薄さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

3.0

ガラケーが時代を感じさせる2006年公開の人気作。もっと最近の映画かと思ってたけど15年以上も前の映画だったんだな。

お仕事ものっぽくもあり、新たな環境に染まっていく顛末が青春ものっぽくもあり。王道
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あるスキャンダルの覚え書き(2006年製作の映画)

2.9

実際の事件を題材とした心理スリラー。ストーリーが進む毎に話の様相が変わっていき、どういう結末を迎えるかという興味で引っ張っていくが最終的には何がやりたかったんだかよく分からん感じに。

ちょっと中途半
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

2.9

半魚人と人間の恋愛というデルトロらしい題材に人種差別、LGBT、女性蔑視等の今的なテーマが重ね合わされた映画。

半魚人を親しみやすい造形にせず異形の者にしたのが上手いところで、観客が2人に抱く違和感
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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.0

正統派の親子ドラマ。題名になってはいるものの踏み込んでないと言うか、本質的にはギフテッドとはあまり関係がない話で、ギフテッド設定を省いて貧乏叔父と金持ち祖母の親権争いにしても成立しそう。

里親のシー
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.0

英国版大奥的な話だけど、仕上がりはコメディと言うかブラックユーモア的と言うか。間抜けな貴族たちが出てきたり、思ったより正統派じゃないなあと思ったら「籠の中の乙女」の監督だった。アレに比べれば随分正統派>>続きを読む

ある女流作家の罪と罰(2018年製作の映画)

3.0

私文書偽造で捕まった女流作家の伝記を映画化。有名人の手紙を偽造ってのは、絵画の贋作より簡単に出来る上に鑑定が難しそうで目の付け所がいいなーと思った。まあ、この人は捕まっちゃったんだけど。

ウディ・ア
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いまを生きる(1989年製作の映画)

3.0

途中までは退屈だったけど、後半の展開には惹きつけられるものがあった。今の感覚で見るとテーマそのものはともかく、親や社会からの抑圧のされ方はちょっと古く感じる。そういう意味では多少は前進してるのかな。形>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.0

「ピアノ・レッスン」を思い起こさせる冒頭、ベルイマンっぽいシーンなど序盤から映像的な見せ場が続く。ストーリーに合わせたのか絵画のような構図のシーンがあったり総じて映像は良い。

映像で語るタイプの映画
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君のためのタイムリープ/私を月に連れてって(2017年製作の映画)

2.9

ジャルジャル後藤をイケメンにした感じのリウ・イーハオが主役を担う台湾青春映画。世界中で流行ってる90年代リバイバルブームの中の1作でもある。

「あの頃、君を追いかけた」の影響が強そうだが、もうちょっ
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この世界に残されて(2019年製作の映画)

3.2

激動の時代に翻弄されながらも寄り添い、家族になっていく2人を描いた映画。

ストーリーの大きな動きというよりは日常を通じた細部の描写の積み重ねで見せる映画で、アルドの優しい目と佇まい、クララの意思の強
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狼/男たちの挽歌・最終章(1989年製作の映画)

3.5

ジョン・ウー&チョウ・ユンファだと何でも男たちの挽歌という題名になるが、この映画は挽歌シリーズとは一切関係なし。挽歌って付けないと客が入らなかったのかもしれないが、シリーズもの(しかも最終章)という敷>>続きを読む

それから(2017年製作の映画)

3.0

初のホン・サンス作品。

しょーもないおっさんを中心としたコメディと言うか何と言うか……妙な可笑しみがある映画で中々良かった。静かに淡々と進む展開は韓国映画っぽくないが、感情表現は韓国映画らしく激しい
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サマーフィーリング(2016年製作の映画)

2.9

「アマンダと僕」が中々良かったミカエル・アース。本作はその3年前に公開された第2長編。

身近な人物の喪失(と再生)というテーマ、同じ様に喪失感を抱える人間との交流の中でそのテーマを描いていく手法は「
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サマリタン(2022年製作の映画)

3.0

スタローンinアメコミ。

アクションは動けなくなったスタローンも魅せられるように工夫されていて良かったと思うけど、脚本・演出はどうしても安っぽくB級アメコミ映画という感じ。まあ、気安く楽しめるという
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.3

タイムスリップものの青春映画かと思って見ているとどんどん話が変わっていくジャンル横断映画。どういう種類の映画だかわからないところが後半の驚きに繋がっていくのが上手い。

ホラーとかサスペンスとか先入観
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ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)

3.0

ホラーと見せかけてナーメテーター系スリラーだった前作から一転して、今作は登場人物全員悪人版レオンみたいな仕上がり。

前作は盲人であることを生かした演出が面白かったが、今作はその手の演出が後半一瞬出て
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藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

2.9

ファーゴ系ドタバタ群像劇。

登場人物とその状況の説明に割かれる序盤がスローな立ち上がりで、ゆっくり見てる間に全体的な構図が見えてきてしまう。見えてしまうと怒涛の伏線回収が答え合わせ的になって面白みが
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星になるまで(2019年製作の映画)

3.0

木村昴似の不良が最近珍しいぐらいの根っからのクズで笑ってしまった。何か理由があってクズになったようにも見えないし。

そこら辺の極端なキャラ設定も含めてやや稚拙であざとい映画だとは思うけど、何だかんだ
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.1

