otomさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

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たそがれ清兵衛(2002年製作の映画)

5.0

公開時以来20年振り。武士、男はつらいよと幕末を飛び越え現代の日本のサラリーマンにも共感できる仕様にきっちり仕上げる流石な山田洋次。上昇志向の渦中において誠の幸せとは何ぞやって事で、同僚から嘲られる序>>続きを読む

怒りの河(1951年製作の映画)

4.6

腐ったリンゴが否かって事で元悪党の訳ありの役をやるジェームズ・スチュワート。映し出されるのは延々とオレゴン山中の風景で結構低予算状態で派手さは皆無なんだけど、金に目が眩むと人はどうなるのかってのはじっ>>続きを読む

十九歳の地図(1979年製作の映画)

4.8

Googleマップ&レビューに匹敵する無駄にクオリティの高いお手製の辛辣極まる地図で若さを浪費しまくってる。『どんな具合に生きてけば良いか分からない』と中途半端な大人の蟹江敬三からやがて童貞厨二男へ伝>>続きを読む

アウトサイダー(1981年製作の映画)

5.0

精神病院の最初のシーンから最後まで満遍なくお先真っ暗な具合。受難と言うには微妙な感じのやつを延々と食らうジーザス面の男。生活に困っていようが何だろうがやめる事の出来ない生き方ってものがある。そんな状態>>続きを読む

トラックス(1977年製作の映画)

5.0

列車が進むにつれぶっ壊れと喪失が増して超哀しくなる。誰がいたのかいなかったのか、で、誰も来ないで何もない!って事でそうなるのも無理はない。やり方分からん俺の失った青春の擦った揉んだの末のグレープフルー>>続きを読む

地球へ・・・(1980年製作の映画)

4.4

2日続けて秋吉久美子。いちいち回り込むやつや、火柱やらなんかを含めてヌルヌルするアニメーションはかなり力が入ってる感じ。ジョージ・オーウェル的なのとガンダムとイデオン的な気持ち悪めなキャラデザが混じっ>>続きを読む

さらば夏の光よ(1976年製作の映画)

4.4

夏がないってのがミソ。緩やかな前半から締まってくる後半とで、良くも悪くも濃密、もしくは綺麗過ぎる脚本で上手い事まとまってる上、印象的なシーンも結構あるので地味な雰囲気ながらなかなか面白い。男と男と女の>>続きを読む

ファミリー・ネスト(1977年製作の映画)

5.0

国家から末端の精神に至るまで機能不全を起こしてる具合。一つの巣を中心としてあっちの人もこっちの人も全てをただただ見渡す視点、そして貧者、愚者のみんな平等に救済がない、もしくはしないってのを徹底的にやる>>続きを読む

旅立ちの時(1988年製作の映画)

4.8

『RUNNING ON EMPTY』って原題からして良い。切迫した生活を表現するのに超かわいいワンコを捨てるをやってのけるシドニー・ルメット。親世代の負の遺産を背負わされてるのがデフォルトの状況って云>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎恋愛塾(1985年製作の映画)

4.5

樋口可南子が見たくて。脱がずとも、風呂上がりのぽや〜っとした感じなんかで可愛らしい。五島列島から始まり瞬間的に耶蘇教へ改宗する寅さんではあるも、全体的に動きは少なめ。ほどほどにお年を召したとらや、御前>>続きを読む

カルメンという名の女(1983年製作の映画)

4.8

カルメンを現代に置き換えてるって言うんだからそうなんだろう。そんな事より、剛毛祭りに男子トイレ使用などの強烈描写のオンパレードで、結構メモしたいレベルな数多の台詞も全然頭に入ってこない。おまけに波間に>>続きを読む

夜の訪問者(1970年製作の映画)

4.2

爽やかにデッキシューズを履きこなし、フレンチなチャールズ・ブロンソン。倒した筈なのに蘇る、からの殆ど全員自爆で逆に面白い。30分で病院→迫力のカーチェイスで散々飛ばして5時過ぎってのはどう云う事よ。微>>続きを読む

