あああ

あああ

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.1

ロココとアール・ヌーヴォーが融合したみたいな優雅で幻想的でかわいい映像と、雰囲気の良い雑貨屋の宝石箱みたい(要するにおしゃれ)な小物と、ジェットコースターのような展開と、その裏にある重たい現実。

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アス(2019年製作の映画)

3.7

真夜中、いきなり自分と瓜二つの赤い服を着た人間がドアを叩く。音楽含め実際に後ろを振り返ってしまうような不気味さが充満した映画だった。ビーチに行くのが怖くなる。

この映画の主要素は、自分と同じ姿の人間
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

3.5

ジョー・ペシの狂気な演技がめちゃくちゃ怖い。ロバート・デニーロのサイコパス感も良かった。
レストランでのペシの自分でジョークを言ったのに、それを笑ったら「何がおかしいんだよ?言えよ!俺の何がおかしいん
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.7

凄かった。圧倒的な迫力。ドゥニお得意の前衛芸術と宗教画が混ざったみたいな洗練された映像美と、ハンスジマーの音楽が圧倒的な世界観を創る。

冒頭の優雅かつ自然な浮遊シーンから興奮が加速していく。その加速
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ヒート(1995年製作の映画)

4.6

重厚な銃声とアクション,色褪せた青いフィルム,LA特有の町並みのあの感じ,アル・パチーノとロバート・デ・ニーロという最強コンビで紡がれる美しくも悲しい(そして身勝手な)男達のドラマ。全部が良かった。ア>>続きを読む

A.I.(2001年製作の映画)

4.3

創造主とつくれられた者達の人生についての哲学映画。未来においての神話であり,現代のおとぎ話。

自らの欲望で新しい存在(ロボットであるDavid)を創り出し,無責任に放置する人類。
創造主の命令に根本
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スカーフェイス(1983年製作の映画)

3.7

教養・育ちなんてクソ喰らえ!! コカイン・金・銃!!!

小柄で小汚いキューバ系移民の主人公。金もなければ教養もない。あるのは自信だけ。
麻薬ビジネスでドン底からどんどん成り上がっていくけど,孤独は
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エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

3.1

文句をつけたくなってしまう所は多いけど,恐ろしさと美しさが融合した完璧な造形のエイリアンを見れるから嫌いにはなりきれない。

ビジュアルが凄かった。エイリアンの造形は恐ろしいはずなのに端麗で,彫刻のよ
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小さな悪の華(1970年製作の映画)

4.7

常識,倫理,正義を覆す禁断の哲学ロリータ映画。もっと過激な時計じかけのオレンジ。

夏休み,二人の少女がいたずらを仕掛けまくる!そう聞くと普通の青春映画みたいだけど,この映画はその正反対。

下品なポ
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アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)

4.3

黒人、白人、カテゴリーで人を判断することの虚しさ。白人至上主義でネオナチの主人公は、刑務所でとある黒人と出会い考えを入れ替えるが...

しかし過去の過ちを、水に流すことはできない。どれだけ改心しても
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.6

見終わった後何かが大きく変わるわけじゃないけど、心地良い気持ちに包まれる。どうでもいいような日常を少し大切に生きれるようになる、、、気がしないでもない。
毎週日曜日の深夜2時くらいからドラマ放送してほ
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

4.0

無能な教師、助けてくれない大人達、悪意の連鎖、嫉妬。残酷な現実を14歳の少年を通して見せつけられる。学校という思春期の少年少女を集めて閉じ込めた箱庭で何が起こるのか。

淡く美しいはずの青春が恐ろしく
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.8

Oh God! Oh Jesus Christ!!!!

行方不明事件の捜査に訪れた島はどうやら奇妙な土着の宗教があるらしく、段々とそれに巻き込まれていき、、、という映画。ミッドサマーの元ネタ。出てく
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トータル・リコール(2012年製作の映画)

3.4

90年の方のトータル・リコールだと勘違いして見てて、これが本当にあの名作SF映画トータル・リコールなのか?何かおかしいな、、と思ってたら、やっぱり違った。こっちはリメイクらしい。全く同じ名前で映画作る>>続きを読む

わたしはロランス(2012年製作の映画)

3.9

初めての映像体験だった。個性的で清潔で可愛らしい北欧家具みたいな演出と、シリアスなドラマの融合が良かった。音楽やファッションも含めて、ハマれる人は、とことん好きになれそう。教室での初女装公開シーンや、>>続きを読む

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

4.7

短く切りそろえた黒髪、白い眉毛にアイブロウピアス。病的なまでに漂白された肌に痛々しく突き刺されたピアス。トライアンフにまたがり、折れてしまいそうな程に細い腕に、ボロボロのレザーを通す。
リスベットの全
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ガタカ(1997年製作の映画)

4.1

夢と希望のヒューマンドラマ

持たざるものが、知恵と勇気と友情で夢を叶える物語。お話自体は凄くシンプルで普遍的な話だけど、だからこそ面白い。
可能性の賛美歌。産まれ持ったDNAで人生が決められる世界で
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地獄の黙示録(1979年製作の映画)

4.2

戦争を作ってしまった映画。圧倒的という形容が最も適切。

圧倒的な混沌と狂気。大量のヘリ、基地での慰安の狂騒、無意味に銃殺されるベトナム人、サーフィンに興じようとする中佐、ナパームの匂い。
大義と目的
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.4

寒い!手は温かいのに

世界大戦の傷跡が深く残る87年のベルリン。壁が東西を分断し、
個人的なもの、そうではないもの、大小様々な絶望が溢れている。男が飛び降り、女が嘆く。破壊された退廃的な街で、老人は
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キック・アス(2010年製作の映画)

4.6

最高のヒーローブラックコメディー!!道徳なんか知らねぇ!13歳の少女が大量虐殺!!!


