Uえいさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

サンライズ(1927年製作の映画)

4.0

こちらも片岡一郎さんの活弁付きで視聴。映像の完成度が高くて活弁士泣かせとの事。確かに一から百まで伝わる映像の表現が凄すぎた。

ある田舎に住む男が、川を渡った先の都会に行って帰ってくるというシンプルな
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結婚哲学(1924年製作の映画)

3.0

生の活弁は初めての経験だった。弁士は片岡一郎さん。そして監督のルビッチも初挑戦だったが、肩の力を抜いて楽しめる作品だった。

ある二組の夫婦の離婚をめぐるコメディ作品だった。弁士が語るアテレコ的な内容
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悪意の眼(1962年製作の映画)

3.5

久しぶりにシャブロル監督作品を見た。この前に撮った作品が興行的に上手くいかなかったため、ジャンル映画の要素を増やすように制作したらしい。だからか、見やすくて純粋に楽しめた。

あるブルジョワの夫婦の生
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.0

「ファースト・カウ」が映画館の環境が悪く楽しめなかったので、配信でケリー・ライカートにリベンジ。これがびっくりするほど面白かった。

タイトルはフロリダ州の地域の名称で、映画の舞台になっている。主人公
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レフューズニクたちへの祈り(2004年製作の映画)

-

2006年に公開されたゴダールの短編で、「カラビニエ」のシーンが使われていると知り見てみた。

二編で構成されていて、前半は「カラビニエ」の共産主義者の女を処刑するシーンに歌が被せられているという内容
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カルメンという名の女(1983年製作の映画)

3.0

当時オペラのカルメンの著作権が切れたタイミングで、他にもカルメンを題材にした映画が公開されていたらしい。肝心のカルメンを知らない状態で見てしまった。引用が多く、話も急な展開をするので追いつくのに必死だ>>続きを読む

軽蔑(1963年製作の映画)

3.5

映画の撮影風景から始まり、映画製作がテーマになっていて「8 1/2」的な映画についての映画と思わせながらも、いつものように男女のすれ違いが描かれていた。

主演の二人は勿論のこと、カプリ島の風景や室内
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カラビニエ(1963年製作の映画)

3.0

しばらくぶりにゴダールに挑む。冒頭からボルヘスの引用、ヴィゴへの献辞で始まり身構えてしまったが、戦争の愚かさをゴダールなりに再構築した寓話のようなストーリーで結構見やすかった。

とある王国が舞台で、
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.0

スペイン北部の寒々とした風景、街並み、そして主人公が父との思い出を回想していく語り等、雰囲気が良すぎる。

家族はスペイン北部の寒い田舎町に住んでいた。主人公エストレーリャは父とはあまり会話しなかった
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フランケンシュタインの花嫁(1935年製作の映画)

3.0

続編も面白いと聞いた記憶があり、いい機会なので前作「フランケンシュタイン」から続けて見た。そんな面白くはなかったかも。

まずはじめにディオダディ荘の怪奇談義のシーンから始まり驚く。メアリー・シェリー
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フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.0

「ミツバチのささやき」を見て、劇中で上映されるこちらも見たくなってしまった。1931年のユニバーサル映画で、「魔人ドラキュラ」に次ぐ第二弾として公開されたらしい。ダーク・ユニバースの苦い記憶を思い出す>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.9

新作に向けてビクトル・エリセ監督に挑戦。といっても配信しているのは2本しか無いみたい。

1940年のスペイン、郊外の村が舞台だった。当時はスペイン内戦が終わった後くらい、当時の情勢は詳しく無いので調
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機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

3.4

前作の主人公たちの上司にあたる後藤と南雲が中心になっていて、一段上のレイヤーで話が進み、スケールも大きくなっている。

東南アジア某国に自衛隊が派遣され、現地のゲリラに襲われたが反撃が許されず、柘植と
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機動警察パトレイバー THE MOVIE(1989年製作の映画)

3.5

パトレイバーについて何も分からない状態で見たけど普通に楽しめた。

21世紀が目前に迫り、東京湾を大開発するバビロンプロジェクトが進んでいた。作業効率化の為、レイバーというロボットが投入されていた。そ
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英雄の証明(2021年製作の映画)

4.0

イランの映画で内情はよく分からないけど、小さな善意を祭り上げられ、しまいには名誉、誇りなど全てを毟られる男のとんでもなく悲しい話だった。

主人公のラヒムは前妻の父バーラムからの借金が返せず服役してい
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(1974年製作の映画)

3.5

ここまで話がわからない映画は久しぶり。だけど、大自然と火、水の映像が生き生きとしていて美しすぎた。ジブリを見た時と同じような感動があり、アプローチは違えどここが極致なのかも。「メランコリア」などもタル>>続きを読む

叫びとささやき(1972年製作の映画)

3.0

時計の針のアップから始まり、時刻は分からないが時の経過だけをビジュアルで見せていて驚く。そして、カラーだけど白と赤を基調にした二色使いが鮮烈だった。

あるお屋敷に住む三姉妹の次女アングネスは重い病で
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スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

