ボギーパパ

フィリピンパブ嬢の社会学のボギーパパのレビュー・感想・評価

フィリピンパブ嬢の社会学(2023年製作の映画)
4.0
劇場2024-44 熊P

映画は数を観ていると、思わぬ拾い物と言ったら失礼だろうが、ん?なかなか凄いんでないの?と思わせる、そんな出会いがある。
本作はまさにソレ!

大学モラトリアム期を終え、就職する気もなく何の気無しに国際交流学を学ぶ大学院へ、、、
そしてそこでの修士論文の題材に選んだのが、フィリピンバブで働く若い女の子の実態調査するもの。
フィールドワークのためフィリピンパブへ通うのだが、、、
という端緒からの〜お話

この作品、愛知県春日井市制80周年記念作品とな(^^)実話を元に、その当事者が記したものをベースにした作品。

私、愛知県名古屋市には2度ほど勤務した歴もあり、当時はまだ若かったためか、錦三、女子大小路、新栄のフィリピンパブにもよーーーく行ったもんだ(^^)
シバタさんみたいに毎日というわけにはいかなかったが、、、

そこで見たフィリピーナたちは、ここで描かれている方々と同じくらい、
「明るくて気さくで、逞しくて、前向きな」
人たちであった。
大半がキリスト教カトリックであることと、彼の国の陽気と気質がその理由なのであろうが、、、、
また彼女たちの天性の明るさと気質のため、当時の勝手な男側の考えとして、「癒されたい」という甘えた気持ちがあったこともあり本作に描かれるシバタさんはじめとするお客様の気持ちもわかる。

自分がお店に行ったのも、決して性的な欲望でなく、甘えさせてくれる明るく陽気で逞しい彼女たちのエネルギーを少しでも分けていただき、充電したい!その気持ちだけであった(ホントです(^^))

まずこの気持ちを思い出させてくれただけで観て良かった!
ここに描かれるフィリピーナの明るさ、強かさ、逞しさ、そして語学取得力は、ホントに頭が下がるところだ。

そしてミカちゃんみたいな子に当時出会えていたら、ヤバかったかもしれないと思わせる一宮レイゼルさんの好演。
キュートさ!たまりません!

そんな下世話な感想は置いといて
日本のフィリピンパブの裏側事情や
若い人たちにもまだまだ無くならない人種の偏見や差別、それに親世代の結婚観に留まらず、
一方ではフィリピン側の家族の高い依存性や就業率の問題をしっかりと編み込んでいるところも唸らせる。
またモラトリアム期の心の揺れに合わせてこれだけの感情や価値観の差異を埋め込んでいるのも見逃せない。

ホントに結婚していいのかなぁって考える気持ちの中にもさぞかし色々な要素が入り込んできたのだろうなぁ、、、

思わぬ良質な作品との出会いは、ホントに儲かった感が強く、良い1日であったとしてくれる!ありがたい作品。
映画としてというか、えぇ話やないかいって気持ちにしてくれた。 

最後に、、
テキサス!署長になっていたのか?(^^)
津田寛治さん、近藤芳生さんの好演も光る作品です。
シバタさんどこいっちゃったのかなぁ、、、
ボギーパパ

ボギーパパ