不思議な映画だった。
正直いってずば抜けた傑作とは言えないし、ノリのいい曲を使って、その場をもたせたとこもある。間延びもいくつか感じたし、眠気も感じたとこもある。
けど意外と面白かった不良アクション映画です。
転売ヤーの先駆けみたいなことをやってる不良とか、小さなアジトでの英雄を放りたくない不良とか、行き場をなくした多種多様な不良の描写が良かったし、特に(これが長編映画デビュー作の)ジュード・ロウの子供じみたガキ大将ぶりが非常に虚しいです。
『バスケットボール・ダイアリーズ』におけるディカプリオのように、本当は家族の絆に飢えている男の子。けれど結局その場しのぎの退屈しのぎ“ショッピング”で先陣を切ってる姿に酔いたい裸の王様で、その末路が“何も成せない”ラストというのが皮肉です。
ジョー役のサティ・フロストは母親のようであり、ビリーに大人になってほしい恋人役ではあるけれど、彼女も結局、無軌道な生き方しか見られない、人間であったのが、何ともいえず虚しいです。
ちなみにこの映画の中で一番好きだと思ったのが、劇中の舞台たる工業都市のロケーション。ビリーの住んでいたマンションやショッピングのターゲットにされた施設の外観や内装も良かったです(一番はマンションです)。よく当時で未来のスラムっぽいのを発見してたなぁ。
ちょいちょい好きな映画のグッズを放り込んでるところとか、この時からオタクぶりをまったく隠していないとは、流石オタク監督たる(ポール・W・S・)アンダーソン監督ですw
でも当時だからってDVDの音響システム、スゴくイマイチだったなぁ。HDリマスター版のDVDはどうだろ?