八咫烏

シュヴァリエ 〜Le Chevalier D'Eon〜の八咫烏のレビュー・感想・評価

3.9
時代はフランス革命以前。フランス、ロシア、イギリスを舞台に、姉を殺された貴族の青年と3人の騎士達の戦いを描くファンタジー。

実在の人物が出てくるので、フランス革命やロシアの女帝達をちょっと知っておくとより楽しめるかもしれない。裏ではこんな事が、、、みたいな楽しみ方も出来る。まぁファンタジーではあるのだが、ちょこちょこ史実とリンクしている。
ゾンビ(ガーゴイル)や降霊、錬金術師やゾンビを操る詩人達が出てくる世界観。詩人が力を使う時に詩を唱えるのがフランスっぽい。
死んだ姉の魂が主人公の中に宿っていて、戦いの際には人格が入れ替わる。

敵や裏切り者にも矜持と信念があり、勧善懲悪といかないのはお約束。最も先を見通す目を持つ描かれ方のロベスピエールは、史実でもフランス革命の重要人物となるのは周知の事実。声の効果もあって仄暗い色気がある。

一方で当初は魅力がイマイチ感じられない主人公側も中盤以降は見せ場が増えてくる。逆に言えば中盤までのストーリーは若干退屈に感じるかもしれない。

ファンタジーではあっても、新しい時代を望む者と王国に殉ずる者の対比と悲哀、という普遍的なテーマの歴史アニメ。主人公のその後だけちょっと納得がいかないけど、歴史が嫌いじゃない自分は結構楽しめた。
志し半ばで逝った者の方が、幸せに見えるのは何故だろう。
八咫烏

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