なお

ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン 第2クールのなおのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

(第25話〜第38話分, 2023/1/16更新)
ジョジョ6部「ストーンオーシャン」のアニメ・シーズン3。
フィルマ上だと第13話~第24話までと第25話~最終話までが同シーズン扱いなので、仕方なくこちらにレビューを追記する形に。

✏️DIOの息子たち
前シーズン第24話にて、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所を脱獄し、”天国へ行く方法”を探すプッチ神父を追跡する徐倫一行。

その徐倫たちの追跡をかわすべく、DIOの息子たちとそのスタンドが徐倫たちに牙を剥く。

ボヘミアン・ラプソディ―(自由人の狂騒曲)。
自分がこのシーズン、というか6部アニメ化が決定した時点で「どのようにバトルシーンを描くのか?」がかーなーり気になっていたスタンド。

結果、鉄人28号や鉄腕アトム、マジンガーZという日本生まれのキャラクターに関してはほぼそのままのビジュアルで作品内に登場。
(3名とも空を飛んでいるため、若干遠目ではあるが)

「北斗の拳」では、ケンシロウやラオウなどといったキャラクターは直接姿を現すことはなかったが、同作アニメのナレーションを務めた千葉繫さんを本作でも起用したのは大天才。

さすがに海外に版権があるスパイダーマンやバットマンといったキャラクターは名前のみが出されるにとどまったが、可能な範囲で原作を再現しようとした制作陣の努力の跡が見て取れる。

アンダー・ワールド戦も見ごたえ十分。
「墜落する」という結果が決まっている旅客機の中で行われるスタンドバトルの緊迫感がよく描けていた。

それに比べて、スカイ・ハイ戦はかなり巻き気味だったような。

✏️出会いとは引力ではないのか?
ケープ・カナベラルにて行われるプッチ神父との最終決戦もやはりアツい。

殴打した物体の表裏を入れ替えたり、引力そのものを逆転させられるスタンド・C-MOON戦。
C-MOONの攻撃に対し、奇想天外な回避方法を戦いの中で「編み」出す徐倫の臨機応変さ。
そして、徐倫がピンチに陥った時に駆けつける承太郎のあのBGMと演出もニクい。

しかし承太郎が駆けつけ、ホッとしたのもつかの間。
神父のスタンドはいよいよ覚醒する。

✏️時は加速する
メイド・イン・ヘブン。
個人的に、実は敵スタンドの中で一番好きなスタンドだったりする。

時が加速させて、その時の中を超高速で移動できて、しかも徐倫はおろか承太郎までをも圧倒するスタンド能力…って、メチャメチャカッコいいじゃないですか。

「承太郎が負ける」
これって今まで原作もしくはアニメを追ってきた人からするとものスゴい絶望的状況。
自分も原作を初めて読んだとき、承太郎やエルメェスの死体が白骨化していく描写を見て、かなりショックを受けたのを覚えている。

当アニメでも、そんな神父のとてつもない能力に対抗する徐倫たちの奮闘っぷりや、絶望感がひしひしと伝わってくる。

✏️新たな宇宙
その後なんやかんやあって「新たな宇宙」が産声をあげ、新たな歴史を刻み始める。

しかしその事実を知っているのは、この世でエンポリオただ一人…
そんな寂寥感というかうまく言語化できない「寂しさ」でもほんのちょっぴりの「希望」を視聴者に抱かせ、第6部は幕を閉じる。

「ぼくの名前はエンポリオです」
エンポリオが絞り出すように言ったこのセリフを聞いた時、なぜだか涙が出てきてしまった。
初めて原作を見たときは何が何だか分からなかったのに。

☑️まとめ
また、最終話におけるオープニングとエンディングの映像演出もかなり胸が熱くなる。

そういえば、ジョジョのアニメって第1部「ファントムブラッド」が始まったのが2012年だから、もう10年もやってるんだな…
そんな10年を振り返るようなエンディング映像は、これまでアニメを追い続けてきた人へのご褒美ともいえるかもしれない。

