Chris

男たちの挽歌のChrisのネタバレレビュー・内容・結末

男たちの挽歌(1986年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

香港の映画はカンフー系の映画しか見たことがなかったが、古い映画にも関わらず撃たれる描写や爆破のクオリティが高くて驚いた。とにかく銃撃戦の印象が強い。後半はずっと撃ちっぱなしでド派手な演出が爽快だった。
主人公勢が強すぎる。3人であの大勢とまともにやり合うだけでもありえないが、何発か喰らっても尚撃ち続けるタフさは異常さを極めていた。
人物関係もはっきりしていて、キャラも立っていたので見やすかった。ホーの兄貴は後退した前髪が気にならないほどの兄弟愛と仁義を重んじる漢気あふれるキャラクターだった。マークはホー兄貴のことを心から慕っていてホーとキットの中をとり持つ重要な役割があった。キットはホーのことを尊敬していたからこそ失望し嫌悪した。作中でも最も苦しんだのも成長したのも彼だと思う。
また国柄独特の力強く大袈裟な演技が面白かった。基本的に人間の耐久力が高くて普通にもう倒れてもいいだろという傷でも泥臭く戦闘は続く。
ラストのホーがキットに捕まって全ての罪を被り、連行される様を写してエンドロールまでの流れが格好良かった。最後まで弟のことを思いやる兄貴の懺悔の気持ち、懐の深さが伺えた。
この映画の主題歌「a better tomorrow」は弟役のレスリー•チャンが歌っているらしい。男たちの挽歌とあるので複数人なのだろうが、特にキットから投獄されるであろうホートの別れに向けての挽歌なのだと解釈した。また敵を葬り去る際の銃声とも掛けてあるかもしれない。
2人は最後に和解したわけではなくホーは今までの罪滅ぼしとして、キットはそんな彼を許すことで兄弟へと戻った。連行される犯罪者と連行する刑事の後ろ姿がまごうことなき兄弟に映ったのは奇妙だが良かった。
昔であるが設定といい演出といいよく出来た映画だったので個人的には楽しめた。
Chris

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