サトシ

人間の境界のサトシのレビュー・感想・評価

人間の境界(2023年製作の映画)
4.1
アグニエシェカ・ホランド監督、ポーランド、フランス、チェコ、ベルギー合作映画。
第80回ベネチア国際映画祭(2023年)コンペティション部門、審査員特別賞受賞。

ベラルーシを経由してポーランド国境を渡れば、安全にヨーロッパに入ることができるという情報を信じて祖国を脱出した、幼い子どもを連れたシリア人家族。
しかし、亡命を求め国境の森までたどり着いた彼らを待ち受けていたのは、武装した国境警備隊だった・・・。

【キャスト】
ユリア:マヤ・オスタシェフスカ
レイラ:ベヒ・ジャナティ・アタイ
祖父:モハマド・アル・ラシ
アミーナ:ダリア・ナウス
ヤン:トマシュ・ヴウォソク

インパクトのある内容でした。
ポーランド政府が隠蔽しようとしていた実際に起こっている悲惨な出来事を映画として世界に発信できる意義は大きいです。
冒頭のタイトルGreen Borderが白字で現れ直ぐに、森林がモノクロが変わりタイトルが緑色に変わってからモノクロで表現され終始素晴らしい映像でした。
キャスティングも実際に国境警備隊を経験した人を選ぶ拘りようでリアルを追究しています。それだけに心に強く響きました。
ユリアの正義感からくる行動力にとにかく惹きつけられました。
人命救助の為なら危険を顧みず立ち入り禁止地域にも単独で突入したり、警察に全裸を命じられても躊躇なく脱ぎ相手から視線を離しません。自分のベッドをカップルに勝手に使用されたり、自家用車を運転できない程イタズラされても全く動揺する事なく前を向いています。カッコ良過ぎます。
サトシ

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