J

凶悪のJのネタバレレビュー・内容・結末

凶悪(2013年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

1999年に実際に起きた「上申書殺人事件」を元に描かれた映画。

獄中の死刑囚からの告発。スクープ雑誌「明潮24」に務める藤井は、3件の殺人事件とその首謀者である「先生」について記事にして欲しいと依頼を受ける。編集長は確証がないとして歯牙にもかけなかったが、藤井は取り憑かれたかのように取材を進めていく。不明瞭な告発と取材の芳しくない結果は、しかしやがて奇妙な符合を見せ始める。

隠蔽工作のため遺体を鉈で切り刻むことに一切の躊躇もない須藤と、「私にやらせて。燃やしてみたいんだ」と無邪気に笑う「先生」。その場には倫理観の欠如した人間しかいない。主人公・藤井の視点で罪を暴こうと映画を観ているはずなのに、最後には自分が指を突きつけられている気分になる。本当に「凶悪」なのは誰なのか?誰しもが須藤、「先生」、そして藤井のような凶悪さを秘めているのかもしれない。
J

J