3.6

タイトルそのまんまスリの映画なんだけど、これが面白く見れてしまってびっくり。スリという行為もスリリングだし、繰り返してしまう男の心理にも同情してしまう。少しカウリスマキへの影響も感じた。

ミシェルは
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惑星ソラリス(1972年製作の映画)

3.5

あけましておめでとうございます🙇‍♂️映画初めには、一富士二鷹三タルコフスキーという事でこの作品をチョイス。

SF作品ではあるものの、宇宙などはあまり出てこない風変わりな映画だった。「2001年宇宙
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

3.5

今年いっぱいで配信終了になり、権利的に再配信が無いかもしれないとの事で焦って視聴。メインビジュアルからは見ようと思わなかったが、年の瀬に良い出会いができた。

カリフォルニア州のバグダッド(「パリ、テ
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

3.5

久しぶりのベルイマン作品だったが、前に見たものとは違った雰囲気で、とんでもないものを見てしまった!という感覚が残る。

舞台女優のエリーサベットは本番中に突然喋れなくなり入院することになった。身体・精
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.0

第26回みうらじゅん賞の受賞を記念して視聴したが、なかなか面白かった。

ケイディは家族旅行中に交通事故にあい、両親が死んでしまう。そして叔母のジェマに引き取られることになった。急に始まった共同生活で
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

4.1

少し前に映画館でやっていた時に見に行けず配信で視聴。こんな傑作を劇場で見てしまったら席から立てなくなってしまう!

ソフィア・コッポラ監督の作品という前知識しかなかったが、主演がビル・マーレイとスカー
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.0

最近見たホラー映画の中ではぶっちぎりで面白い。ちゃんと怖がれるホラー映画は貴重🤝

主人公ミアの母は、2年前に薬を飲みすぎて死んでしまった。ミアは未だにショックを乗り越えられずにいた。

そんな中、呪
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吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)

3.0

吸血鬼映画の原点とも言える100年前のサイレント映画。すごく前から気になっていて、とうとう重い腰を上げて視聴した。

ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」の非公式な映画化になっているが、舞台がドイ
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ベイト(餌)(2019年製作の映画)

3.0

初めて下高井戸シネマに行ったが、かなり快適で好きになった。

イギリスの南西部にあるコーンウォールという貧しい村が舞台で、昔ながらの漁師のマーティンと、村にやってきた富裕層のリー家との軋轢が描かれてい
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.0

ケリー・ライカート監督がすごく人気で注目度が高かったため、ブームに便乗して見に行った。しかし、最悪の鑑賞体験になってしまった。

前の人の頭で字幕がすっぽり隠れてしまい、絶望したまま上映が始まった。映
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神の道化師、フランチェスコ デジタル・リマスター版(1950年製作の映画)

3.0

なんだか敬遠していたロッセリーニの作品に初めて触れた。笑いどころが多く、思ったよりずっと見やすかった。

聖フランチェスコと仲間たちが、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリに定住し、別れて布教の旅を始め
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

映画館で初ヴェンダース。前の席の人の頭に悩まされたが、日本語だったので助かった🥹

トイレ掃除の仕事をする平山(役所広司)の日々を映す。スカイツリーが見える下町の古いアパートに住んでいて、朝起きて、髭
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レースを編む女(1977年製作の映画)

3.0

アテネフランセで見逃していたのでStrangerでの再映はありがたかった。しかもかなり読み応えのある冊子まで頂けた。次の機会があれば応援したい。

本作はイザベル・ユペールの出世作で、若くてあどけない
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吸血鬼(1932年製作の映画)

3.0

2年ぶりのドライヤー特集が開催されて嬉しい。しかも第二弾で別のパンフレットが用意されているのもありがたい。

今作は以前に見た映画と毛色が違い、ビジュアルや雰囲気重視のアート映画的な側面が強かった。
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

3.5

清朝最後の皇帝溥儀の人生を描く大作だった。「暗殺の森」と同じくヴィットリオ・ストラーロが撮影していて、紫禁城などの引きの画は勿論の事、室内での会話シーンまでも何もかもが美しい。

終戦後の中国の収容所
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ヨーロッパ2005年、10月27日(2006年製作の映画)

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これまた訳が分からなかった。心霊映像を見ているかのような寒気を感じた。

変電所?の外から壁、入り口、また壁に戻り、ガス室 電気椅子という字幕が入る映像が五回繰り返される。

この変電所では警官に追わ
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あの彼らの出会い(2006年製作の映画)

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久しぶりに訳が分からなかった。

全部で五幕構成になっていて、山や森などの自然を背景に、神と思われる二人の対話が描かれる。一幕ごとに違う神に変わるし、会話の内容を理解するのも難しいしでハードな映画体験
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

いつものカウリスマキ節で、中年の男女の恋模様が描かれていて、幸せなひとときが過ごせた。ああ、映画館で見れてよかった。

スーパーで働いているアンサは、廃棄になった食品を持ち帰ろうとしたのが見つかり、理
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.0

何故か食わず嫌いしていてようやく見た。一見ラブストーリーにも見えるけど、ちょっと違う、奇妙な話だけどグッとくる不思議な感覚になった。

中年男の天使ダミエルは人々をやさしく見守っている。天使は子供には
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