ただのオタクだった主人公が、ヒーローを目指しダサいタイツを被る。その中で人や思いに触れ、人として、ヒーローとし
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パニック・ルーム(2002年製作の映画)

3.9

ジョディ・フォスターが美しい、よくできたサスペンス映画。

勝手に期待して勝手にがっかりしてるだけなんだろうけど、フィンチャーのセブン、ファイト・クラブ、ゴーン・ガール、ソーシャル・ネットワークという
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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

3.0

全く好きじゃない。暗いから、辛いからとかではなくて、映画として嫌い。

主人公の選択がわからない。約束とか言わずに、ちゃんと説明すればどうにかなったんじゃない?息子にしても目を触らないように言えばいい
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セルピコ(1973年製作の映画)

3.7

腐敗にまみれた警察権力の中で、正義を追い求める孤高の警官、アル・パチーノ。

主人公のセルピコは彼女にフラレても、同僚に脅されても、命が危険にさらされても、自らの正義を一切疑わない。
セルピコの正義感
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フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)

3.6

"普通"の"真面目"な白人中年男性の怒り。
上がり続ける物価、中年の危機、失業、孤独、誇大広告、報われない正義感、迷惑なギャング。嘘ばかりの現代に怒り絶望した主人公は...

主人公とテーマ以外にも、
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ゲーム(1997年製作の映画)

3.9

自分の現実を誰も認めない恐怖。統合失調症の恐怖を疑似体験できる。
二転三転する展開は見事としか言いようがない。
ただ個人的には、セブンくらい最悪なラストであってほしかった。

マイケルダグラスのファッ
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

男性性の視点で考察してみたけど解釈がまとまらない。正反対な捉え方が両方とも存在してる。フェミニストも,ミソジニストも両方が絶賛できるし,両方が嫌悪できると思う。
多分意図的に両義的に解釈できるようにし
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ドライヴ(2011年製作の映画)

3.7

好きになれそうで好きになれなかった。

シンプルなストーリーだけど、こだわりの演出がある映画。
ほぼセリフなしの恋愛シーンや、信号で停まるカーチェイスシーン、感情が180度変わるエレベーターのシーンは
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.6

凄く面白かった。奴隷制からの開放、復讐と自由と愛の物語。

演出が良かった。正面から打たれたのに左に吹き飛んだり、ピストルの威力ではありえない吹き飛び方をしていたり、コメディーを疑うような演出。
テン
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パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

4.5

エル・ファニングのピュアな可愛さと、繊細で内気な主人公がキュートだった。
エル・ファニングがとにかくかわいい。いきなり頬を舐めたり、脇に手を当てたり、純粋さから来る、ドキッとするような仕草は演技以上の
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.7

圧倒的な映像と戦場のリアリティ。傑作

全編ワンカットが、戦場を駆け抜ける伝令とマッチしていて凄く良い。まるでゲームのような圧倒的な没入感(BF1みたいな感じ)。VRっぽい。
ワンカットだけでなく、象
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イージー★ライダー(1969年製作の映画)

3.6

アメリカ横断ヒッピーロードムービー

スローな時間が流れるアメリカの砂漠をバイクが走り抜け、バックにロックnロールが流れる。砂漠の色や質感が凄く美しくて、幻想的だった。フィルムってかっこいい。物凄く出
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.7

この映画は凄い。凄い

平凡な人生が実は素晴らしいんだよと説教臭く言う映画かと思ったけど、全くそんなことはなくて、むしろその逆。感動させるでもなく泣かせるでもなく、言葉にできない強烈な傷を観客に与える
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彼女と彼女の猫 -Their standing points-(1999年製作の映画)

3.6

漫画的純文学アニメ。白黒なのも相まってラ・ジュテを感じた。

美しい背景と季節で織りなされる、男女のどうしようもない(そして往々にして切ない)関係性と、それでも世界は美しいという新海誠が繰り返し描いて
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アウトレイジ(2010年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

全員死ぬのが凄い。こいつは生き残るだろうと思っていたやつが全員死ぬ。
全員が主役級なのに完璧な展開で映画が進む。こういう出演陣全員キャラ強めな映画って、全員が目立って映画全体としてはイマイチになりがち
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.4

映像、音楽、色が最高にクール。最強の雰囲気映画。
映像が本当に素晴らしい。劇中ずっと暗い。兎に角暗い。ダークな世界観を圧倒的な黒で表現している。
悪役がコーヒーを飲んでいるカフェは多分、というか明らか
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.0

最悪のハッピー・エンド。
レクター博士のねっとりとした口調と、フィルムを通り越して私達を見つめていると錯覚するほどの眼力が、圧倒的な迫力を作っている。

本作に影響を受けて作られた映画を先に見てるから
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