平成2年の男さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.0

・「記念するべき500本目は君に決めた!」のノリで視聴。チョイスに間違いはなかった。

・こんなにヒューモア溢れる映画だったのか。新鮮な驚きがあった。

・傑作と呼ばれる作品には、視聴前の段階である程
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984年製作の映画)

2.5

・一ヶ月かけて視聴した。非常に忍耐を必要とする作品であった。四時間近い尺は退屈の原因ではない。

・時間を置きながら観たせいで、話の前後の記憶が糢糊として、物語への同調が難しかった。はじめは、話が複雑
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羅生門(1950年製作の映画)

4.0

・「羅生門効果」という言葉が世界に流布したのは本作のためである。

・最初のクレジットで原作「藪の中」とあったので、あれ?となった。語り口の舞台設定が羅生門なだけで、話自体は藪の中なのね。

・本作に
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欲望の翼(1990年製作の映画)

4.8

・本作では次の詩が繰り返し登場する。この詩については中学生の頃から知っていた。印象的な詩だったから、ずっと覚えていた。テネシーウィリアムズ「地獄のオルフェウス」の詩である。

『脚のない鳥がいるらしい
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ロニー・コールマン: 偉大なる王者(2018年製作の映画)

3.5

・全盛期のロニーの破裂しそうな肉体美、晩年のロニーの自力歩行すらままならない姿、その対比により絶えず問いかけてくるのは人生に横たわる等価性である。

・某登場人物「自分で立つことも出来ない身体になって
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ジェネレーション・アイアン3(2018年製作の映画)

3.5

・ジムに通い始めて分かるボディビルダーのかっこよさ。きもーいと一蹴してきたあの身体が命を賭して作り上げられたものと知った瞬間に、彼らの全てが神々しさを纏いだす。

・昔から鍛えなくても筋肉質だった俺が
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ミュウツーの逆襲 EVOLUTION(2019年製作の映画)

2.5

・当時の俺にとって「ミュウツーの逆襲」は怖い映画だった。ポケモンらしかぬダークな雰囲気にすっかり参ってしまい「僕は本当にポケモンの映画を観たのだろうか」という疑念が映画館を出てからもしばらく抜けなかっ>>続きを読む

SCOOP!(2016年製作の映画)

2.5

・開始10分後くらいに現れる沖田杏里に反応した男はきっと多いはず。

・カウボーイビバップ感ある福山雅治も悪くない。

・チャラ源、リリーフランキーさんでしたか。演技がお上手ね。馬場さん役の演技がとっ
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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

4.0

・文学を愛する一人として本作を視聴した。厳しい目で見てしまうだろうからと避けてきたが、実際に視聴してみるとなかなかどうしてよくできた作品である。

・「ミッドナイトインパリ」の日本文学版のような作品で
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レミゼラブル(2000年製作の映画)

3.5

・ミュージカル版は映画館で観た。ふと、もう一度レミゼラブルの世界に入りたくなり、本作を視聴した。ミュージカルという表現形式を取らずとも、物語全体から生命の輝きがほとばしり、胸に熱く流れ込んでくるのは、>>続きを読む

さよなら、僕のマンハッタン(2017年製作の映画)

4.0

・どちゃくそストライクゾーンな作品。人間の醜悪さがどうしようもなくだだ漏れしているのを、オシャンティーな街並みや、意味プーさんなペダンチズムでオブラートに包んじゃう系の作品。もう大好物。大好き。

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ザ・ホワイトタイガー(2021年製作の映画)

3.5

・インド特有の格差を丁寧にすくった作品。うまく言語化できないが、貧富の格差を風刺する多くの作品とは視点が違うように感じた。奴隷根性が血の髄までに染み込んでいる男の葛藤に迫ろうとする原作者の執着心が映像>>続きを読む

オルフェ(1950年製作の映画)

2.0

・古い映画である。特に歴史を感じたのは、タバコポイ捨てをどうだイカしているだろ?と言わんばかりに映している点だ。

・映画って進化しているんだなぁ(小並感

・神話的な骨子を取り込んでいるだとか、幻想
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.0

・有名すぎる作品だが、2chのクソみたいなコメントにネタバレされてしまい、観る気が起きず放置していた。本日、ようやっと視聴。オチを知らなければもっと楽しめた。クソッタレが。

・風刺が効いていること、
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ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(2019年製作の映画)

4.0

・視聴後、これは評価が悪いだろうと予想してFilmarksを開く。案の定、1.0や1.5とかが目立つ。私の感想としては、本作のシナリオはこれでよかった、である。タイトルから、ある程度オチを察せていたか>>続きを読む

アナイアレイション -全滅領域-(2017年製作の映画)

3.5

・うまいなぁ。「遺伝子構造の反射」というSF要素が、潜在意識を煽る怖さと非現実的な美しさを引き出す格好のスパイスになっている。抑制が効いている。作品に無駄なところがひとつもない。惹きつけられたよ。>>続きを読む

フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ(2015年製作の映画)

3.0

・Roland様(ここは様をつけるのが適切と判断)が御自身のアパレルブランドを立ち上げる際にインスパイアされた作品として視聴。

・ミリ単位までこだわり抜かれたエレガントが作品の髄まで行き渡っている。
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

4.0

・ほろりと涙が零れてしまった。自分に子どもができたとき、彼らと同じ境遇におかれたら、と想像するだけで辛い。

・学校内での銃乱射のような哀しい事件を二度と起こしてはならないと静かに訴えかけてくる。
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フォーカス(2015年製作の映画)