1978年、冬。(2007年製作の映画)

4.5

未だ文革の名残りの濃い街って事で結構な閉鎖空間。灰色の空と荒野に生えるのは工場の土地柄で線路のそれを含むルーチンの数々に対してのイレギュラー案件がきちっと揃った具合。若い2人がくっつく下りやこの街を抜>>続きを読む

時代屋の女房2(1985年製作の映画)

3.5

数年間に何度も挫折した末にようやく。夏目雅子ならギリギリオッケーなのに名取裕子だとイラッと来るのは何故なんだぜ。大人になってもみんな迷ってるテーマはきちんとやってる気はするものの、森崎東らしくない前作>>続きを読む

軽蔑(1963年製作の映画)

5.0

20年振りくらい。幸福度マックスのトリコロールカラーのOPからしてニクイ。B.B.の軽蔑発動から1シーンごとにドツボにハマるミシェル・ピコリな訳だけど、哀しいかな脚本のユリシーズのとこで答え合わせして>>続きを読む

フェリスはある朝突然に(1986年製作の映画)

4.2

何も考えずにジョンの誕生日に鑑賞。これは映画ですからって事でミラクルご都合主義と鬼編集で'86年にしてホーム・アローン感満載。シカゴのダーティーさは微塵も出さない徹底っぷりも見事。あの感じのアメリカン>>続きを読む

続・世界残酷物語(1963年製作の映画)

4.5

のっけでイギリスを煽ってて面白。ヤラセの数々に混じってピリリと本気っぽい映像とコメントを入れてくる。全体的にテンポが良くなった上にヤバイ奴と現象が増してる気はするけど、一作目だけで良いかなって気もしな>>続きを読む

さらば愛しき人よ(1987年製作の映画)

5.0

これがあのコーンブレッドかって云うパワーワード。スターオーラ全開な主役郷ひろみに後の『タフ』面子、先日久々に観た『ふぞろいの林檎たち III』の夫婦役の2人で我が家的に超混乱する。で、前年には音無響子>>続きを読む

都会の横顔(1953年製作の映画)

4.7

昼の銀座通りのOPから夜のEDまで全盛期の銀座な具合。交差するアヴェニューを縦横無尽に切り取る清水宏監督で、確かに他の作品同様に道へのこだわりを感じる。たらい回されつつも冷静なみちこちゃんに対して、池>>続きを読む

昼顔(1967年製作の映画)

4.9

15年振りくらい。ドヌーブ様の愛されたい私が事の発端なものの、全部ミシェル・ピコリが無駄に背中押してる感じで面白い。不感症妻の夜ならぬお昼の仮面の殆ど昼ドラみたいな筋でありながら、夫への罪悪感からなる>>続きを読む

北斎漫画(1981年製作の映画)

4.5

エロ可愛い樋口可南子と田中裕子をひたすら堪能する映画だわな。触手のとこの描写がたまらん。胸毛マックスな緒形北斎に西田馬琴の四人を中心に新藤組も勢揃いなんだけど、近代映画協会のソレとは違ってなんとなく松>>続きを読む

帰れない二人(2018年製作の映画)

4.8

目まぐるしいチャイナ。17年の歳月で渡世人としての立場の入れ替わりから見える風景まで変わってしまう二人って事でまぁ哀しい。遊星の如く接近しては離れの、いわゆる腐れ縁の一つの形と、個人のあれこれを凌駕す>>続きを読む

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

5.0

室内でもビショビショなハンガリアン。『俺は復活ではなく破滅の話をしている』って事で金は破滅を防ぐ事ができると言いつつ、旧約聖書を引き合いにして金では身を守る事はできないと丁寧な振り幅の説明。動くカメラ>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎純情詩集(1976年製作の映画)

5.0

アラビアの寅ンスから始まり、最後の晩酌を挟んでラストは号泣。京マチ子に美少女な檀ふみのダブルマドンナにシリーズ唯一の展開って事でクオリティは高い。空気読めない寅さんにみんなして非難轟々な序盤から、グワ>>続きを読む

