これはすごい。
かなり原作に寄せた作りで、紆余曲折ある貞子の出生からの出来事もちゃんと描いている。2時間弱でうまくまとめたなあと感心する出来栄えになってる。
テレビドラマとして放送されたものだから、予算も豊富にあったとは思えない。それでも要所をしっかり抑えていて、2022年の今観てもちゃんと楽しめる内容になってる。
何より、映画版の無印『リング』では主人公の性別が逆になってしまっているのは今でも受け入れられない変更点だったから、ちゃんと原作通り、男主人公にしてるところが好感もてる。まあ高橋克典さんが演じているぶん、熱血漢が増しちゃってるけど。
そうは言っても映画版無印『リング』も僕は大好きだ。そっちはあの呪いのビデオ映像のおどろおどろしさや、もちろんあの世界的に有名な貞子登場演出も素晴らしかった。恐怖演出は圧倒的に映画版のほうが良かったように思えるし、なんだかんだ主演の松嶋菜々子と真田広之には華があった。
比較してしまって申し訳ないけど、こっちのテレビドラマ版はサスペンス重視らしく、ホラーというより謎解きを軸にしているのは見ていて飽きない。何より貞子の性的少数派な部分をしっかり描いているのは、「ああ、現代にコレやると問題になっちゃうかもな」と思わせられ、1990年代だからこそ表現できたものも相まって、感慨深かった。
あと、貞子役で体当たり演技を務めてくれた三浦綺音さんは今でも今作を大切に思ってくれているらしく、2022年8月に本人ブログにて言及されている。それもなんだか嬉しい。
原作ファンやリングシリーズ好きな人にはぜひとも観てもらいたい、そんなドラマだった。
