『極悪坊主シリーズ』は勝新の『やくざ坊主』を東映式に猥雑化した亜流作品だった。
若山富三郎演じる真海は下品で乱暴な生臭坊主なので、むしろ敵役の了達の方が良識派に思える程である。
よって、スピンオフの本>>続きを読む
全くエロくない。そして面白くない。
時代性が勝負の映画とはいえ、全てがダサい。
谷隼人の立振る舞いもきつい。
渡瀬恒彦目当てで観たところもあるのだが、谷隼人に大原麗子を寝取られるという微妙な役だった。>>続きを読む
スコセッシをして「凄まじいまでに不快な映画」と言わしめ、サム・ペキンパー『わらの犬』+ジョン・ブアマン『脱出』の衝撃再び!とまで言われたもんだから、倫理の欠片も無い、物凄い狂気が炸裂するのかと構えてし>>続きを読む
前半、鶴田浩二の強かな策謀によって三つ巴の勢力による抗争を勝ち上がっていく展開はかなり面白い。
さらに、第4勢力「警察」の介入が物語に奥行きを持たせている。
本作の鶴田浩二は、不穏分子を誅殺したり騙>>続きを読む
中島貞夫は社会的敗者や犯罪者に肩入れする傾向が強いが、本作もその特性が発揮されている。
登場する囚人達は、死刑になるだけあって全員洒落にならないレベルの凶悪犯罪者なのだが、劇中において被害者の存在は意>>続きを読む
最近のイーストウッド映画がイマイチだったこともあり、映画の序盤の印象は決して良いものではなかった。
俳優も全く知らないのばかりで、トミーはスピードワゴンの井戸田だし、ボブは団時朗にしか見えない。
そ>>続きを読む
製作側がどんな動機でこの映画作り上げたのか知らないが、こういう映画をわざわざ見に行く人間は大なり小なり「好んで嫌な思いをしに行っている」のだ。
「鬱になった」「人間の嫌な面を観た」と言いながら厭世感に>>続きを読む
サメなんかよりシャチの方が遥かに強いわけだから、映画としてもパワーアップしているはず!
…というコンセプトなのだろうが、そうでもない。
シャチの方が戦闘能力は高いとはわかっていても、モンスターとしての>>続きを読む
「エル・トポに捧ぐ」的な触れ込みを聞いて嫌な予感がしたのだが、悪い方向に当たっていた。
ライアン・ゴズリングが主役の筈だが、それよりもタイ人のおっさんが事実上の主人公と化している。
見た目はその辺の>>続きを読む
「F1とは極限を熾烈に争う超人の世界なのだ!」といくら言われても、どうしても興味が持てない。
曽田正人の漫画『capeta』を読んでいても、レースシーンは読み飛ばし気味だったぐらいだ。
この映画もそう>>続きを読む
何がいいって、マシュー・マコノヒー演じる主人公のキャラがいい。
一見、エロとカネにしか興味が無い粗雑なチンピラだが、怪我をした男への対処や友を侮辱された時の振る舞い等、随所に「実は信頼できるヤツ」だと>>続きを読む
アクションのレベル自体は前作と遜色ないのだが、見せ場が分散しすぎるのと、その間を紡ぐノワールが百番煎じぐらいの代物過ぎて欠伸が出る。
「ストーリー性ゼロ」と揶揄される前作だが、構成においては遥かに上>>続きを読む
古臭い。全体的に古臭い。90年代の映画を観ているようだ。
悠々と去るデンゼルの背後で爆発が起こる、なんてシーンをマジで撮っている。
2001年の『トレーニング・デイ』の時は、むしろそういう90年代的な>>続きを読む
復讐モノを観ていると、大抵、どんなに悪行を繰り返した悪党でも、最期は一瞬で殺されてしまう。
それを見て「もっと苦しめて殺せばいいのに」と思った人は多いだろう。
が、悪党は殺せる時に殺さないととんでもな>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
線の細い優男がマフィアとして覚醒していくピカレスクは『ゴッドファーザー』だし(「身内には情に厚いが、部外者には残酷そのもの」な主人公の兄貴分のなんてソニーコルレオーネそのもの)、潜入捜査先での絆のドラ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
漫画の『殺し屋1』とか『隣人13号』みたいな話だが、どちらにも劣っている。
肝心の復讐の内容がしょぼい。
恋人との食卓を2,3回邪魔したり、巨乳女にセクハラさせるとかその程度。
中学生の魔太郎でもも>>続きを読む
観る前は『軍旗はためく下に』とか『ゆきゆきて神軍』みたいな映画なんだろうな、と思っていたが、実のところはヤコペッティ映画というか…『大統領アミン』的な物を感じてしまった。
デブが仮装してジジイの首を狩>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
はっきり言うと、最初から最後まで主人公のオナニーにしか見えない。
