これは全長版の方が遥かに素晴らしかったと思う。拾い子の娘へ男たちが群がる擬似近親相姦、しかし相関図は思いのほかミニマル。
氾濫する"円"のイメージは車輪の回転運動からアイリスと円形クロースアップ、…
100年前のフランスのサイレント映画にして重厚なる古典。機関車の車輪のカット、逆光を生かした影のある顔のアップ、無数のモンタージュの運動が異常なまでにクール。今観ても古びることはなく芸術的な面でも相…
>>続きを読むフランスのサイレント巨編。
これまた壮大な叙情詩だった。素晴らしい。
冒頭の電車事故シーンは、最近見た中では宮崎駿の「僕たちはどう生きるのか」の冒頭の火事のシーンのような迫力、同じくサイレント映画の…
サイレント史上最高傑作の呼び声も高い100年前のフランス映画。「戦争と平和」(1919)のアベル・ガンス監督×セヴラン・マルス主演(本作撮影中に殉職)。日本で影響を受けた映画人は多く、黒澤明監督が本…
>>続きを読む江戸川乱歩が激賞していたので、大分、昔やっと、渋谷のツタヤで借りてみました。
サイレントです。
義理の娘に恋して、しまう機関士。
事故で盲目になって、最後は熱病のような恋から醒めて、ハッピーエンドだ…
アベル・ガンス監督作。
機関車の運転士シジフと彼が想いを寄せる養女ノルマの人生を描いたドラマ。
サイレント作品で上映時間は180分を超える。第1部「黒の交響楽」と第2部「白の交響楽」の2部構成。
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登場人物の所作をつぶさに、それこそプルーストのように詳細に描写する事で、その人物のありよう、感情がとてつもないリアルさで流れ込んでくる。
対局的な場面ではリズミカルにカットを交錯させ、えも言われぬダ…
…しかし例外はある。
巨人アベル・ガンスは文学を映画的に処理したのではなく文学を、それも長編小説そのものを映画で書いた。
この映画に冗長なところは全くない。現存最長の七時間版を観るとそれがわかる。…