Chris

ペンギン・ハイウェイのChrisのネタバレレビュー・内容・結末

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

原作の小説を読んでいて漠然と頭に思い浮かべていたイメージと映像やキャラクターの話し方などの解釈が一致していてすごい完成度の高い作品だと思った。想像力を掻き立てるような原作の文章の表現力に感心すべきかもしれない。しかし情景を映像技術と軽快な音楽の雰囲気で視聴者、観客により分かりやすくし、世界観を伝えていたことは確かである。
小学生の頃の夏休みは永遠に続くのではないかと思うほど時間がゆっくり進み、世界がすごく大きく感じられたあの感覚を思い出させてくれた。更にファンタジーな要素をかけ合わせて、少年時代に抱いていた未知との遭遇に対するワクワク感も蘇った。
また主人公の少年が研究に没頭し、どんどん深まる謎に苦戦しながらも、お姉さんの安全を考えて研究を諦めようとする姿勢に複雑な感情が入り混じっていてなんとも言えない切ない感覚になった。お別れシーンは少年の一途さ、どうしようもない不甲斐なさからその切ない感覚が大きく込み上げた。それでも未来に希望を抱いて終わる構成は素敵だし、感傷に浸れる良いラストだったと思う。
一つ気になったのは原作を読んでいたら詳しくわかるお姉さんの謎について映画だけ見て理解できるのかということだ。少し説明不足なところがあったかもしれない。しかし全体で見れば上手くまとめられていて個人的には大満足の出来だった。
Chris

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