なお

遊☆戯☆王SEVENSのなおのレビュー・感想・評価

遊☆戯☆王SEVENS(2020年製作のアニメ)
3.0
”路線変更”

遊戯王アニメシリーズ第7弾。
前作『VRAINZ』の硬派でクールな世界観からは一転、全体的にギャグアニメ風のコミカルな世界観へと方針転換。

新たなデュエルスタイル「ラッシュデュエル」を採用。
また、主人公・<王道遊我>含め、主要な登場人物は全て小学生であるなど、シリーズ初の試みが多く見られた作品。

✏️子どもたちへ
前述の通り、全体的にドタバタギャグアニメ調、言葉を選ばず言うなら「低年齢層向け」の作風へと大幅に方針転換している。

主要な登場人物以外のキャラクター名も、小学生が10秒くらいで考えたような安直なネーミングであることが多い。
・「ラーメンが好き」というキャラクターから<大森麺三郎(おおもり めんざぶろう)>
・「小学生なのに漁師」というキャラクターから<間黒七海(まぐろ ななみ)> など。

本編終了後に設けられた”おまけコーナー”内においても、子ども人気の高いお笑い芸人・小島よしおがメインMCを担当。
本編とは関係ないところでも、「子ども向け」にするための外堀を埋めようとする努力が垣間見られる。

極めつけは、本作の重要なカギを握る人物・オーティス(CV:浪川大輔)が放ったこんなセリフ。
「過去のデュエルはルールが複雑化し、子どもたちが楽しめない内容になっていた」
「デュエルとは本来、子どもたちが楽しむべきものだ」
…これ、いわゆる「大きなお友達」への皮肉というか、当てつけではないだろうか…

✏️カードゲーム
世界的人気を持つ「遊戯王TCG(トレーディング・カードゲーム)」はその競技人口と歴史ゆえ、子どもだけでなく大人のプレイヤーも少なくなく、また一部の細かいルールが非常に複雑であることでも知られている。
(同じ文言でも、文脈によって180度解釈が変わるカードの効果があったり、カードの発動(使用)できるタイミングが曖昧であるなど)

となると、当然資金力も理解力も大人には勝てない子どもたちは遊戯王を敬遠するようになる。
そんな状況を打破すべく制作されたのが、今回の『SEVENS』だったのではないかな、と感じてしまった。

☑️まとめ
かくいう自分も昔は遊戯王のプレイヤーで、それなりにアニメもカードの方も楽しんでいたが、本作はさすがにターゲットとしている視聴者層が完全に違うのだな、と思った。

既に放送がスタートしている続編『ゴーラッシュ!!』も前述のラッシュデュエルを採用し、世界観もどうやら本作と繋がっている模様。

カードゲームの方を引退してから惰性でアニメの方も見続けてきたが、『SEVENS』を持ってアニメの視聴も引退したいと思う。
遊戯王の未来は、子どもたちに託した。
なお

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