Chris

少林サッカーのChrisのレビュー・感想・評価

少林サッカー(2001年製作の映画)
5.0
日本語吹き替えでしか観たことがなかったが、字幕でも大いに楽しめた。終始ツッコミどころ満載で、登場人物の、馬鹿馬鹿しい行動や滑稽な様が見ていて本当に面白い。普通のカンフーではなくサッカーとの融合という斬新な切り口で、ストーリーも簡単なので誰でも楽しめる映画だと思う。個人的にはシンの熱意に影響を受け、周りの人々が踊ってしまうシーンが好きだ。急な歌唱シーン、ダンスシーンがあるところが少しインド映画のような部分もある。とはいえ、インド映画ほどダンスに時間を割かず、あくまでもギャグの一つとして描写している。このぐらいの塩梅がちょうどいいと感じた。
魅力ある登場人物が多く、特に兄弟たちはそれぞれチームに入るまでの背景があり、修行時代に培った特有の技がある。彼らが力を取り戻すシーンは今まではボコボコにされていたところから形勢逆転し、次々に得意技をお見舞いしていく様が愉快で見ていて楽しい。その後の試合も少林拳を応用したサッカーで勝ち進めていく描写はカメラワークの工夫が感じられて面白い。
またシンとムイの関係性も見どころだ。恋愛感情を抱いているムイと良き友人と思っているシンとの思いのすれ違いは見ていて切なかった。それでも最終ムイの思いがこもったシューズでシンはあの馬鹿でかいシュートを放つのだ。ラスボスをこの2人の力で倒すという展開は予想外だが胸熱だった。またこのシーンはやり過ぎなくらいのCGと服がはだけるキーパーが面白くて何回も笑った。
ラストではちゃんと少林拳が世に伝わりちゃっかり伏線回収までしている。様々な要素を取り入れつつもぐちゃぐちゃにならず、ギャグもストーリーも成立させていた。意外によくできている映画であり、笑いたい時にはもってこいの映画だ。
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