なお

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXのなおのレビュー・感想・評価

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(2002年製作のアニメ)
4.0
言わずと知れたサイバーパンク・アニメーション不朽の名作。
自分自身、今まであまりサイバーパンクな世界観を持つ作品に触れてこなかったが、この度友人のススメでようやくその門を叩いた。

時は2030年。
物語の大筋は、連続脅迫事件の首謀者と目される謎の人物<笑い男>の正体を突き止めることを至上の命題とする諜報部隊「公安9課」の活躍を描いたものである。

ぶっちゃけ、全26話すべての話の要点とか、謎を解くまでの理論・理屈を100%理解できたわけではない。
また、本作のWikipediaを見て知ったのだが、本作は
「もし草薙素子が人形遣いと出会わず、公安9課に残っていたら」
というifストーリー的な扱いでもあるらしい。

「え?人形遣い?」
「え?みんな当たり前のように使ってるけど『義体化』って何?」
などなど、原作漫画はおろか'95年公開の映画版すら見ていない自分は何もかもがちんぷんかんぷんの状態から鑑賞スタート。

それでもやっぱり率直に言って、面白かった。
サイバーパンクな世界観は元より、公安9課の面々が織り成す人間ドラマを見ているだけでかなり楽しめた。

2030年という近未来で、しかも「電脳化」が進んだ時代が舞台でありながら、時にどこか退廃的でもある「日本」の姿を描いており、SF一辺倒でないハードボイルドなオトナ向けのアニメに仕上がっている。
登場人物たちの口をついて出るのは基本的にニヒルな、悪く言えば「中二っぽい」セリフも多いのだが、全く嫌味たらしく聞こえさせない声優陣の表現力やキャスティングもお見事。

特にクライマックスにかけての、公安9課メンバーが徐々に感情を露わにし、散り散りになってしまうシーンは心に迫るものがある。
あとタチコマね…。割と序盤から推しの部類に入ってたんだけど、人間と人外の友情的なものに弱いんですよ僕は…。
あとあと、少佐はなぜ常にあんなにセクスィーな格好ばかりしているんでしょう。
アニメだけど、目のやり場に困ります。

独特な世界観ながら、国際的にもファンの多い作品群であることが頷けるクオリティ。
第2シーズンにあたる「2nd GIG」にも大いに期待。
なお

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