クライマックスにはなかなか感動的な別れのシーンが用意されているのだが、そこに至っても印象は変わらない。
人工知能サマンサは、まさに主>>続きを読む
冒頭、死刑になった悪夢から飛び起きる高倉健の形相に被せるタイトルバック。そして紹介される凶悪囚人達。
石井輝男という監督は本当にワクワクさせるOPを撮るのが上手い。本編でがっかりする事もあるが…
主役>>続きを読む
あまり面白くない。
全編を通して、非行少年(といっても恐喝程度の悪さしか描かれないが)の日常が淡々と描かれていく。
所謂映画的な演技ではなく、リアリティを重視してボソボソと現実に近いトーンで喋っていく>>続きを読む
いたるところに宗教的モチーフが散りばめられ、強姦云々はあくまでマクガフィンというか、話のトリガーでしかない。
よって強姦の描写も大した事は無い。
というか次男に至っては足を抑えていただけなのに果ててい>>続きを読む
黒澤明の『生きる』に似た人生救済型映画だが、前半はそれはもう辛気臭い話が延々続く。
名誉賞授与式までの道中、医者としての名誉と引き換えに自分がいかに人間としての豊かさに欠けていたかという事を思い知らさ>>続きを読む
仁義なき戦いを仕掛けてくる現代ヤクザに対して、義理と人情で立ち向かう鶴田浩二に、決してカタルシスは無い。
任侠の無意味さを説きながら利潤を追求する因縁の敵・渡辺文雄は主人公どころかつまらぬチンピラに暗>>続きを読む
内容的には『悪名』『続悪名』のリメイクだ。
朝吉が勘当され、貞に出会い、やくざ達と戦い、やがて戦争に行くまでを描いている。
大映時代の田宮二郎に代わり、北大路欣也が「モートルの貞」を演じている。
田宮>>続きを読む
音楽はちょっとうるさいが、画も綺麗だし、 岡田茉莉子も美しい。
こんな美しい人が、長門裕之を好きになるかあ?と思いそうになるが、長門裕之のこれまたどっからどう見ても意志薄弱で駄目そうな感じが良いのだ。>>続きを読む
マリアンヌ・フェイスフル演じるヒロインは、バイクを乗り回し奔放に生きるビッチ気味の女の子。
日々刺激を求めて生きているが、不釣り合いなほど真面目で優しい婚約者がいる。
しかしこの婚約者ときたら、小学教>>続きを読む
愛人と妻が共謀して夫を殺してしまう、という話だが、殺害後の不可解な事件が本作の肝になっている。
ミステリーの金字塔という事で、オチ自体はよっぽど察しが悪い人でない限りは途中で気づくだろう。
ただ、「二>>続きを読む
タイトルから何となく監禁凌辱的な物を想像してしまうが、「囚われ」はむしろ精神的なものを指している。
夫の知り合い・スタンのスライドショーの中にSM写真を発見して以来、スタンとSM世界に惹かれていく主人>>続きを読む
結構酷いじゃないか。
本格サスペンスと聞いていたのに、完全に『君よ憤怒の河を渉れ』系列じゃないか。
致命的に荒唐無稽だ。
冒頭だけは結構惹き込まれた。吉岡秀隆の何か患ったかのような相変わらずの演技を>>続きを読む
中島貞夫作品の特色である、「若者(特に権力の犠牲となって散っていく存在)への肩入れ」の源流的な作品だ。
本作では、鶴田浩二や高倉健といった、60年代の東映を「任侠」で支えた俳優が助演に回っている。
そ>>続きを読む
最近の戦争映画の中ではかなり大人しめの部類だ。
戦争そのものではなく、病んでいく兵隊達に焦点を当てているのが主な原因だろう。
数少ないグロテスク・ショッキングなシーンが、どれも戦闘シーンではなく、捕虜>>続きを読む
ルンペン、コジキ、首吊り死体、芸者、ストリップ、乱交…浅草の風俗を映し出すOP。中々期待させられる。
その後、回転木馬に乗る背広姿の清水健太郎。ATG映画を観ているのかと思った。
この映画、終始こんな>>続きを読む
やはり強烈なのはマイケル・ファスペンダー演じる鬼畜白人エップスだ。
「黒人モノ」に登場する悪人の基本的所業は勿論の事、特にパッツィーという黒人娘に対する暴力の嵐。
寵愛すると同時に、犯し、甚振り、虐待>>続きを読む
「昔気質のヤクザが変わってしまった俗世から浮いてしまう」というのは鶴田浩二映画によくあるパターンだが、この映画が特殊なのは、物語を「変わってしまった俗世」側から描いている点だ。
天知茂の役がいつもの>>続きを読む
みんな、万博だ景気だと浮かれているけど、戦争で死んでった日本人や、今まさに世界で起きている戦争の事を忘れてんじゃないのか?といったジレンマ。
象徴的なのは、伊藤雄之助演じるスケベ医者・通称「センセイ」>>続きを読む
『けんか空手 極真無頼拳』『君よ憤怒の河を渉れ』『北の螢』…
数多の邦画で観客を脱力と失笑の渦に巻き込んだ着ぐるみグマとついに決着がつくのだ。
「三毛別羆事件」といえば吉村昭の恐怖小説『羆嵐』が有名>>続きを読む