薄さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

妻への家路(2014年製作の映画)

3.0

久々のチャン・イーモウ&コン・リー作品という事で、旦那役のチェン・ダオミンが田代まさしに見えて少し集中を削がれつつ見る。文革後を中心に描いた映画っていうのは珍しいかも。

記憶喪失のせいで側にいるのに
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インテリア(1978年製作の映画)

3.1

イングマール・ベルイマンのオマージュとして作られた(らしい)本作。しっかり見たベルイマン作品は「叫びとささやき」だけだったけど、本作はこの作品にインスパイアされたらしいので丁度良かった。

序盤に登場
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男たちの挽歌(1986年製作の映画)

3.1

香港ノワールの金字塔。チョ・ユンファのサングラス&ロングコートのイメージが強かったけど、早々と落ちぶれてみすぼらしい格好になって驚いた。結局この人が格好いい映画というのはイメージ通りだったけど。

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チィファの手紙(2018年製作の映画)

3.1

韓国のショートムービー「チャンオクの手紙」のリメイク。この映画を更にリメイクしたの日本版が「ラストレター」で、いずれも監督は岩井俊二。「ラストレター」は観賞済み。「チャンオクの手紙」は現在日本で見る方>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.0

よくあるループもののSFラブストーリー。タイムループを謳歌しているというのはAmazonオリジナルの「明日への地図を探して」に近いものがあるかな。

似たような他作品と比べて抜けてるものがある訳ではな
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俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.0

アメリカン・ニューシネマの先駆的な作品でもあり、代表作。ラストシーンは超が付くほど有名だけど、通して見たことはなかったので改めて鑑賞。

その後のニューシネマに比べると理屈臭さがなく、ストレートに社会
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.1

行き場をなくした怒りと悲しみが溢れ、善悪を越えて暴走していく話。所々に希望の光は見えるものの、最後にどのような選択をするにしてもその怒りと悲しみが解消されることはなく、ラスト、人生に疲れきったようなミ>>続きを読む

ルビー・スパークス(2012年製作の映画)

3.0

恋人を勝手に理想と重ね合わせて勝手に幻滅するという、恋愛経験の少ない人あるあるをSF設定を使って映画化。理想通りの恋人なんて造ってもいつか虚しくなりそう……。

ありのままを愛すると言うのは簡単でも実
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.2

アカデミー脚色賞受賞。ちょっと変わった視点で描く戦争映画。ナチスを思いっきり間抜けに描き笑い飛ばす無邪気さはアメリカ映画らしい。

ナチ少年の家に匿われているユダヤ人少女というアイデアが面白いし、コミ
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ブルックリン(2015年製作の映画)

3.0

前半はアイルランドからブルックリンに出てきた主人公の成長物語。後半は故郷や家族との自分が見つけた居場所との狭間で揺れる話になっていく。

どうなるのかなあと思って見てたけど決断のきっかけがなー。自発じ
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.0

流石ギレルモ・デル・トロと言うような世界観のある映像にグッと引き寄せられる前半。コンゲーム的になってくる中盤以降もどういう結末を迎えるか楽しみに見てたけど最後の展開がなあ。

原作のように自ら治療に行
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(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.0

結局のところ恋愛映画って大体価値観の違いの話になるよなーというのが最初の感想だったけど、ここまではっきりフォーカスした映画は珍しいかも。逆に話のキーポイントとなる映画が「卒業」だったり道具立てがベタな>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

2.2

ウェス・アンダーソン作品は「ムーンライズ・キングダム」以来だが更にパワーアップ。

お洒落がパンパンに詰まったウェス・アンダーソンファンには堪らない映画だと思うけど、お腹いっぱいを通り越して食傷気味に
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.2

アカデミー受賞作という事で教養として鑑賞。

前半は社会問題となっている車上生活者=現代のノマドの生活がリアルに、後半は主人公ファーンがノマドとして生きる理由が描かれる。負け組・不幸な存在であるはずの
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

3.0

人生に行き詰まった「負け犬」家族が主役のロードムービー。

100分で家族それぞれの事情を描いているためか話がやや駆け足なのが気になっていたけど、幸福感溢れるダンスシーンでどうでも良くなってしまった。
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はちどり(2018年製作の映画)

3.0

「82年生まれ、キム・ジヨン」と同様、女性の困難を描いた映画。この映画にも90年代、日本のホームドラマで見たような描写が出てきて懐かしい。

逆に兄がストレス解消に妹をぶん殴るという描写は日本では中
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ザ・ビッグ・コール 史上最強の詐欺師たち(2017年製作の映画)

2.9

グイ・ルンメイ目当てで鑑賞。振り込め詐欺グループと中国警察の戦いを描いた作品で「史上最強の詐欺師たち」って邦題は大分イメージと違うような……。

内容としてはスピーディーな展開で話を二転三転させつつ、
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

2.5

90年代のチョイ悪(?)少年たちを憧れからなのかノスタルジーからなのか美しく描いた映画。A24らしく流行りの90年代カルチャーを詰め込んだエモい造りでこういう世界に憧れ(やノスタルジー)を持つ人なら楽>>続きを読む

ホット・ロック(1971年製作の映画)

