CHEBUNBUNさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

めくらやなぎと眠る女(2022年製作の映画)

2.5

【村上春樹の小説がフランスでアニメ化】
横浜フランス映画祭2024で村上春樹の小説をアニメ化した『めくらやなぎと眠る女』が上映された。知人が昨年の年間ベストに入れていたので気になって観たのだが、そこま
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バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)

3.7

【絞り出される移民像としての団地の狭い空間】
フランスの団地映画ことバンリュー映画もとある変化が起きている気がする。『GAGARINE/ガガーリン』と本作を観ると、パリ郊外の団地が老朽化を迎えており解
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映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ(2024年製作の映画)

3.8

【贋作を真とみなす者へ鉄槌を】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=g7A_wzbSr28

巷で「おしりたんてい」の新刊「おしりたんてい あらたなる かいとう」がダ
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【実存の危機に陥る時、人は加虐的/自虐的となる】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=PjZsmKE9XdU&t=5s

公開前から話題となっていた『デッドデッドデー
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けもの(仮題)(2023年製作の映画)

4.5

【生成AIによって融解した境界の中で我思う故に我あり】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=05BgRHzoUFo

横浜フランス映画祭2024でベルトラン・ボネロの
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.0

【ディスプレイ画面によるサスペンス】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=03DUIIJ_P1c

想像以上に面白かった!ディスプレイにより生み出されし「新たな眼
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ピストルと少年(1990年製作の映画)

3.5

【撃たれぬ銃の均衡】
カイエ・デュ・シネマベストに入った『ピストルと少年』を観た。想像と違った作品ながら面白く観た。

銃を拾った少年は、薬局に強盗へ入る。白昼堂々、ショーウィンドウに人がいるにもかか
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オキュパイド・シティ(原題)(2023年製作の映画)

1.0

【251分の拷問】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=03DUIIJ_P1c

TBSドキュメンタリー映画祭でA24×スティーヴ・マックィーンの4時間を超える作
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不正義の果て(2013年製作の映画)

3.5

【アイヒマンは決して凡庸な悪なんかじゃない】
クロード・ランズマンのDVD-BOXがプレミアついており、10万円ぐらいする。6万円ぐらいで売っているのがあったので買った。お目当ては『不正義の果て』であ
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Keyke mahboobe man(原題)(2024年製作の映画)

3.7

【孤独を癒すため、タクシー運転手を家に招いた】
第74回ベルリン国際映画祭で『白い牛のバラッド』マリヤム・モガッダム、ベタシュ・サナイハの新作が上映された。イラン当局からパスポートが没収され、現地入り
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アンディ・ウォーホル/コンプリート・ピクチャー(2002年製作の映画)

3.0

【自己を隠すための他者への渇望】
アンディ・ウォーホルの映像作品について研究しようと思って、ドキュメンタリー作品『アンディ・ウォーホル/コンプリート・ピクチャー』を観た。彼の意外な側面を感じ取った作品
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Cameraperson(原題)(2016年製作の映画)

1.0

【あまったフッテージを並べて映画ができると思うでなかれ】
久しぶりにMUBIを観たら、『CAMERAPERSON』が来ていた。本作は国際的に評価が高い一方で、日本のシネフィルの間では酷評されている作品
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関心領域(2023年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

【意図的な関心領域圏外】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=w5eCNqucnZo&t=3s

第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリ、第96
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国境の町(1933年製作の映画)

3.5

【】
ソ連映画のモンタージュはやはり面白い。機銃を撃つ運動と業務用ミシンを操作する運動を重ねるのには慧眼であった。

Island In Between(原題)(2023年製作の映画)

2.0

【】
第96回アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞ノミネート作品。中国と台湾を結びつける場所かつ分断する場所である金門島を軸にS. Leo Chiangが歴史を振り返る内容。20分で語るにはあまりにも短
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ラスト・リペア・ショップ(2023年製作の映画)

2.0

【】
第96回アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞ノミネート、ロサンゼルス・タイムズ枠。楽器修理屋の思い出話が語られるドキュメンタリー、ただ思い出話を並べただけって感じで退屈であった。

The Barber of Little Rock(原題)(2023年製作の映画)

3.5

【コミュニティバンクの重要性】
アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞ノミネート常連The New Yorker作品。銀行は「持続可能なビジネスの見込みがあるか」で判断する。そこから溢れてしまった人を支援
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彼方に(2023年製作の映画)

1.0

【】
第96回アカデミー賞短編映画賞ノミネート作品。突然、家族を奪われた男の喪失を描く内容。だが、娘と母親の亡くなり方が不自然で、その後の展開もあざといとしか言いようがなく全く乗れなかった。

ニモーナ(2023年製作の映画)

