Chris

水深ゼロメートルからのChrisのレビュー・感想・評価

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
3.1
山下敦弘監督の作品はあまり観たことがないが、女子高生の物語ということもあり「リンダリンダリンダ」を想像して観に行った。実際は想像していた青春を全力でバカする映画とは真反対の作品で、考え方や価値観、抱いている不満などの繊細な想いが交差する静かな青春映画だった。
脚本はいち高等学校の生徒が高校演劇のために執筆したものだという。山下敦弘らしさが感じはなかったのはそのためだろう(あんまり詳しくないけど)。
最初の印象は快晴の青空と太陽に照らされる木々などの映像美だ。また基本会話劇で、音楽もたまにしか流れないためセリフは勿論、足音や服の衣が擦れる音でさえよく聞こえた。風に吹かれて並木が揺れれば夏の匂いが香ってきそうな校内の青春の一コマが表現されていて、映像と音はとても良かった。
しかし内容は他愛もない会話すぎて退屈だった。阿波踊りと言っていたので舞台は四国だろうが、方言の言い回しがセリフ口調で少しくさかった。演劇のため映画と言い回しが少し違うなど仕方ないところがあるかもしれないが、それが気になって演技は上手く感じられなかった。
後に期待することでしか観てられなかったが、場所もほとんど変わらないし音楽も流れない。結局大したことが起きずに終わってしまった。1時間半の短い映画だが、とても長く感じた。あと気になったのがプールの砂が一向になくならない。それで掃除できてるん?とどうでもいいが気になった。
自分は血気盛んに若さを撒き散らかす映画の方が好きだ。圧倒的に期待外れだった。これは下調べせずに観た自分が悪い。ただ楽しめなかったのは自分の性に合っていなかったとしか言えない。
Chris

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