◆あらすじ◆
タイラーは家族と幸せに暮らす少年だが、ある日、父のドンの小屋に入ったときに猟奇的な写真を見つけてしまう。タイラーは調べていくうちに父が10年前に起きた連続殺人事件の犯人なのでないかと疑い始める。
◆感想◆
幸せな家族のもとで暮らしていた少年が父を連続殺人事件の犯人と疑い始めたことで、生活が暗転していく姿を描いており、少年のまだまだ青い気持ちの揺れ動きが伝わってきて、面白い作品でした。
タイラー(チャーリー・プラマー)はまだ16歳で、ボーイスカウトを務め、女性に興味深々な健全な少年であり、彼の恋模様も所々描かれていて、初々しい姿が好印象でした。父を連続殺人犯と思い始めたのもその精神的な若さによる部分が大きくて、タイラーの気持ちが勝手に追い詰められているように見えて面白かったです。
父親のドン(ディラン・マクダーモット)はボーイスカウトの団長を務め、家庭では家族を大事にする良き父親として描かれていて、タイラーとも男同士ということもあって息子の悩みを聞こうと積極的な姿勢を見せていて、理想的な父親像を描いていました。
ストーリーとして、前半にタイラーが父のドンを殺人犯と疑い、事件のことに詳しい処女のキャシーとともに調べていく展開となっており、早い段階でタイラーが父親の懐に踏み込んでいくので、展開の速さに驚きました。
しかし、ストーリー後半になって、ドンが主体となって描かれ始めてから、一気に不穏な空気があふれてきて面白いと思いました。ドンという人物の正体が分からなくなって、何が真実か分からなくなる展開が素晴らしく感じました。
ラストはタイラーの表情がストーリー最初とは別人のように厳しさを感じさせていて、彼の覚悟を感じました。
ストーリーの前後半での変化が楽しい作品となっており、なかなか面白かったです。
鑑賞日:2024年4月6日
鑑賞方法:Amazon Prime Video