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真夜中のミサのAixのレビュー・感想・評価

真夜中のミサ(2021年製作のドラマ)
3.8
ドクタースリープやアッシャー家の崩壊などで知られるマイクフラナガンが監督したドラマシリーズ。小さな島に新しい神父が赴任して来る話。

実は2度目の鑑賞だったけど、初見時よりも面白く感じる作品でした。特に4話目以降は話が持ち上がり、ザックギルフォード、ハミッシュリンクレイター、ケイトシーゲル、サマンサスローヤンなどの素晴らしい演技も相まって感動したし、それぞれのキャラクターに満足の出来る結末が用意されていたと思います。今作のライリーと神父ポールの関係は興味深く、脚本的にもこの2人のキャラクターアークがよく描かれていました。ただその一方で、田舎の人間に焦点が当たっているからか、同じフラナガンのホーティングシリーズよりも感情移入がし辛く、人によっては退屈するかもしれません。また、今作は宗教をテーマにしている作品ですが、ベルイマンやトリアーのような深みがないのも特徴で、その辺りは好みの分かれるポイントになっている気がします。撮影の長回しもヒルハウスほど良い感じじゃなかったし、コロナの影響もあって、映像に関しては少し安っぽかったです。因みにフラナガンは、パクチャヌクの渇きから強い影響を受けたんだとか。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、あの映画と比べて今作を鑑賞するのも面白いと思います。

間延びする部分もあるし、ホーティングオブヒルハウスみたいに誰もがハマるドラマだとは言わないけど、フラナガンの半自伝的な作品という意味でも楽しめたし、物語の着地点がとにかく素晴らしかったです。宗教的なドラマに興味がある人は、チェックしても良いと思います。
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