湯っ子

それでも、生きてゆくの湯っ子のレビュー・感想・評価

それでも、生きてゆく(2011年製作のドラマ)
4.5
泣きすぎて、半年くらいとれなかった逆まつげが取れました。毎回、ハッとさせられるセリフに心を掴まれる。やっぱ坂元裕二すごいな。

母親の愛は、時にエゴむきだしで決して美しくはないと思う。少し前まで乱用されていた「母性本能」という言葉はあまり好きではないけど、他人なんてどうでもいい、とにかくこの子を守りたいという気持ちは、やはり本能的なものなのかもしれない。
それまで風間俊介に色目を使ってたくせに、彼が幼女殺人犯と知り、手のひら返しに警戒心をむきだしにするサトエリの様子に鼻白ろんだが、あれこそ母親の愛なんだと思う。
その後のシーンで、風間俊介が自分の孫を抱いているのに、大竹しのぶはすぐに子供を奪いには行かなかった。気づかないふりをしているとはいえ、なんでそうやって泳がすことができるの?とハラハラしたが、子供を奪われたことでこの人の心はどこか壊れているのかなとも思ったし、やっぱり自分の子供じゃないからだなだとも思ったし、それを描いちゃうの怖いなこのドラマ、とも思った。

満島ひかりが選ぶ道からしても、「母親」についてのドラマでもあったと思う。

続けて観ると劇伴がうるさく感じるが、週イチの放映では「ああ、これこれ…!」と情緒が引き戻される効果と、お茶の間でも集中してもらえるように「ここ大事!」と教える効果があるので外せないんだろうな。とかも思いました。
湯っ子

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