第6部でジョナサン・ジョースターから始まった「ジョースター家の血統」を巡る物語はいったん終幕。

第7部「スティール・ボール・ラン」も名作と(個人的に)名高いシリーズであるため、ぜひアニメ化してほしいのだが…

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★★★
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

(第13話〜第24話分, 2022/10/16更新)
”壁を見るか 星を見るか”

ジョジョ6部「ストーンオーシャン」のアニメ・シーズン2。
Netflixの先行配信にて鑑賞。

父・承太郎のDISCをホワイトスネイクから奪還するも、刑務所内で巻き起こる様々な事件に関与した疑いを持たれ、極罪を犯した囚人が収監される「ウルトラセキュリティ懲罰房」へと送り込まれた徐倫。

仲間と離れ離れになりながらも、徐倫は戦いの中で肉体的にも精神的にも、確実に成長していく。

✏️熾烈な戦い
シーズン2でのスタンドバトルは更に激化。
シーズン1での徐倫たちの戦いは「チュートリアル」であったと形容してもいいくらいに、強敵が次々と徐倫たちの前に姿を現す。

ほぼ毎回瀕死の重傷を負う戦いが続くが、エルメェスやF・F、特に徐倫の成長っぷりには目を見張るものがある。
純粋なパワーや体格差では劣る相手にも、しなやかさと柔軟さ、そして機転を利かせ見事に対応。

「スタンドには”弱い”も”強い”もない」
プッチ神父と会話するDIOのセリフにこんな内容のものがあった。

スタンドバトルは、スタンド使いの精神状態やお互いのスタンドの相性、また己が置かれた立場によって刻一刻と有利不利が揺れ動く。
まさに当シーズンではその「スタンド同士の戦い」の良さが最大限に発揮されていたと思う。

✏️天国への道
ストーリーも大きく進む。
プッチ神父がずっと探し求めていた「天国へ行く方法」が明らかとなり、プッチ神父はホワイトスネイクに代わる”新たな力”を手に入れた。

そんなプッチ神父の野望を阻止するため、徐倫たちは”水族館”からの脱獄を決意。
次シーズンでは舞台を水族館内から外の世界へ移し、さらに激しいバトルが繰り広げられることだろう。

✏️ストーリー外のはなし
・やはり当シーズンでも、原作にはない徐倫やエルメェス、F・Fとの会話シーンが追加されていた。
だがやっぱり、個人的にこれはマイナスポイント。
ジョジョ独特の言い回しやユーモアはやっぱり荒木先生でないと難しいようで、アニメオリジナルのセリフはどうにも安っぽい海外ドラマ臭がしてならない。

・敵スタンド・ヨーヨーマッの中の人に山口勝平さんを起用したのは120点満点。
敵でありながら、まるっとした可愛らしいフォルムとおとぼけな感じのキャラクターが原作の頃から好きだったのだけれど、アニメ版でもそのイメージは崩れず。

・シーズン終盤、新たな力を手に入れたプッチ神父がスーパーマーケットから出てきた親子と出会うシーン。
母親がスーパーから商品を万引きするシーンと、母親が抱きかかえていた赤ん坊の半身だけが中年男性に成長してしまうというシーンがカットされている。

万引きは犯罪行為を誘発するから?
赤ん坊の件はグロテスクすぎるから?
それとも単に尺の都合…?
評価とは関係ないけど、気になる。

☑️まとめ
その仕組みや攻撃方法が複雑かつ特殊なスタンドが多数登場する6部だが、原作未読の層にも分かりやすい描写が成されていたと思う。

次シーズンは既報の通り、今年の12月に先行配信が、年が明けて2023年1月にテレビ放送開始が予定されている。

やはり期待したいのは、プッチ神父が手に入れた新たな力もそうだけど、ボヘミアン・ラプソディー。彼に期待したい。

漫画や童話にアニメ、絵画に映画など、あらゆる芸術作品のキャラクターを現世に召喚し、それを攻撃方法として用いるスタンド。

ある意味どんな敵スタンドよりも恐ろしい「権利関係」をどのようにクリアするのか…
なお

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