3.0

時間内に収めるために登場人物とエピソードを少し省いてはいるがほぼ原作通りのストーリー(アフガニスタン・バナナスタンドもそのまま)。雰囲気と言うか作中の空気感に違いはあるものの、映画版も軽快なケイパーも>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.0

何はともあれ、ほぼ1人でこれだけのものを造り上げたのがまず凄い。特にセットは圧巻。もっとCGで誤魔化してるのかと思ったけどしっかり作り込んでいて、きちんと独自の世界観が出来上がっている。セットが広いお>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.0

女性の生き辛さを描いた映画。親族が集まる中、姑と共に台所で働き嫌味を言われる……というシーンなど日本のホームドラマだと一昔前に描かれていた様なシーンが多く、ちょっと懐かしかった。

主人公世代と母世代
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長江哀歌(ちょうこうエレジー)(2006年製作の映画)

3.0

ダム開発で水の底に沈んでいく街と転換期を迎えた夫婦たちを重ね合わせ、その合間に行き場をなくした人々の生活が描かれる。邦題通りの物哀しい雰囲気はいいんだけど、時々挿入されるファンタジー要素とか煙草・酒・>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.0

プライドが傷付いたのでチンピラ相手に憂さ晴らししてたら、眠らせていた暴力衝動が蘇った主人公。ちょうどロシアンマフィアが仕掛けてきたので仲間と仲間と一緒に思う存分ストレス解消!
という冗談みたいなストー
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

2.0

コーヒーと煙草が添えられた11個のエピソード。

それぞれのエピソードに繋がりはないものの俯瞰で撮られるコーヒーと煙草、白黒チェックのテーブルなどモチーフは統一されていて洗練された印象。名優が続々と登
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

2.9

ジャケットとパルムドール受賞というのを見て綺麗なお芸術映画を想像していたけど、「官能的な〜」と言うのが枕詞になる類の映画だった。そういう点ではエロス大好きのフランス映画らしい映画と言えるかも。

主人
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

2.9

寓話的なメロドラマなのはあらすじや評判から想像していたので気にならなかったけど、会社関連の話まで同じ感じで現実味なく進められて冷めてしまった。

お花畑的な話なので、ホプキンス(もしくは神)というちょ
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無敵のドラゴン(2019年製作の映画)

2.0

謎のナレーションで無理矢理話を進めたり、サスペンス仕立てなのに全然サスペンスフルじゃなかったりと脚本が稚拙かつ支離滅裂。演出も上滑りで、救いはいつも通り華麗なマックス・チャンのアクションだけ。ただ、こ>>続きを読む

激突!(1971年製作の映画)

3.0

スピルバーグの出世作となった元祖煽り運転映画。タンクローリーを鮫に変えたらジョーズになる。スピルバーグも好きな「サイコ」序盤のパトカーに追い掛けられるシーンから影響を受けてる気がする。

当然カーチェ
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泥棒成金(1954年製作の映画)

3.0

ヒッチコックらしく手堅い作りだが、流石に今の映画に慣れた目で見るとテンポが悪く感じる場面もある。いわゆるヒッチコックの代表作と言われる作品郡には劣るかな。

ドレスなどエレンガントなファッションをした
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エール!(2014年製作の映画)

3.0

視覚障害者の家族とその娘を描いたヒューマンドラマ。アカデミー賞最有力「Coda」のリメイク元と言うことで見てみたが、メインストーリー以外の話がほとんどSEX関係というのが凄い。

後はやたらと両親が破
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最愛の子(2014年製作の映画)

3.1

ティエン夫妻が主役となる前半はあらすじ通り「そして父になる」と「八日目の蝉」が合わさったようなストーリー。怪しい麻袋を追いかけるシーンなど滑稽に見えるほどの必死さが哀しく、胸に迫る。

話が転調するの
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.0

「ヌーヴェルヴァーグの祖母」と呼ばれるアニエス・ヴァルダのデビュー作だとか。よく知らない監督だったけど気になったので教養として鑑賞。フィリップ・ノワレが若い。

倦怠期を迎えた夫婦が哲学的な会話を交わ
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.2

ストーリーはいつものマーベルという感じだけど、とにかくアニメーションが凄い。

色々な画風のスパイダーマンや3Dと2D、フォトリアルな映像とコミック的な演出と様々な要素をごった煮状態で詰め込みながらも
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フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

2.9

教養としての鑑賞。

春夏秋冬という季節の流れこそあるもののストーリーの軸はなく、フェリーニの少年時代の想い出が並列的に詰め込まれたような作品。映像の美しさと、港町の人々の豪快な明るさは印象に残けどあ
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そして友よ、静かに死ね(2011年製作の映画)

3.0

ゴッドファーザーを思い起こさせるパーティーシーンなど、序盤は派手なシーンがあってイメージと違ったが、最終的には男たちの友情と裏切りというフレンチノワールの王道展開へと収束していく。

アクションシーン
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.0

少し間抜けな奥さんに取り入って裕福な家族に寄生していく導入がコメディタッチで面白く、その後も意外な展開があって飽きさせない。最後までダレずに見れた。

半地下という韓国ならではの、その裏には格差社会と
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