足らんティーノさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

足らんティーノ

足らんティーノ

刺青一代(1965年製作の映画)

3.9

鈴木清順節の「フィルム歌舞伎」が炸裂した殺陣とサスペンスと任侠のハイブリット。

演出としての書割
赤い靴の道具立て
キャラの立ったヒール
土建屋の社長夫人に母親を見て恋に落ちる美大生の弟

鈴木清順
>>続きを読む

ザ・デプス(1989年製作の映画)

3.5

カルト的人気のある海底モンパニ映画。
しかし肝心のモンスターが出てくるまでが長くてわりと地味な作品。
と思いきや中盤以降、ツインピークスでアルバート役を演じたミゲル・フェラーが、憎めないクソ野郎に豹変
>>続きを読む

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

3.4

宇宙に破滅をもたらす「悪夢の公爵」こと、奴隷上がりのダークヒーロー・サイコゴアマンと、その仰々しさをぶち壊すクレイジーな少女の、特撮スプラッターコメディ。

奴隷を使役するテンプル騎士団の世界観や異星
>>続きを読む

ザ・ゴールドフィンチ(2019年製作の映画)

4.0

「一目惚れした初恋」と「テロで失った母親」の大切なシンボルである1枚のゴールドフィンチの絵を中心にして、エンタメ性の高いギャング映画に至るまで、アンセル・エルゴート演じる青年の人生を少年期から丁寧に描>>続きを読む

示談屋(1963年製作の映画)

4.0

これは面白い!
説明的なセリフとか大味な演技はあるものの、関西弁の小気味いい啖呵と展開のテンポの良さ、哀愁漂う美しいカットがありつつ、82分という短さでサクッと見れる隠れた傑作。

事故の増加から交通
>>続きを読む

殺しの烙印(1967年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

見たことないようなシーンの面白さ。

ツィゴイネルワイゼンのように完成されてはいないが、荒削りな鈴木清順の世界観が凝縮されている。

デフォルメされた癖の強いキャラクター。
感情がピーキーで色情狂のよ
>>続きを読む

ゼイラム(1991年製作の映画)

3.8

クールなバウンティハンター・イリアを演じる森山裕子が可愛くて、鉄平と神谷のコミカルなコンビも愛おしい。
凶悪な異星人を、町を再現した仮想空間に転送してそこで戦うっていう設定や、三度変身するゼイラムの造
>>続きを読む

東京流れ者(1966年製作の映画)

3.5

コミカルなまでにキザすぎる設定やキャラクターと、鈴木清順の映像センスが光る洒落た構図の取り合わせによって任侠映画の域を超えた世界観が出来上がっている。

2023-227

忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

「恐怖の村」シリーズに続く新シリーズ爆誕。

島を丸ごと再現したメタバースがあの世と同期しちゃって、イマジョと呼ばれる悪霊がこの世に来てしまう話。

ユタの脳波をスキャンするという試み。

アッキーナ
>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.0

ポール・ウォルター・ハウザーの、根が真面目で正義感が強く感情を表に出さない(それゆえに変わり者に見られる)リチャード・ジュエルの感情を押し殺した演技と、対照的にサム・ロックウェルの演じる感情的な弁護士>>続きを読む

ドリームキャッチャー(2003年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

後半に超能力者たちがエイリアンと戦う話だってわかってからは単純な映画なんだけど、序盤の、相手の過去を見通せたり考えがわかったり捜し物を見つけられたりする主人公たちの登場から、意味深な事故、そして半年後>>続きを読む

ノーウェア:漂流(2023年製作の映画)

3.6

妊婦の主人公が、物資不足びによって混迷を極めたスペインから、貨物コンテナに入ってデンマークに亡命しようとしたが、コンテナが嵐で海に投げ出されたことによって、限られた物資でサバイブすることになるソリッド>>続きを読む

チャイルド・プレイ3(1991年製作の映画)

3.6

アンディは16歳になり陸軍兵学校に入学。演者がアレックス・ヴィンセントから変わっている。

チャッキーは前回のおもちゃ工場のグチャグチャ ドロドロ エンドから血液だけで再生し(このシリーズはチャッキー
>>続きを読む

ローラは眠れない(2019年製作の映画)

3.4

アマプラでの配信は終わってたけど、ビデオマーケットで字幕版が無料で視聴できました。

2019年に製作され、2020年のSXSW映画祭でパラマウントの目に留まり、『スマイル』につながったそう。

夢の
>>続きを読む

スマイル(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

トラウマによって感染し、心の傷に宿る呪い。

心の病のように、本人には現実的な恐怖でも、それが心の中にしかない、というのが面白かった。

連鎖して、人にうつせる呪いということで『イット・フォローズ』を
>>続きを読む

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.7

人間の頃は元ヴァイキングだったサンタクロースが、「全米一堅固な家」の裏金を奪いに来た武装集団と死闘を繰り広げる、トミー・ウィルコラのクリスマスストーリー。

サンタクロースが銃の使い方を知らないから泥
>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.2

"「ザ・スクエア」は信頼と思いやりの聖域です。この中では誰もが平等の権利と義務を有します"

スクリーンというスクエアの中で、主人公に起きるふたつの事件を軸に、「優位に立とうとする人間」と「弱者を無視
>>続きを読む

バッド・マイロ!(2013年製作の映画)

