美しいオーストラリアの風景の中で淡々と語られる重苦しいストーリー。アリスが起こした事件の真相と、ルーツに絡みつく宿命が描かれる。花言葉に絡めながら話は進むが、それが何故なのかは終盤語られる。
ジューンと息子のクレムの関係と、なぜアグネスと一緒に農園を追い出すことになったのか、本当に守ろうとしていたのは誰だったのか・・・その辺が複雑に絡み合うので、最初はちょっと分かりづらかったが、話としてはうまく辻褄は合っているように思う。
結局のところ、親の支配からは逃れられないのか？逃れる術をジューンは伝えたかったのか・・・成人したアリスの行動を見ていると「なぜ？」という部分が多々あるが、これが暴力的な親からの支配、洗脳という事なんだろうか？ DVは行う側も受ける側も子供に伝播してしまう。それをいかに断ち切るかがこの話のテーマのように思う。
ただ1点だけ、アリスを悲劇のヒロインにするために、終盤は無理やり追い詰めたような部分があり、ちょっと周りの反応があり得ないかな？と感じる部分もあった。いくら何でも全身傷だらけのDVを受けていながら、全面的に攻められる件は違和感があった。
