rさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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逃げた女(2019年製作の映画)

3.8


"毎日がつまらない"とか、"年下と寝ちゃったんだよね"とか、自然と言葉を紡ぎ外に出すことでその物事を消化できる人たちと対面し続けるガミ。
本当は自分だっておなじように自分の中のわだかまりを吐き出した
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僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

3.6


"自己愛が強すぎる"母息子2人にフォーカスしたジェシー・アイゼンバーグの初監督・脚本作。不安で仕方ないからこの自分を誰かに受け止めてほしい。そんな願いを不器用に爆発させる2人の切実さに人間の真実味を
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キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

4.1


話としては組み立て方が洒落ている程度で「リベンジ」一言で説明できてしまう。なのに、映像のカッコよさだけで2時間弱の作品として完成させてしまうからすごい。ずっと惹きつけられてしまう。重力おかしいところ
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彼方のうた(2023年製作の映画)

4.5


カセットテープ、演技、スケッチ、卵焼き。過去をそのまま焼き回すことはできないが、その輪郭をなぞり慈しむことで静やかに癒され、自身を解放することはできる。
初めて耳にするのにまるで知っているかのような
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もっと遠くへ行こう。(2023年製作の映画)

3.5


アマプラってなぜ吹替版しかないの。。酔っ払いながら観たこともあり吹替に異様にいらいらしてしまった。字幕をくれ、シアーシャ・ローナンとポール・メスカルの声を聴かせてくれ。。

奇跡(1954年製作の映画)

3.8


人は誰しも祈りと信仰の庭を持っている。庭の手入れ方法や咲いている草花はそれぞれであり、その庭を固く閉ざすか、はたまた解放しておくかも当人次第。
ただし、開かれた庭で庭の持ち主と訪問者が出会った時にし
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吸血鬼(1932年製作の映画)

3.5


ドライヤー特集で2024映画館初め。

実在の肉体とは別の動きをする意思を持った影や二重露光等を駆使し、優美さと不穏さが同居した映像を実現化している。

錯乱状態といえる主人公の棺桶の中からの視点の
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エターナル・ドーター(2022年製作の映画)

3.5


Wiki曰く"Gothic mystery drama film"というだけあって終始画面もムードも暗かったのだけど、そんな中甘えん坊なルイ(わんこ)が最高に可愛かった。そして調べたらルイはなんとテ
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ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

3.9


良い!自分の殻に籠りがちな人間がひょんな外的要因をきっかけに物理的にも精神的にも外へと引っ張り出され、その間彼女の中で静かに沸き起こる変化が蓄積されていき、最後はふわりと解き放たれる…

自分の意
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.7


役所広司が微笑むだけで物語になってしまう粒度の高さ。この映画がもたらす充足感にずっと身を浸していたいと願うように思った。光と影の間をたゆたうような感情。泣顔は笑顔であり笑顔は泣顔でもあるのだ。トイレ
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欲望という名の電車(1951年製作の映画)

4.1


W. アンダーソンの「アステロイド・シティ」で参考にされた作品ということで観たいと思い鑑賞。

冒頭、到着した電車から駅のプラットフォームに降り立ったブランチが煙の中から登場し、「欲望という名の電車
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.8


憧れと憎悪が表裏一体で、想いを募らせる相手を飲み込んでしまうほどに自分を消し去りたいと願う、その思いの強さが果たして何処に由来するものなのかが明かされていなくてとても末恐ろしかった。ドン引きしたシー
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NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.6


ビバリウムのロルカン・フィネガン監督の新作ホラー。背面にある傷のように自分には見えないものと、自ら目を背けているもの。それらの狭間で人生を揺さぶられる人々。果たして本当の意味で寄生しているのは誰なの
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Winter boy(2022年製作の映画)

3.8


目の前に差し出されたものに飛び付き、その先に救済があると錯覚してしまう幼さや、自分を内側からではなく外側から構築しようとする10代特有の脆さが存分に描かれていて心がひりついた。

自分の中にいる様々
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.2


大好き。取るに足らない、ちっぽけで容易に見過ごされてしまうような物語をそっと愛でる眼差し。ダイナミックさは無いのに観終わった後確実に何かに背中を押されている、この多幸感!カウリスマキ特有のシュールさ
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いますぐ抱きしめたい 4Kレストア版(1988年製作の映画)

3.5


ハードボイルドときどきロマンス。

初期作品とだけあって結構荒削りな感じは否めない。ロマンスから1番遠いところにいる男の恋、という感じは良いけど、ウォン・カーウァイの有名作に漂うような詩的な広がりは
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秋日和 ニューデジタルリマスター(1960年製作の映画)

4.0


喪失(夫の葬儀)から始まり再生(娘の結婚)で締めくくる物語。娘の嫁入りを中心としつつも、家族を送り出す母親にひたと寄り添い、彼女を静やかに見つめることに重きを置いた映画だと思う

娘さんいくつだい。
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麦秋(1951年製作の映画)

4.0


のんきな子、勝手に決めちゃって。

という母のセリフが自分には結構カルチャーショックで真正面からどーんときた。

家族として一つの屋根の下に集い、共に暮らしを営み、そして時が経つにつれ離れていく。そ
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.2


眠りという行為は他人と体験を共有することはできない。だから人は互いに違う夢を見てすれ違い続ける。それでもたまに違う夢の中から互いを小さな窓越しに発見し微笑み合うような、そんな"夢の中の夢"に人は夢を
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ファミリー・ディナー(2022年製作の映画)

3.6


終盤迄ホラー演出を極力抑えることで全体の切れ味の鋭さを増すことに成功している稀有な作品。人が誰か/何かに向ける愛情や追求心がトゥーマッチになった時、それは人の皮を被ったホラーと化す。その境界線が当人
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映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(2019年製作の映画)

3.4


職場の子持ちの先輩に「映画好きならぜひ観てほしい」と言われた作品。私はお勧めされた映画をちゃんと観ることはれっきとした愛だと思っているので観てみた。

結果、、インフルで体調つらく寝込んでいる時に観
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最悪な子どもたち(2022年製作の映画)

3.9


凄まじい。フィクションとノンフィクションが交錯し、それらの見分けが一切つかなくなった時、観る者の心を激しく掻き乱す。幼さ故の自己表現の拙さを超え、演技に向き合い自分の中の本当の声に気付く彼らの姿が心
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.7


仲買商の高級牛から盗んだミルクでドーナツを作り夢を夢見る。発酵する男同士の密やかな友情に焦点を当てているなんとも変則的な西部劇。カメラの移動方法や夜の異様とも言える暗さ等、細部に拘りと見どころが散り
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雪雲(2023年製作の映画)

3.8


2023 Tokyo FILMEX

幾つもの不在が繋がり紡がれる1つの物語。劇中幾度となく印象的に登場する赤色は希望の象徴とQAでお答えいただき納得。都市計画の頓挫に建設最中で放置された工事現場等
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