Uえいさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.0

老人が単身大勢の敵と戦う映画で、「ドント・ブリーズ」や「ラスト・スタンド」などと似ていて、爽快で普通に楽しいやつ。

第二次大戦中のフィンランドで起きたラップランド戦争が背景にある。フィンランドとドイ
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THE FALLS(1980年製作の映画)

2.0

グリーナウェイ監督の初期長編作品で、かなり尖った作りになっている。実験映画やアート映画的要素が強すぎるのと、上映時間が長いのもあり、なかなかハードな鑑賞体験だった。

VUE(未知の暴力的事象)の被害
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アッテンバーグ(2010年製作の映画)

3.5

グリーク・ウィアード・ウェーブを代表する映画で気になっていた。ツァンガリ監督は自分でスタジオを立ち上げていて、ランティモスの「籠の中の乙女」や「アルプス」を製作している。逆に本作はランティモスが製作、>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.0

アカデミー賞の脚色賞を受賞して気になっていた。監督のコード・ジェファーソンはドラマ版「ウォッチメン」でエミー賞の脚本賞も取っていて、なるほど面白い訳だと納得した。

主人公モンクは黒人の小説家で、人種
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恋は光(2022年製作の映画)

2.9

普段は見ないジャンルの映画だけど去年上映時に好評だったみたいで気になっていた。見てみると、文章で表現する台詞をそのまま発声していて違和感がすごく、戯画的に見えた。

とある大学生たちの恋愛模様を描いて
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.0

「バービー」出演の記憶も新しいエメラルド・フェネル監督の最新作をやっと見た。「テオレマ」や「聖なる鹿殺し」的乱入者モノの映画で、主演のバリー・コーガンの演技が圧倒的!

オックスフォード大学に入学した
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

本作は、オッペンハイマーが戦後の赤狩りによる聴聞会を通して、原爆の開発、そして使用に至るまでを回想していく形で語られる。またその後、水爆推進派でオッピーを表舞台から消すために暗躍した政治家ストローズの>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.0

やっとアマプラに帰ってきた!ちょっと前に上映していた気がしたけどいつの間にかアマプラに追加されていた本作。評判通り主演の杉咲花の演技がすごく、魅力的だがどこか空虚で突き放すような眼差しに「少女ムシェッ>>続きを読む

私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

3.0

73年のチェコが舞台で、とある事件を起こす22歳の少女オルガを描く。実在の人物がモデルになっていて、「ヴィオレット・ノジェール」や秋葉原通り魔事件を扱った「ぼっちゃん」を思い出す。

オルガは裕福な家
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.9

ようやく見れたが、噂通りの良い映画だった!モスクワから最北端に向かう寝台電車の中で、相席した二人の変わりゆく心情が描かれる。フィンランドの映画監督といえばカウリスマキだが、ユホ・クオスマネン(覚えにく>>続きを読む

美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)

3.5

横浜まで遠出した甲斐があり、ドゥニ監督を生で見れて嬉し過ぎた。スクリーンも大きく、良い体験が出来た。

ジブチで訓練をするフランス軍の外国人部隊を描いていて、照りつける日差しと砂漠、そして海のコントラ
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Tuesday(原題)(2015年製作の映画)

-

「aftersun」のシャーロット・ウェルズ監督の短編。日本語字幕がないので雰囲気で見てみた。

主人公は高校生くらいの女の子だ。どうやら両親は離婚していて、母と再婚相手のもとで暮らしている様子。毎週
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ラルジャン(1983年製作の映画)

3.5

前から気になっていたブレッソンの遺作。タイトルの意味は"お金"で、ニセ札から物語が始まる。

ある青年は友人に借金を返すため、写真店でニセ札を使い現金を得る。その偽札は別の支払いに当てられ、イヴォンは
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怪人マブゼ博士(1960年製作の映画)

3.0

勝手に謎に包んでしまっているマブゼシリーズに初挑戦!本作はラングが60年に撮ったマブゼ作品で、この後他監督に受け継がれ全6作品のシリーズになっている。

ラングはアメリカ亡命前にもマブゼを扱った映画「
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少女ムシェット(1967年製作の映画)

3.5

ゴダールが編集した予告編がニクい。「田舎司祭の日記」と同じくジョルジュ・ベルナノスの小説が原作になっていて、今でいうヤングケアラーの少女が描かれる。

主人公ムシェットは貧しい家庭に生まれ、父は呑んだ
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劇場版 仮面ライダー555(ファイズ) パラダイス・ロスト(2003年製作の映画)

3.0

映画が無料公開されていたので見てみた。仮面ライダー映画の中でも評価が高くて期待していたが、仮面ライダー映画の中では、という前置きあってのものだった。

内容はテレビシリーズ放映中だったからか、世界観が
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.5

去年凄く話題になってたけどタイミング合わず今更になって視聴。ハンディカムで撮られた映像から、色彩も懐かしい感じでコーディネートされていて美しい。父娘で過ごすバカンスを大人になった娘が振り返る形で描かれ>>続きを読む

アラビアのロレンス/完全版(1988年製作の映画)

3.5

デューン原作でも参考にした映画との事でえいやっ!と見始めた。有名だけど4時間近い上映時間と、内容がよく分からずで及び腰になっていた。

見てみると、砂漠の広大な映像が凄くてのめり込めた。史実が元になっ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

