vivoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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Bros(原題)(2022年製作の映画)

1.0

誰かと長い関係を築くことに臆病な二人が主人公というありがちなラブコメ。性的マイノリティにとって、まだまだ決して生きやすい社会ではないものの、確実にベクトルはポジティブな方向に進んでいることを感じさせる>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

冒頭シーンからケイト・ブランシェットの見事な演技に圧倒されっぱなしだった。音楽をひたすら愛し、その力に魅了され、それ故に情に左右されない冷徹な判断をする。しかしそれと同時に自覚せぬ欲望にも動かされてい>>続きを読む

点と線(1958年製作の映画)

3.0

面白いアリバイづくりなのだが、アリバイをもっとわかりやすく隙なく見せられていたら、終盤の楽しさがより増していたような気がする。駅と線路を表すタイトルが、犯罪の動機が生まれる仕組みも表しているようで面白>>続きを読む

楢山節考(1983年製作の映画)

5.0

種の保存と、それを最終目的とした自身の目前の生への執着は全ての生命にプログラムされていて、それ故に人間も例外なく、喰い、生殖することに必死になり、益のないものを排除する。その姿の凄まじさと、蛇や虫と同>>続きを読む

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.0

人間の創作物を主人公にするのはよくある物語のフォーマットだが、そこに進化するAIの要素が加わって、新しさのある楽しい作品になっている。アイデアのある明るいユーモアが楽しいし、可愛らしい恋物語が嬉しい気>>続きを読む

エレファント・マン(1980年製作の映画)

4.0

生命への尊敬と慈悲を感じる作品。生命とは肉体より精神的な事象であるという帰結に救われる。そして、デヴィッド・リンチらしい暗喩的で美しい映像に想像力が刺激され、同時に精神が浄化される感覚を覚えた。

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

最もらしい学説が掴みとして強い。そして、その学説を言い訳に背徳行為を無邪気に楽しむ中年たちの姿に、永遠に青春を求めてしまう人間の可愛らしさを感じた。酒にも青春にも功罪がある。だからこそ求めてしまうのか>>続きを読む

失われた週末(1945年製作の映画)

3.0

酒に依存してどんどん落ちてゆく男と、そんな男を再生に導く力強い女の関係が、少し長い週末を通して巧みに描かれている。主演のレイ・ミランドの演技が弱い男を哀しくも愛らしく演じていてよかった。アルコール依存>>続きを読む

とんかつDJアゲ太郎(2020年製作の映画)

1.0

学芸会感が強めのお気軽ムービー。ユーモアの質が好みに合わず全く乗れなかったが、とりあえず音楽はご機嫌だし、とんかつは美味そうだった。

クヒオ大佐(2009年製作の映画)

3.0

思いっきり面白おかしく愉快に仕上げられる物語を、あえて情緒たっぷりに描いているところに惹かれた。冒頭シーンに代表されるケレン味の強い演出もいいアクセントになっていて、全体として、見たいように世界を見て>>続きを読む

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

4.0

何かの境界線をギリギリのバランスで伝うような会話が、とても繊細に緊張感と臨場感を伴って描かれている。たとえ理解したい思いと理解されたい思いを互いに抱いていても、お互いを理解するのは難しいということがひ>>続きを読む

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

4.0

儚さを伴った多幸感に満たされた作品。人生は壮大なごっこ遊び、愉快で幸せなことで満たすべきもの。やがて全ては夢のように消えてしまうから。それなのに、世の中には人生をつまらなくするごっこ遊びが多すぎる。目>>続きを読む

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(2019年製作の映画)

2.0

割り切った漫画的演出が潔い。頭脳戦では全くなかったが、橋本環奈の顔芸&声芸が期待通りに楽しかった。

閉ざされた森(2003年製作の映画)

3.0

なんだかスピーディーな理解力が求められる映画だった。どんでん返しを畳み掛けられるのだが、突然一度に訪れる情報量の多さに加え、合理性に欠けるところが気になってしまい、イマイチ気持ちよさは味わえなかった。

メトロポリス(2001年製作の映画)

2.0

ストーリーにはイマイチ乗れなかったが、3DCGっぽさを全面に出したダイナミックな映像や、ドラマティックなスローモーション、ジャズBGMによって生まれる独特なリズムなど技術鑑賞が面白かった。

つばさ(1927年製作の映画)

3.0

実物を撮影した映像ならではの緊張感ある空中戦が見もの。すごく危険を伴う撮影だったに違いないと思わされるから見入ってしまう。幾つかの小道具が正しくその役割を果たすストーリー展開には様式美のようなものを感>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.0

小さな家族としてのヤクザの描き方が新しい。コミカルな要素も交えつつ、全体的には小さな家族を築き護ることが難しい状況にある人間の哀しさを残す映画。印象的な俯瞰、役者の表情が映えるズームイン、躍動感のある>>続きを読む

愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.0

無駄のない12分間。哀しすぎるが、「If anything happens I love you」という言葉が大きな救いとして残る。たとえその言葉を残せなかったとしても、互いにその思いを抱いていたと信>>続きを読む

ANIMA(2019年製作の映画)