-

【うわっ女王が死んじゃった!!】
第96回アカデミー賞授賞式に併せてNetflixアニメ『ニモーナ』を観てみた。

騎士任命式にて剣を受け取ったバリスターだったが、緑の光線が暴発し、女王が死亡するショ
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Shambhala(原題)(2024年製作の映画)

3.5

【心象世界はセピア色】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=DvNvClLWBjo&t=68s

第74回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に初めてネパール映
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アイス(1970年製作の映画)

2.0

【】
ロバート・クレイマー連続して観ているのだが、楽しみ方がよく分からず。
ただ、『マイルストーンズ』と併せてみると、あの時代において虚無を埋める運動に「ろくろを回す」があるのが興味深い。

今の日本
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記憶の棘(2004年製作の映画)

2.5

【ジョナサン・グレイザーの外しテオレマもの】
『関心領域』公開に併せ、ジョナサン・グレイザーの『記憶の棘』を再鑑賞した。前回、観た時は退屈でよく分からない映画のイメージが強かったが果たして今回はどうな
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

3.7

【公共スペースで親密さが生まれる】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=7K99ZE8KQtQ&t=6s

『わたしたちの家』の清原惟新作が公開されたので観てきた
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(2005年製作の映画)

5.0

【失業なう、求職中、ライバルは銃でナイフで消してしまえ!】
大企業は、コスト削減のために工場を海外に移転させることがある。本作で登場する製紙会社は、コスト削減のためにルーマニアに工場を移転する。主人公
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勝手にしやがれ 4Kレストア版(1960年製作の映画)

2.0

【ゴダールは銃を誤魔化す】
2月からずっとジャン=リュック・ゴダールの作品を追っているのだが、原点に戻って『勝手にしやがれ』を観ることにした。中学生の時に観ているのだが、よくわからない印象があった。今
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新ドイツ零年(1991年製作の映画)

2.5

【】
ベルリンの壁崩壊後に、西側へ渡ろうとするシンプルな内容なのだが、やたらとハイコンテクスト。というよりかは、ジガ・ヴェルトフ時代から扱っている内容と大きく異なるので、点を繋いで観ることが難しく結果
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おかしなドラマ(1937年製作の映画)

4.0

【植物学者兼小説家の修羅場とは!?】
Amazon Prime Videoにはクラシック映画がたくさんある。マルセル・カルネの『おかしなドラマ』を観たら、想像以上に面白かった。

本作において冒頭のシ
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.0

【いくらなんでも非創作者をバカにしすぎでは】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=IWjgS7z3XOI&t=864s

アカデミー賞シーズンですね。ここ最近はあ
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曽根崎心中(1981年製作の映画)

4.5

【世にも珍しい人形浄瑠璃映画】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=q6meyRrJcOM&t=994s

国立映画アーカイブの特集「日本の女性映画人(2)――197
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ねむの木の詩がきこえる(1977年製作の映画)

2.5

【溢れんばかりの愛情】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=q6meyRrJcOM&t=994s

国立映画アーカイブの特集「日本の女性映画人(2)――1970-19
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勝手に逃げろ/人生(1980年製作の映画)

3.0

【】
人は想像したり、特定の瞬間を凝視する時、時間が伸びる。ゴダール商業映画復帰作では、クールなサウンドの中で停止、スローモーションを多用することにより、人生の中で引き伸ばされる時間を捉えようとしてい
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静かなるマニ石(2005年製作の映画)

3.7

【オラに西遊記を観せてくれ!】
ヒューマントラストシネマ有楽町で開催されているペマ・ツェテン特集に行ってきた。あらすじも調べずに『静かなるマニ石』を観たのだが、これが変な映画であった。

まさか「西遊
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

【西の魔女と戯れてみた】
映画呑み部の議題に選ばれていたので急遽観に行った。想像と全く異なる作品で度肝を抜かれると共に、あまりの心地よさにウトウトしてしまった。それでも素晴らしい作品なので軽く語ってい
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小さな兵隊(1960年製作の映画)

2.5

【】
ゴダールの劇映画はそんなに得意ではない。『ザ・キラー』がメルヴィルをやろうとして饒舌すぎるダメダメさがあったのだが、やるならゴダールの回想システムを引用すべきだったなと思う。撮影コスト高い、暴力
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電車男(2005年製作の映画)

4.5

【静かなる饒舌さ】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=_LX3HEA5u_8

スクリューボールコメディとして一切の無駄がなくて凄い!冒頭から、中途半端な間合い
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

5.0

【抽象的に血塗られた遺言状】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=Fsa1jDfi1Sw

顔、手、赤いインクがついた紙切れが映し出され、次にポスターにあるジャクソン
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