しっかり予習したものの、IMAXの大画面で見る砂丘、マシン、サンドワーム、そして群衆やバトルなど大迫力で、あー見てよかった!と単純に楽しめた。

Part1でフレメンと合流したポールと母ジェシカは、再
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冷たい水(1994年製作の映画)

3.5

アサイヤス監督が好きになり、「現代映画講義」と言う本でこの映画と、「イルマ・ヴェップ」「デーモンラヴァー」を三部作的に鑑賞すると面白いと書いてあり、チャレンジしてみた。「早春」や「汚れた血」を思い出す>>続きを読む

アンガー・ミー(2006年製作の映画)

3.0

「マジック・ランタン・サイクル」を見てアンガー監督を詳しく知りたくなった。今作は、監督が半生やフィルモグラフィーを語るピッタリな映画だった。

冒頭からジョナス・メカスが出てきてびっくりする。監督が語
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マジック・ランタン・サイクル(1980年製作の映画)

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ケネス・アンガー監督の短編をまとめたオムニバス的映画。

どれも印象に強く残る作品だが、その分体力を削られるので一つづつ区切ってみる事をおすすめしたい。

ルシファー・ライジング(1972年製作の映画)

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「マジック・ランタン・サイクル」の中の1つとして鑑賞。

エジプトを舞台にルシファーの降臨を描く。スフィンクスやピラミッドを背景に、ハトホルやオベリスクを模したキャラが儀式のような事を行う。

他にも
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我が悪魔の兄弟の呪文(1969年製作の映画)

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「マジック・ランタン・サイクル」の中の1つとして鑑賞。

ミックジャガーが音楽を担当していて、サイレンのようなノイズチックな音が頭を狂わせる。

映像も謎すぎる。悪魔崇拝の儀式的な映像に見えるが、ホル
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Kustom Kar Kommandos(原題)(1965年製作の映画)

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「マジック・ランタン・サイクル」の中の1つとして鑑賞。

タイトルはKKKだが、そういった要素は感じなかった。ギラギラの自動車と自慢げに整備する青年を描く。

シートが女性器や唇のような形をしているの
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スコピオ・ライジング(1964年製作の映画)

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「マジック・ランタン・サイクル」の中の1つとして鑑賞。

バイカーたちを描いているが、蠍や髑髏、バイク事故の新聞記事など死の匂いが充満する。ポップソングを背景にギラギラのバイクを整備し、ダブルのライダ
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快楽殿の創造(1954年製作の映画)

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「マジック・ランタン・サイクル」の中の1つとして鑑賞。

訳がわからないけど色彩が美しい。エジプトの神々や鳥籠を頭に被った女性、悪魔、吸血鬼など独特のコスチュームを纏うキャラクターが登場する。

キャ
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人造の水(1953年製作の映画)

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「マジック・ランタン・サイクル」の中の1つとして鑑賞。

噴水が印象的なイタリアの庭園と、そこを歩く中世のドレスを着た女性を映す短編だった。白黒に青だけを使った映像が印象的。

登場する小柄な女性はフ
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ラビッツ・ムーン(1950年製作の映画)

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「マジック・ランタン・サイクル」の中の1つとして鑑賞。

あるピエロのような男が月に焦がれるパントマイム的な短編作品だった。「天井桟敷の人々」のバチストを連想したが、まさにそこからインスパイアされたら
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プース・モーメント(1949年製作の映画)

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「マジック・ランタン・サイクル」の中の1つとして鑑賞。

ドレスを着た女性を写した短編作品だった。元々は朝・昼・夜などを衣装で表すような作品を作ろうとしていたが、制作費の問題で中止されたらしい。

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花火(1947年製作の映画)

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「マジック・ランタン・サイクル」の中の1つとして鑑賞。

海兵の男が、複数の海兵たちに暴行されると言う内容なのだが、台詞がなく、何処かサイレントの雰囲気を感じた。ズートスーツ暴動という、ロサンゼルスで
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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.0

新作公開が控えるデヴィッド・クローネンバーグの息子ブランドン監督の映画をチェック。娘ケイトリンの初監督作品もアメリカでもうすぐ公開らしく、もの凄い家族だ。

本作は近未来が舞台なのか、他人の意識を乗っ
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イルマ・ヴェップ(1996年製作の映画)

3.5

フイヤードの連続活劇「レ・ヴァンピール」のリメイク映画を制作する現場を扱う、映画制作についての映画だった。ただ映画についてだけでは無く、リメイク元の監督の意志や、映画史や歴史を踏まえてどう映画作りをし>>続きを読む

プロスペローの本(1991年製作の映画)

3.0

冒頭のプールのシーンから映像のアバンギャルドさに圧倒された。ストーリーはシェイクスピアの「テンペスト」が元になっていて、エアリアルが空中ブランコに乗ってしょんべん小僧のように放尿しているシーンが笑える>>続きを読む

数に溺れて(1988年製作の映画)

3.0

映画の中で次々に数字が現れ100を数えたところで終わるというギミックがユニークで面白い。見逃してしまった数字も多かったので探すためにまた見たくなる。

話自体はシンプルで、三人の同名の女性シシーがそれ
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ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

3.5

とある芸術家の女性が個展を開くまでの過程を追う内容で、独特のペーソス的な雰囲気が感じられて結構好きな映画だった。

主人公リジーは母の経営するアートスクールに勤める傍ら、陶芸作家として個展に向けて準備
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