Renz

マエストロ:その音楽と愛とのRenzのレビュー・感想・評価

3.7
映画『TAR』のモデルでもある音楽家レナード・バーンスタインと、妻のフェリシア・モンテアレグレの関係を描いた映画。
そのためバーンスタインの伝記映画として観ると物足りなく感じるのでそのつもりで。

彼がどんな生い立ちでどんな作品があってどう作ったとか、どんな有名な公演があるかとか、そういったことはこの映画ではあまり分からない。
アメリカの偉大な音楽家なので知ってますよね、って前提です。
私はウエスト・サイド・ストーリーぐらいしか知らないです。

監督とバーンスタイン役はブラッドリー・クーパー、フェリシア役はキャリー・マリガン、製作に名を連ねるはマーティン・スコセッシにスティーヴン・スピルバーグ。
なんという製作陣。お前が撮れ感(笑)。

ブラッドリー・クーパーもキャリー・マリガンも素晴らしい演技でいきいきとしている。
でも、やっぱり音楽映画としてはちょっと物足りないかな。もっと色々な作品を紹介したり、指揮するシーンが欲しかった。

結婚しているのに当然のように愛人を家に連れ込むバーンスタイン。
バイセクシャルで相手が男であろうが妻は不満を感じず受け入れるわけがなく、そういったところは描かれてはいる。

だけどフェリシアに(夫が)恋しいというセリフがあったりと、ちょっとバーンスタインに都合の良い話になっているのが気になる。
最後は介護してたりしているので、妻を愛してたとは思うんだけど。
アメリカの偉大な音楽家ってことで悪くは描けなかったのかな?

良い話風に描かれているし、役者は好演してるし、音楽も素晴らしいので良かったとは思いつつ、私はそれらに何か物足りなさを感じてしまった。
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