3.0

ふとしたきっかけで日常が少しだけ調子を外し、そこから生まれる小さな非日常。そんな、夜だけに存在する世界を思い出させてくれる心地よい映像と音楽。それぞれにわかりやすいアイデアのあるダンスが楽しかった。

キング・アーサー(2016年製作の映画)

2.0

ガイ・リッチーらしい軽快な会話と大袈裟なアクションが楽しい作品だが、最近の映画はアクションの派手さがインフレ気味なので全体的には、よくあるアクション映画のひとつという印象。ガイ・リッチーの特許とも言え>>続きを読む

レベッカ(1940年製作の映画)

3.0

物語の大仕掛けについては最初からある程度予想がついてしまったが、そこをオチにせず、善悪をつけられない状態で展開する後半が面白かった。根っからの悪人はいないが、皆弱く、その弱さが大きな破滅を呼ぶ。これは>>続きを読む

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

見つけ見つけられ、理解し理解され、求め求められる。そんな奇跡のような歓びと、性の快楽と、それらを知ったが故に避けられない不安と孤独。そんな全ての感情を教えてくれた人間の一番近くにずっとはいられないとい>>続きを読む

地上より永遠に(1953年製作の映画)

4.0

この物語の中心にいる二組の男女は、それぞれが過去や使命に囚われていて、自由や幸福への切符を手にいられずにいる。しかし、そんな小さな人間達など気にもかけずに世界は突然変わり、どんな強い拘りも意味を失うこ>>続きを読む

誰が為に鐘は鳴る(1943年製作の映画)

3.0

文学的な台詞が味わい深い悲恋ドラマ。題名とも繋がるが、自分以外の誰かの中でも自分は生きることができるという強い確信が人にとって強力な救済になることを改めて思い出した。美しいイングリッド・バーグマンをよ>>続きを読む

ローズ島共和国 ~小さな島の大波乱~(2020年製作の映画)

3.0

カラッと描かれているが、数多く存在するミクロネーションの中には、強い個性と公共利益を両立する難しさがカタチとなって現れたものも多いんだろうなと気付かされた。強い個性は、たとえ公共に認められなくても、大>>続きを読む

一人っ子の国(2019年製作の映画)

4.0

一人っ子政策が生み出した様々な副作用に気づかせてくれる見応えあるドキュメンタリー。それが政府にとって都合が悪くない限り犯罪が容認されていることが恐ろしかった。大事な決断を人に任せてしまうと結果への責任>>続きを読む

東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)

3.0

ツッコミどころ満載のタイムリープはオマケみたいなもので、まぁ、頭を使わずに義理人情と喧嘩を楽しむヤンキー映画。キャスティングがなかなか良くて、特にガムシャラへなちょこキャラがすごく似合う北村匠海と、脆>>続きを読む

生きちゃった(2020年製作の映画)

3.0

本音なんて滅多に言えない、そんな普通の人たちの痛みをオフビートに描いた作品。英語だったらホントのことが言えるという話には共感。若手俳優が熱演を見せているのだが、やや頑張ってる圧が強すぎると感じてしまっ>>続きを読む

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.0

あー、マトリックスって、こんな雰囲気、こんなノリだったなと懐かしく感じた。前回までの作品を全てゲーム扱いするカジュアルな入口から一気にマトリックスワールドに突入する導入パートが、一作目をなぞる流れで気>>続きを読む

キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.0

段階的に種明かしする展開になっているものの、特に捻りがあるわけではないストレートな復讐劇。雰囲気もザ・復讐劇。それにしても殺される人の数多すぎ。

我が家の楽園(1938年製作の映画)

4.0

まず何より自分自身が幸せを感じられる状態をつくり、それを維持する。その上で身近な人の幸せのために自分ができることをやる。自分の幸せと身近な人の幸せが重なることを目指しながら。そんな素敵な生き方にポジテ>>続きを読む

イヴの総て(1950年製作の映画)

5.0

登場人物たちの印象が途中からくるりと変わる仕掛けが面白い群像劇。それぞれが抱える未熟さと不安が巧みに描かれていたし、それを上回るしたたかさが小気味良かった。

ザ・マミー(2017年製作の映画)

2.0

一般的なホラーを期待して見始めたので、予想外の暗い展開にどんな気持ちで鑑賞すれば良いのか迷子になってしまった。こんなことが起こり得る社会がホラー。少しクセのあるこだわり映像は面白かった。

PLAN 75(2022年製作の映画)

5.0

歴史を振り返れば、現代の倫理観ではありえない法律などいくらでもあるわけで、この映画で描かれるPLAN 75にも十分現実味を感じた。だからこそ、この作品を見ている時間は、何が正解なのかはわからないけれど>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

4.0

ガイ・リッチーらしいスタイリッシュで愉快なエンタメ。新しいアイデアのあるオープニング映像、それぞれにスタイルがあって好きになってしまう登場人物たち、そして裏表がくるくる回る後半の楽しさ。まさにガイ・リ>>続きを読む

地上最大のショウ(1952年製作の映画)

3.0

公開当時はサーカスの情景がさぞ豪華に映っただろうし、命をかけたパフォーマンスにハラハラドキドキさせられっぱなしだったに違いない。さすがに現代映像技術によるスペクタクルに慣れてしまっている目には退屈に感>>続きを読む