あっくん

サンドラの小さな家のあっくんのレビュー・感想・評価

サンドラの小さな家(2020年製作の映画)
4.6
U-NEXTから気になっていたアイルランド作品をチョイス✨

🏡あらすじ
シングルマザーのサンドラは虐待をする夫の元から2人の幼い娘と共に逃げ出したが、公営住宅には長い順番を待ち続け、ホテルでの仮住まいの生活から抜け出せなかった。

ある日、娘の寝る前のベッドサイドストーリーからヒントを得て、手頃な家を自分で建てようというアイデアを思いつく。
土地、資金、人材……足りないものだらけで途方に暮れていたサンドラだったが、土地と資金の提供を申し出てくれた雇い主のペギー、偶然出会った建設業者のエイド、そして仕事仲間やその友人たち
。少しずつ仲間を増やし、一軒の小さな家を作っていくが、束縛の強い元夫の妨害にあい…。

🏡感想
なんか……色々と考えさせられましたね💦
タイトルとは裏腹に過酷で厳しい現実社会を観せられ、その中で生きる人々にエールを送りたくなるのがこの本作ですね💦(・・;)
(そういう意味では原題であるherself(彼女自身)の方がしっくりくるかもしれない。)

始まりからシーアが歌う“シャンデリア”(ディオールの香水のCMでナタリー・ポートマンが出演してるので有名)が流れると共に、ダンスするサンドラ母子からのDV夫の暴力というシーンで、個人的にいきなり衝撃でしたね💦Σ(゚Д゚)

度重なる不運な環境によるどん底の人生の中で、二人の子ども達を守る為に、何度も打ちのめされてもその都度逞しくも強く生きるサンドラには感服です💦
彼女にとって可愛い娘達が唯一の希望だという事が本当に感じられます✨

そんな過酷の中でも、家造りの協力者達には温かさを感じます🎶
設計者のエイドや手伝ってくれる同僚やボランティア達…。
その中でもハウスキーパーの雇い主で元医師であるペギーが厳しい口調でも、サンドラを親身にサポートしてくれる姿がキャラとして好感🎶

一番印象的なのが、やはりラスト…。
………言葉を失いました…( ゚д゚)ポカーン
………こういう展開になるとは、思ってもみませんでしたので、結構引きずりました…。
(このラストで意見が別れるかも…。)
また、DV夫の義理母の言葉にも…。
なんかこう…リアルな社会の闇を突きつけられた様な納得せざるを得ない展開に複雑です💦(-_-;)

ただ、微かな光もあります…。
人生がこれから続いても、彼女達から溢れ出す力強さがあれば、きっと未来へ乗り越えられるかもしれない…。
いや、そう願いたい!( TДT)
最後にそう感じ取りました…。

※登場人物の中で、家造りの為に積極的なボランティアが参加する姿には少し都合好く感じましたが、これは本作の中にも出てくるアイルランドの古来から伝わる助力の精神“メハル”を表現してると言われています。
みんなが集まって助け合いながらも、その中で自分自身にも助けとなっているという人生の中で大切な意味を持つ美しい言葉だと感じました✨(*^^*)

🏡本作のキッカケ
本作の主演を演じるクレア・ダンは当初企画・脚本のみの参加だったそうです。
そのきっかけはクレア・ダンの親友(シングルマザーで3人の子持ち)からの電話で、いきなりホームレス状態になってしまったという衝撃の内容だったという。
その現実的社会に対しての怒りから生まれた企画が本作。
その脚本がミュージカル“マンマ・ミーア”で有名なフィリダ・ロイド監督に目が止まり、クレア・ダン本人が主演を演じる事を条件に引き受けたそうです🎶
自分が演じているからこそ、サンドラというキャラをより深く理解して演じている事が出来ると実感し、制作・演技共に熱意が込められた作品かと思います✨

🏡キャスト
監督はフィリダ・ロイド(マンマ・ミーア、マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙)

サンドラ役のクレア・ダン(主に舞台が経験)

清掃の雇い主ペギー役のハリエット・ウォルター(つぐない、ヴィクトリア女王 世紀の愛、最後の決闘裁判、否定と肯定、ベロニカの記憶)

建設業者のエイド役のコンリース・ヒル(砂漠でサーモン・フィッシング、人生万歳!)
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