2.5

・マーゴットロビーがひたすらに可愛い映画

・戦隊モノよろしく、長セリフ中、悪役が静かなのがとても愛おしい。

・スリ描写の説得力が凄まじい。監修にプロのスリ師がついているとのこと。

・缶コーヒーの
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ゲームチェンジャー: スポーツ栄養学の真実(2018年製作の映画)

4.0

・内容の全てを鵜呑みにするのは危険だが、意義のあるムービーだと思った。

・オリンピックの金メダリストや世界で最も重いものを持ち上げられる人、骨ミネラル密度が異常に高いスパルタの戦士は、みんな菜食主義
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ユダ(2012年製作の映画)

2.5

・広告をバンバンと打っている『今際の国のアリス』に出ていたシブキ役の水崎綾女が印象に残っていたため、彼女が主役を張っている本作を視聴。

・採光の使い方や気合の入ったヌードなど良いところもたくさんあっ
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アメリカ(2015年製作の映画)

4.0

・地方から上京する前の、東京に抱いていた神話の都市のようなイメージを思い出した。

・アメリカへの憧れと退廃した都市とコントラクトが絶妙すぎて、胸がキュンキュンのぴょんぴょんなんじゃあ〜。

・映画タ
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レナードの朝(1990年製作の映画)

3.0

・ロビンウィリアムズが何故か苦手な私だが、髭が生えているロビンはまだ視認上の嫌悪感がマシだということに気がついた。

・私はなぜロビンウィリアムズのことが苦手なのだろうか。まずロビンの笑顔が生理的に受
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.5

・不朽の名作と謳われる作品には、生まれるべくして生まれたとしか云い様のない必然性が備わっている。本作もそういう作品だった。

・人情話だろうという偏見がこの有名すぎる作品の視聴を今日まで遅らせてしまっ
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ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣(2016年製作の映画)

4.5

・エンドロールの踊りの静謐さに魅入った。一つの境地に至ろうとする静かさが匂い立つような。テイクミートゥーチャーチで魅せた怒気と獣性を放つ踊りとは一線を駕する神々しさがエンドロールの踊りにはあった。>>続きを読む

征途 -英雄へのバトルロード-(2019年製作の映画)

2.0

・コテコテのヴィクトリー系、たまに観たくなるが、その周期が巡ってまいりましたので視聴。やりすぎなくらい王道プロットを踏襲しており、モツ鍋のような味わいがあった。エンタメのプロットとしてはメインストーリ>>続きを読む

BLAME!(ブラム)(2017年製作の映画)

2.5

・原作ファンのレビューを見ないと本作の良さは分からない。曰く、映画では分かりやすい内容に砕かれているが、原作は相当に難解とのこと。

・世界観の作り込みが素晴らしい。ディストピア・ファンタジーに浸りき
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セブン(1995年製作の映画)

3.0

・とても評価の高い作品だが、個人的にはエンタメとして鑑賞しエンタメとして終わった以外の感慨はない。

・目立つ欠点もなければ特筆する箇所もなく、コメントに困る。強いて挙げるならば、評価点としてオチはあ
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園子温という生きもの(2016年製作の映画)

3.0

・園子温氏の手掛けた作品に痺れっぱなしだったこの三連休の締めとして視聴。

・なんて子どもなのだろう、と思った。無邪気であるがゆえに世の中に対するあらゆるものを許せずにいて、時間を惜しみながらその怒り
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マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

2.5

・評価の高い作品だったが、私は良いとは思えなかった。本作の素晴らしさは次の2点にあると理解している。キアヌリーブスと夭折したリバーフェニックス、二人の役者間の親交を語る上で重要な作品である点、生い立ち>>続きを読む

さくらん(2007年製作の映画)

2.8

・花魁系の話は好きでよく観ているのだが、つくつぐ難しいと感じる。決して、蜷川実花氏の実力が及んでいないわけではない。初監督作品にしては相当よくやった方だと思う。だが、何かが足りない。演技やキャスティン>>続きを読む

愛のむきだし(2008年製作の映画)

5.0

・久しぶりに文句なしの5.0。間違いなく2020年でナンバーワンの作品。

・コリント第十三章 02:53:00

・これほど馬鹿馬鹿しくて、切実で、生への怒りが剥き出しになった映画が存在する世を喜び
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百円の恋(2014年製作の映画)

3.8

・安藤サクラの役の作り込みが凄まじい。鬼気迫るという形容が相応しいほどに仕上げてきている。ボクシングについては、練習場面や試合のハイライトをYouTube等で眺める程度の馴染みしか持ち合わせていない私>>続きを読む

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

4.5

・お恥ずかしながら、本作にで園子温監督を初めて知った。日本には希少な、世界と渡り合える監督だと思った。モラルや心理的抵抗の抑制を意識的に外して狂気に踏み入ることが出来ている。この狂気が難しい。打算なく>>続きを読む

花鳥籠(2012年製作の映画)

2.5

・主人公である寧子役に随分とニッチなセクシー女優を据えたものだなぁと思いながら視聴。エンドロール後にGoogleで検索したところ、セクシー女優ではなく、元グラビアアイドルによる体当たり演技であったこと>>続きを読む

CUBE(1997年製作の映画)

3.0

・密室スリラーの金字塔として、いつか観たいと考えていた作品。いつのまにかNetflixで配信されていたので視聴。

・多くの密室スリラー系映画に本作の遺伝が連綿と流れている。シチュエーションをありきた
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