3.3

ストレスが具現化した、ETのような見た目のポリープモンスター・マイロ。

テッドの二匹目のドジョウを狙ったのか下ネタ満載の、かわいいモンスターもの。

手の焼けるマイロにペットのように餌をやったり、お
>>続きを読む

マッド・ハウス(2019年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

LAの全体主義共同体ホラー
森の中や人里離れた土地で原始的な生活を送る共同体ではなく、ハリウッドのアパートで共同体を営んでいるというのが新しい。
監禁→洗脳が完了して裏方に回り、それまでの舞台裏を観ら
>>続きを読む

仕立て屋の恋(1989年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

観察(のぞき)が趣味で近所の嫌われ者のチビハゲ変態紳士。
パリとのギャップが斬新。

ネズミを大量飼育していることで優しさと気持ち悪さを演出して、最後に線路に連れていく切なさまであり、このネズミが良い
>>続きを読む

美しき諍い女(いさかいめ)(1991年製作の映画)

4.0

17世紀の娼婦・美しき諍い女を描きたいと苦悩するも創造性の衰えた老画家が、エマニュエル・ベアールの内なる真実を見出し、カンバスに描き上げる話。
日本公開時に、モザイクをかけるべきなのかどうか"ヘア論争
>>続きを読む

ウィリーズ・ワンダーランド(2021年製作の映画)

3.3

最強の掃除人ニコラス・ケイジvs殺人カルト集団が憑依したテーマパークの8体のキャラクター

無口でハードボイルドなニコラス・ケイジの運転する車が田舎道でパンクして、それを直してもらう代わりに廃墟と化し
>>続きを読む

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「中身は関係ない」
肥大化したナルシズムと他人への無関心が生んだ、ウォール街のサイコたち。

「相手が誰か」よりも高級レストランで(名前)と食事したことだけが重要だから、相手の名前をみんなが間違えてい
>>続きを読む

チャイルド・プレイ2(1990年製作の映画)

3.7

前回とは少し設定が変わって、チャッキーが人形の体のままどんどん人間になっていき、そのために急いでアンディの体を奪おうとするという設定になっていて、「激しく遊んだら出血する仕掛けの人形」というオリジナル>>続きを読む

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

不衛生な地下の不快さ、思うように身動きの取れないもどかしさ、セイフティーゾーンはあるものの水位が上がってきて刻々と迫るタイムリミット、、、わずかな希望とそれを覆す絶望の繰り返しで、それだけでもよくでき>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

5.0

アカデミー賞の前後に、これを観せられたらどの作品も太刀打ちできない、って話をよく聞いていたけど、その意味が良くよく分かった。
マルチバースという発明を、その本当の価値を、はじめて体現した作品であり、「
>>続きを読む

バタリアン(1985年製作の映画)

4.2

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』へのオマージュと、ホラー映画愛に溢れた、最高に愉快なハイテンポ・コメディホラー。

バタリアンたちが自ら救援を呼んで、来た警官や消防士をすごいスピードで襲っていくシ
>>続きを読む

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

3.7

ジョージ・A・ロメロのデビュー作にして、ゾンビ映画の原点。

生きている人間の残虐性

角度をつけた画角がスタイリッシュ
車の窓を叩く手足の長いゾンビの大きさが強調され迫力が増す

密室に逃げ込んだ人
>>続きを読む

チャイルド・プレイ(1988年製作の映画)

3.8

主人公のアンディ役のアレックス・ヴィンセントが可愛すぎる。
グッドガイと同じコスチュームを着て誕生日でワクワクしてる序盤のシーンが特に可愛い。
親がシングルマザーでグッドガイ人形を買うお金が無くて怪し
>>続きを読む

デモニック(2021年製作の映画)

3.5

メタバース×悪魔祓い

先端情報技術で殺人犯の母親の脳内メタバースにブレインダイブして、母親に憑依した悪魔と対決する話。
剣やマシンガンを持ったコテコテなヴァチカンの武装エクソシストがでてくるあたりが
>>続きを読む

マジック(1978年製作の映画)

3.6

腹話術を5分と我慢できないビョーキなアンソニー・ホプキンスの演技を見るためだけの映画。
アンソニー・ホプキンスはこの作品で英国アカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。

チャンスを逃してしまう臆
>>続きを読む

わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.8

89年からの10年間、境界を乗り越えた勇敢なロランスと、愛でそれを支えたフレッドの、ふたりの関係の移り変わり。

愛はあるけど距離もある。

革命の朝を、境界を乗り越える前に憂鬱に顔をゆがめて手で覆う
>>続きを読む

おみおくりの作法(2013年製作の映画)

3.8

誰にも悼まれずに孤独に亡くなった人たちを丁寧に見送る、几帳面で好奇心旺盛で思いやりに溢れた民生委員の最後の仕事。

静かで皮肉でブラックなブリティッシュジョーク的な映画で、孤独な人を見送ってきた実直な
>>続きを読む

ザ・ファン(1996年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ロバート・デ・ニーロの演じる野球ファンの暴力的で衝動的なパーソナリティをスリリングに描き、彼が会社をクビになってから、同じく不調が続く野球選手のウェズリー・スナイプスに自分を重ねて、異常なファン心理を>>続きを読む

デンマークの息子(2019年製作の映画)

3.9

日本でも安倍政権以降、恐ろしいほど急速に右傾化が進み、ナショナリズムを声高に叫ぶ傾向がもてはやされる中で、維新の会などの極端な右派ポピュリズム政党の躍進もあり、この作品の描くデンマークの近未来(202>>続きを読む

サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

3.8

ヨーロッパ企画の舞台を本広克行監督が映画化。

SF研のレトロで雑多なセット美術と、瑛太や上野樹里やムロツヨシたちのちょっと時代を感じるドタバタSFコメディがマッチしてて、それだけで楽しい。

善通寺
>>続きを読む