あっくん

ヴェラ・ドレイクのあっくんのレビュー・感想・評価

ヴェラ・ドレイク(2004年製作の映画)
4.8
久しぶりの再観賞レビュー!
……ですが、私の中では凄く辛かった作品です💦(-_-;)

👜あらすじ
1950年、まだ第二次世界大戦での暗い影が残る冬のロンドン。
自動車修理工場で働く夫とかけがえのない2人の子どもたちと貧しいながらも充実した毎日を送る主婦ヴェラ・ドレイク。
家政婦として働くかたわら、近所で困っている人がいると、自ら進んで身の回りの世話をする毎日。
ほがらかで心優しい彼女の存在はいつも周囲を明るく和ませていた。
しかし、そんな彼女には家族にも打ち明けたことのないある秘密があった。
だけど、彼女にとってその行為は人助け…。
その行為は、当時の法律では決して許されない行為と知りながら...。

👜感想
久しぶりに観賞しましたが、やはり悲しい作品…。その影響か、間を取ってしまって久しぶりに拝見しました💦

観ている内に考えさせられずにはいられないテーマであり、地味ながらも凄く引き込まれます。
これは現代からでも未だに正しい答えは見つからない繊細かつ難しい命と向き合うテーマ…。
当時の社会情勢の生きづらさの中で善人ヴェラが行ってきた事を通して何を感じるだろうか?🤔

主人公ヴェラ・ドレイクはアニメキャラクターで例えると…。
・サザエさんのフネさん
・ドラえもんののび太のおばあさん
・ちびまる子ちゃんのおばあさん(さくらコタケ)
・魔女宅の老婦人
…等々、そんな誰に対しても明るく優しくも慈愛溢れる世話焼きな年配キャラクターが突然、逮捕されてしまうというこのやりきれない悲しさ…。
そんなヴェラの夫や家族は、質素な家庭でも本当に幸せな愛と絆を感じているからこそ、更なる悲しみと切なさをも感じてしまう。( TДT)

昔の時代から犯罪…それから貧困による家庭環境等の様々な背景により、未来をも影響してしまう予想外で望まない、命に対する出来事(本作のテーマ)。
だけどそれは誰にも知られたくはない女性にしか分からない秘密の事。
貧困の世の中で高額な費用と複雑な手続き等で簡単には出来ない事を奥様であり、母親であり、一人の女性だからこそ深く理解し、彼女自身は人助けだと思って無償でやってきた事…。

例えそれが人助けだと思っても事実上は罪は罪…。
命を失う事は確かなのだから…。
人助けだと思って慣れてしまう余り、それが罪だと見失ってしまったという罪深さ。
それは善なのか…悪なのか…結局答えは分からない…。
ヴェラ・ドレイク自身を法で裁くのはどうなのでしょうか?彼女を責められるのでしょうか?
根本的にもっと根深い所からが原因だと思ってなりませんでした。

レビューは1000以下と少ない作品ですが、テーマと演技力としては心を揺さぶられるのは間違いないと思います…。

👜素晴らしい演技力
本作の注目はやはり主役であるイメルダ・スタウントンの演技力が圧巻だということ✨

本作はフィクションですが、ヴェラ・ドレイクそのもの本人が存在するかの様なリアリティ溢れるかつ只者じゃない感が💦Σ(゚Д゚)
明るさ、優しさから絶望、悲しみ、恥ずかしさと様々な表情は言葉がなくても伝わり、ヴェラを捕えた警察官までも同情を誘うほど。
その表情は忘れられない…。( TДT)

本作では英国アカデミー賞、ヴェネツィア国際映画祭、様々な国の映画批評化協会賞の主演女優賞を獲得し、また米国アカデミー賞でもノミネートされている中で、その年に獲ったヒラリー・スワンク(ミリオンダラー・ベイビー)から「イメルダ・スタウントンには申し訳ない。彼女の方が本当に素晴らしかった」とコメントを残している程、本作の演技力が余程素晴らしいかが実感します。

私個人では主役であるイメルダ・スタウントンは、主役も含めての英国3大名バイプレイヤー女優の1人にしています🎶
ほか二人は…
・エミリー・ワトソン(チェルノブイリ、優しい本泥棒、戦火の馬、オレンジと太陽、奇跡の海、ロイヤル・ナイト)
・ジュリー・ウォルターズ(マンマ・ミーアシリーズ、ハリー・ポッターシリーズのウィーズリー婦人、リトル・ダンサー、メリー・ポピンズリターンズ、ブルックリン)
この3人はお気に入りですね✨

……っと話は脱線しました💦(-_-;)
また、主人公ヴェラだけじゃなく、ヴェラと関わる人達のその心情や表情、一人一人の演技力がまたピッタリ見事にハマり、ヴェラの存在感をより引き立たせています✨

※本作のテーマであり、ヴェラの許されない行動は、ヴェラを演じたイメルダ・スタウントン以外のキャストは知らなかったそうです。
幸せな生活から警察が出てくる時も知らなかったそうです。
その時の衝撃と混乱というキャスト陣の純粋な反応がとてもリアル性を生んでいます。
以前のレビューにもあった“秘密と嘘”でも脚本無しで行ったという監督ならではのやり方!
そして相変わらず女性に対しての奥深い繊細な心理描写の表現が見事!
流石はマイク・リー監督…。
感服致しました💦m(_ _)m

👜キャスト
監督はマイク・リー(秘密と嘘、ハッピー・ゴー・ラッキー、家族の庭)

ヴェラ役のイメルダ・スタウントン(パレードへようこそ!、ハリー・ポッターシリーズ、フリーダム・ライターズ、劇場版ダウントン・アビー、輝ける人生、ナニー・マクフィーと魔法のステッキ)

ヴェラの夫スタン役のフィリップ(フィル)デイヴィス(あるスキャンダルの覚え書き、家族の庭)

ヴェラの息子シド役のダニエル・メイズ(ファクトリーウーマン、フィッシャーマンズ・ソング コンウォールより愛を込めて、あなたになら言える秘密のこと、つぐない)

ヴェラの娘エセル役のアレックス・ケリー

又、豪華有名人の脇役として…
サリー・ホーキンス(シェイプ・オブ・ウォーター、ファクトリーウーマン、幸せの絵の具、ゴジラシリーズ、パディントンシリーズ)

ジム・ブロードベント(ハリー・ポッターシリーズ、クラウド・アトラス、ブルックリン、パディントンシリーズ、エセルとアーネスト)
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