Renz

哀れなるものたちのRenzのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
面白いじゃないか!最高。

自殺した妊婦の体に胎児の脳🧠を移植された存在が主人公。
フランケンシュタインの怪物の影響を受けている原作に、主人公が世界を見て経験し、成長する物語はピノキオっぽくもある。

本作はフェミニズム映画なんて感想を見かける。
たしかにその要素もあるとは思うけど、私の印象はちょっと違いました。
どちらかというと抑圧、束縛、支配を受けることそのものを描きたくて、今回は女性が主人公であるからフェミニズムの話みたいになるよね、といった感じ。
監督の過去作も抑圧、束縛、支配の話が多いし。

ただ今作が過去作違うのは、主人公のベラが束縛をお構い無しに自由に生きようとして、たとえ駕籠に入れようが抜け出すような存在だということ。

タイトルの『哀れなるものたち』は、彼女を束縛しようとして振り回される男達のことなんだろうなと思った。

その中でも特に面白かったのはマーク・ラファロ演じる自称セックスつよつよ変態紳士。
本作には裸のシーン、セックスシーンもかなりあるのだが、全然性的に感じない。エロく無い。
そのため、ラファロのセックス力もたいしたことなく感じるのも面白い。
嫉妬に狂って他の男に掴みかかるところとか、情けなくて笑っちゃう。
思えば最初から階段でズッコケたり、面白おじさん感あったな(笑)。

ウィレム・デフォーも凄い顔で登場していて面白い。口から泡風船🫧出すシーンとか最高!

とにかく本作は衣装も美術も、ダンス🕺シーンにはありえない謎のヘンテコ音楽とか、キメラ動物🐥ちゃんとか(最後のあの人含め)、何なのあれ?何のために?ってものばかり。
こういう(変態的、でありながら美しくもある)の好物でしてね。ティム・バートンもそんな感じだけど(好きだけど)ちょっと違うかな。

それにしても主人公ベラ役のエマ・ストーンは凄かった。
大人の体を持つ胎児という難しい役どころを上手く演じていた。

気になったのは旅に出てから帰ってくるまでで、いくらなんでも脳🧠(知能、知識)の成長が早すぎない?ってところぐらいかな。
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