湯っ子

東京ラブストーリーの湯っ子のレビュー・感想・評価

東京ラブストーリー(2020年製作のドラマ)
3.6
前半までは良かったんだけどなぁ。原作のリカの自由奔放な感じに、石橋静河はハマってたと思う。カンチがリカのことを好きになっていく過程も丁寧に描いてた。91年版ドラマで全国の女子から嫌われたさとみはやっぱりまあまあムカつくが、最初に付き合う三上がひどい奴なので同情の余地があり、91年版ドラマほどのヒールではない。ていうか、カンチが後半、本当に意味わかんないので、そんなカンチと結婚するさとみの世界の狭さが不憫で嫌えない。
後半、人物像が破綻してくる。リカはなぜか自分を抑えて身を引く女になっていて、誠実でめちゃくちゃいい奴のはずのカンチがふつうに勝手な男になってる。父親との確執を自分なりに乗り越えたとはいえ、三上のキャラが別人すぎるでしょ。意外にもさとみがキャラとしてはブレてなかった。
原作はもう忘れちゃってはいるけど、リカは新旧ドラマのヒロインとは比べものにならないくらいエキセントリックだった気がする。原作のリカには感情移入しづらいから、改変はしょうがないけど、改変するならもっとうまくやってほしい。その点でいうと、91年版のリカはエキセントリックさは原作の3%くらいに薄まってはいるが、最後まで健気で一途で一直線なキャラクターは変わってなかった。

ラストシーンのリカと〇〇の会話もちょっとひどい。あれくらいの〇〇はあんなこと言わない。いちおうがんばって11話まで観たんだから、と、感動する気満々で観ててずっこけた。あと、あんな風に仕事中に男の話ばっかりしてる保育士さんいないと思う。とても失礼だ。他にもいろいろおかしなところはあるけどこれくらいにしておきます。
湯っ子

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