承認欲求と現実逃避の為に嘘を付いた青年が泥沼に嵌って追い詰められていく話。リアル嘘松と言うか、SNS時代らしい題材の青春(?)映画になっている。

思いやりや優しさが全くなかったとは言わないが、それを
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導火線 FLASH POINT(2007年製作の映画)

3.0

導火線に火がつくまでのドラマ、サスペンス部分がもさっとしてて展開が遅い。合間に挿入されるのも人情噺や銃撃戦(これは結構面白かった)で俺が見たいのはこれじゃない……と思っていたけど、ラストにたっぷり格闘>>続きを読む

メアリーの総て(2017年製作の映画)

3.0

「フランケンシュタイン」の作者メアリー・シェリーの伝記+メロドラマ映画。

主に描かれるのはメロドラマの部分なんだけど(ラストにちょろっとフェミニズム的な主張も入る)、そこから離れた自伝的な部分の方が
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.0

現代社会を象徴するような施設、"プラットフォーム"を通じて現代社会を観察するような映画。「CUBE」フォロワーのデスゲーム系映画と思って見たのでちょっと拍子抜けしたが、「CUBE」同様グロは多い。下の>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

2.5

「スワロウ」に続いて欧米フェミニズム映画を観賞。

「スワロウ」がサスペンス風の語り口でフェミニズムを見せたのに対して、サスペンス映画として進んだ結果フェミニズムというテーマが浮かび上がってくるような
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パリの恋人たち(2018年製作の映画)

3.0

フランスらしいリベラルと言うかぶっ飛んでると言うか……というラブストーリー。家族ドラマの側面もあるかな。

特に良くも悪くもなく普通の出来。後半ちょこっとだけ出てきた医者の恋人が美人だったことが1番印
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希望の灯り(2018年製作の映画)

3.1

それでも生きていく、って感じだろうか。最後の波の音を逃避として捉えるか題名通り希望の灯りと捉えるかだけど、いずれにしても哀しみの中で生きていく人たちの姿が胸を打つ良作。

静かに、淡々と進む映画の雰囲
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

2.9

「はちどり」、「82年生まれ、キム・ジヨン」と韓国フェミニズム映画を続けて見たので、今度は欧米フェミニズム映画を観賞。

ホラー的な演出で不穏な空気を作るところとか、音楽の使い方だったりがA24っぽい
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ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

2.9

ヒッチコック風の演出とデニーロの怪演で見せるサイコスリラー。少々やり過ぎな感じで、スコセッシにしては大味な映画。とは言え展開が派手なだけに中盤あたりは盛り上がる。

嵐の中川に飛び込むのってデニーロと
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The Kids(2015年製作の映画)

3.1

「共犯」でヒロインの友達役をやっていたウェン・チェンリンが出ているので見てみたけど、主人公は「共犯」の主人公だったのね。印象が違ったので分からなかった。

未熟な二人と現実の高い壁、というテーマを「ブ
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鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

3.1

「薄氷の殺人」のディアオ・イーナン監督最新作で、グイ・ルンメイが引き続きファムファタール役。水俗嬢という職業は初めて知ったけど中国ではメジャーな存在なんだろうか。

映画としては中国の郊外都市を舞台に
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あるいは裏切りという名の犬(2004年製作の映画)

2.9

フレンチ・ノワールの巨匠オリヴィエ・マルシャルの代表作……なんだけど男の矜持や、友情、裏切りといったフレンチ・ノワールの様式美的な要素が控えめにしか描かれていないのが驚き。これがネオフレンチノワールと>>続きを読む

ポルト(2016年製作の映画)

3.0

一夜の出来事とその後の2人を交互に描く詩情溢れる映画。なんとなくジム・ジャームッシュっぽいなーと思って見てたら製作総指揮だった。ジム・ジャームッシュが好きな人は気にいると思う。

映像で時代感を出して
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八月の鯨(1987年製作の映画)

3.0

偏屈な姉とその世話をする妹、二人の老姉妹を中心とした人間ドラマ。

生活感がありながらも、どこかセンスを感じるインテリアや二人の暮らし振りがお洒落。美しいロケーションも相俟って映画全体の雰囲気が良く、
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海の上のピアニスト イタリア完全版(1998年製作の映画)

2.9

監督トルナトーレ、音楽モリコーネというお馴染みコンビの作品。この完全版はインターナショナル版より50分近く長いらしいが流石に冗長だったかな。インターナショナル版を見てないので完全版だけが冗長なのかイン>>続きを読む

シングルマン(2009年製作の映画)

3.0

「ノクターナル・アニマルズ」が中々面白く、他分野の人とは思えないほど巧みだったトム・フォード。監督デビュー作の本作はゲイの主人公が恋人を失った喪失感から自殺することを決意するが……というベタな感じのお>>続きを読む

セルピコ(1973年製作の映画)

3.0

実話に基づいた社会ドラマ。

しかしまあ、凄い世界。ここまで酷いとキレイにするのは難しいだろうし、実際に警察の汚職にまつわる話は後を絶たない。セルピコの頑張りが報われなかった「その後」を知ってるだけに
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イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

3.0

天心vs武尊当日、格闘技熱が冷めぬまま観賞。

シリーズ完結編の今回は人種差別主義者でアジア人を馬鹿にしてる割に空手を学んでいる謎の男が悪役。71歳のイップ・マンがバリバリ動けるし、設定はガバガバ。ま
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