夫の不倫から始まる家族の物語。
あーすごかった…
愛。それは、裏を返せば執着、憎しみ。本当に紙一重。
愛しているという熱い思いは、自分でも気が付かないふとした瞬間に狂気に変わることもあるということ。
怖かった。
愛ゆえに狂っていく様や、憎くてもどうしても愛情を捨てきれない関係が。
どんなにひどいことをされても、幸せな記憶は消えず、愛する心もゼロになるわけではない。
〜可哀想。心を入れ替えているのだから。彼には私しかいない。私が許してあげれば、次こそは幸せになれる…また元通りになれる…〜
DVから抜け出せない人の心理が初めて納得できた。
夫がヤバすぎる。あまりに自己中心的。傲慢で、自分の過ちをも人のせいにし、責任も追わず、幼稚。
せめて本当に愛している子供に対しての行動は、もう少し考えるべき…
でも、途中で気がついた。
元カレにそっくり。そして、彼に執着していた自分と重なり、ゾッとした。
渦中にいるときには気が付かないのだ。
他人事ではなかった。
こんなにヤバい夫なのに、今までラブラブで特に大きな問題なく、幸せに過ごしてきたこの一家。
人間の本性って追い詰められないと見えてこないものなのかも。恐ろしい…
離婚した家庭の子供って複雑よね。私も思春期に親が離婚再婚したのでよくわかる。さらにジュニョンは、親の醜さや性的な部分も見せつけられ、辛かっただろう…
でも、自分で乗り越えるしかないんだよね。その分、きっと大きくなれると信じてるよ…自分を救うのは結局自分だ。
序盤のセリフ
「心の赴くままに生きるのも人生悪くないよ」
少し納得したが、完走した後には、
とんでもない!と思う(笑)
壊れた信頼関係を再構築することは、本当に難しいから。壊すには覚悟が必要だ。
本当に愛する人は大事にしなければならない。故意に傷つけることは絶対にしない。嘘はつかない。そもそも、嘘をつくような後ろめたいことはしない!
と心に誓いました。
人に見えないところで自制できるか、誠実であれるか。権力や長いものに巻かれるのか。
人間の腹黒さがよく見えた作品だった。