櫻本榮真

境界線上のホライゾンの櫻本榮真のレビュー・感想・評価

境界線上のホライゾン(2011年製作のアニメ)
3.0
【はじめに】
作品に対して小説や漫画などの原作がある場合私はアニメーションを初見にして、後から原作に触れるようにしています。そのため原作との差異や矛盾点については原作から入った方のレビューにお任せします。あくまでアニメを初めて見た目線で書かせて頂いていることをご了承ください。

【良かったポイント】
物語のスピード感が気持ち良いくらい早い作品です。そして初回冒頭から物凄い情報量に圧倒されました。「ついてこい」と言わんばかりの進行に思わず前のめりになって入り込もうとしたのは作者と製作陣の思惑通りなのかもしれません。

また、古き日本の地名や武将の名前が数多く登場するため、歴史好きな方はより楽しめるかもしれません。

【難しかったポイント】
情報量の膨大さは武器にもなり得るものかと思いますが、文字通り視聴者を選んでしまうかもしれません。登場人物も多く、バラエティーに富んだ展開はとても魅力的ですが、ついていくのが非常に難しかったです。解釈がが多岐にわたる作品のように、繰り返しみることで理解や発見が生まれるものもありますが、繰り返し観たところでついていけない部分が多かったと感じます。逆にいえば、いろいろ考えずにスピード感を楽しむにはもってこいの作品かもしれません。

時代を感じるキャラデザですが、女子の胸が葡萄のふさの如く不自然に豊満なのは気になるところでもあります。男性にはこのくらいの方が魅力的に写るかもしれませんが、巨乳至上主義は作品に対する間口を狭めてしまうかもしれません。これも時代を投影した作品…と言ってしまえばそれまでですが。

【タイトルについて】
タイトルに纏わるエピソードは分かりやすい形で描かれます。情報量とスピード感に圧倒されつつ流れるように鑑賞しましたが、タイトルに関わるエピソード付近はスピードダウンして丁寧に描かれていたところは非常にリズミカルで気持ちの良いものでした。

【涙腺崩壊ポイント】
繰り返しになりますが、とにかく圧倒されたままでしたので、涙を流す余裕すらありませんでした。ただ、確かに一箇所感動的なシーンがありました。その後のシリーズを期待させる展開に繋がるもので、その演出は魅力的でした。

【まとめに】
タイトルを目にしたことはありながらも鑑賞には至っていなかった本作ですが、サブスクのおかげて触れることが叶いました。じっくり入り込んでいくタイプの私には難易度の高い作品でしたが、続編が楽しみになったのは間違いありません。個性に富んだキャラクターがこれだけ多く登場し、それなりに全キャラクターがキーになる流れというのも素晴らしい演出だと思います。1話ずつ観ていくと流れについていくのが大変だったので、私のようにじっくり派の方は一気見することをオススメします。
櫻本榮真

櫻本榮真