湯っ子

ユーフォリア/EUPHORIA シーズン1の湯っ子のレビュー・感想・評価

4.0
ジュールズが長い手足に高いヒールで跳ねるように歩くさまを見ていると、どうしても「歩くたびに、足にナイフが刺さるような痛みがあります。」という人魚姫の中の一文を思い出してしまう…

センセーショナルな内容だけど、登場する10代(実際の演者は違うのかな?)たちを消費しているとは感じない。
生まれついた自分と、どう向き合うか、どう付き合うか。他者から見られている自分と、自分が見ている自分とのギャップ。家族との葛藤。
パーティ、ドラッグ、セックスと、自由奔放やりたい放題やっているように見えて、それぞれの悩みや社会からのプレッシャーに縛られてがんじがらめ。

「生きづらさ」っていう言葉って、いつ頃からこんなに使われるようになったんだろう。ぼんやりと感じていたことに名前がつくと、安心することってある。この言葉が使われるようになって、「ああ、私だけじゃないんだ」って思えた人もいるのかもしれない。
「生きづらい世の中になった」っていうふうに言う人も多い。たぶん、本当に今の状況のせいで苦しんでる人もいると思うし、世の中のせいにすれば気が楽になる人もいると思う。
「あの時代はよかった」は、年をとった人たち癒しの言葉。でも私はこの言葉では癒されないし、癒されたくもない。若い人たちに共感して、心だけは若作りしていたいのよ。
湯っ子

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