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.9

久々な感じなゴリゴリの音響系映画。音を頼りにした時間の旅って事で、ドゥンから始まって、無音、控えめ→暴力的なまでのフィールド・レコーディングとで脳汁出まくる。医者曰く、『世の美しいものを感じ取れなくな>>続きを読む

世界残酷物語(1962年製作の映画)

4.7

ほとんど嘘くせ〜ってのも含めて大分エンターテイメントしてる。劇中のあれこれを残酷と呼ぶか否かは場所と時間によって大きく変わるって事で結構考えさせられるものがある。で、汚いに痛い等々で視覚を攻めてくるか>>続きを読む

ル・ミリオン(1931年製作の映画)

4.5

金だけが全てじゃないと分かっちゃいるけど、みずほ銀行の別室に案内される日を夢見てる。お祝いと称したフランス人のお呼ばれ感がスゴイ。バタバタの合間の花びら舞うステージ上の一幕がまぁ素敵。

ミスタア・ロバーツ(1955年製作の映画)

4.7

ジェームズ・ギャグニーと戦う中間管理職的なやつに加えてジョン・フォードとも揉めてたらしいヘンリー・フォンダ。戦地から離れた輸送船の退屈な日常って事で前半はパキっとした海と空の色を背景にトロピカルな雰囲>>続きを読む

レッド・サン(1971年製作の映画)

4.7

世界のダンディズムに引けを取らないどころか、流石な貫禄且つやる事やる三船敏郎。チャールズ・ブロンソンとのドライなバディっぷりがかなり良い。悪男役が珍しいアラン・ドロンも結構楽しそう。+ボンドガールのサ>>続きを読む

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

5.0

ようやっと。ボッチで陰気な役もきっちりこなすレオー。ネタ満載な死から生へのお話って事で、英国でも安定のカウリスマキのリズムと色合いとでとても良い。『労働者階級に祖国はない』名言やフレンチ・バーガー物件>>続きを読む

座頭市海を渡る(1966年製作の映画)

4.8

安田道代の美少女っぷりが見たくて。(瀬戸内)海を渡り、今まで殺めた人間を弔うお遍路の筈が上塗りしまくる市。『人間ってのは困ってる人がいても十年は見ない振りができる』→『お前さんは死んだけど生きていたん>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.2

20世紀と21世紀の間にある大きな溝を感じてしまった。旧世代と世界の未来たる子供たちが互いの理解を深めるのは至極もっともなんだけど、なんとなくこの先訪れる評価社会的なのニオイを感じてちょっとだけ居心地>>続きを読む

驟雨(1956年製作の映画)

5.0

原節子の上がったり下がったりの様々な表現が見事。お汁粉食べたい→あんみつ食べる→佐野周二『!?』のとこと、冷飯をかっこんでる画なんかが最高。大事件の様でいて、驟雨のごとしな夫婦間のあれやこれ。倦怠期か>>続きを読む

そして、神はカインに語った(1970年製作の映画)

5.0

のっけのテーマ曲、劇伴からして良い。各種効果音の使い方もお洒落。顔にちゃんと砂埃つけてくる暴風演出から、『上海から来た女』ばりの鏡の部屋での銃撃戦も最高。赤シャツはだけた感じのクラウス・キンスキーが延>>続きを読む

ジェニーの肖像(1947年製作の映画)

5.0

諸行無常をやりつつ、上手いこと不変を取り扱う。三次元の距離と一方通行の時間ってものを超越した世にも美しい幻想譚に仕上がっており、不変の象徴、結晶とも言える肖像への昇華の下りが鳥肌。『牧神の午後への前奏>>続きを読む

ソロモンの偽証 後篇・裁判(2015年製作の映画)

3.5

昨 日 の ワ ク ワ ク を 返 し て く れ。
やや長尺だけども、伏線の数々をモリモリ回収して行くのは普通に楽しい。ものの、それ以上に出て来た瞬間に怪しかったアイツのアクロバティックなオチ&場違
>>続きを読む