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RUN/ランのRISAのレビュー・感想・評価

RUN/ラン(2020年製作の映画)
4.5
― 薬の時間よ

予告から惹き込まれていた本作。
母と二人暮らしで車椅子生活の彼女が
“逃げる”というシンプルな物語なのに
(その中にも細かいドラマはあるけど
全体的な物語はとてもシンプル!)
人の感情の沸点みたいなものを
とてもうまく描かれていて。

というのも本作の監督、脚本は
「search」を手掛けた方。
(searchでもかなり翻弄されたな〜)

正直言ってしまうと
映画が好きな人やよく見ている人からすると
予告を見た時点でおおまかな物語は
予想ができてしまうと思うんだけど
(私もそのうちの一人でした、、)

だけど!本作のすごいところは
それで終わらないところ!!
(searchでもどんでん返しがあったけど、
まさにあんな衝撃がラストに待ってます)

でもって、本作の主人公クロエの
キャラクターが最高によかった!
複数の病気を抱えていて、
思うように外にも出れない環境なのに
母親に反抗する訳でもなく、
素直で穏やかでにこにこしていて、、

だからこそのあのラストの衝撃度が。
ネタバレは控えるけど、
あの最後のお母さんのリアクション
というかなんともいえない表情の
意味が分かると震える程怖いよね笑

個人的には本作って
逃げるというよりも戦う物語だなと。
自分の日常や自分が測っていたベクトルが
大きく狂ったときにどう立ち向かうか
っていう問われているような。

正直私なら大抵のことは見て見ぬふりして
自分の日常やベクトルを守ってしまう凡人
だと思うけど、さすがに命を脅かされたり
自分の大切なものを奪われてしまうって
脅威が迫っていたら強く抵抗するかな〜
なんて、、ね。

でもクロエも子供だったから余計に、
新しい真実の順応力とか
恐怖に立ち向かう勇気がすごいなと。
これ大人なればなる程逃げない気がして。

とはいえやっぱりあのラストね、
でもあれもきっと彼女なりに戦い方よね、
うん。やっぱり面白かった〜笑
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