一人と一人の貧乏ブルーカラー労働者が、最後は二人と一匹になるフィンランド映画。
80年台風の景色の中、思い出したように流れるウクライナ侵攻のラジオ・ニュース。
「男はみな同じ鋳型、しかも壊れている」>>続きを読む
アスペルガー傾向のアラフィフ女性を当事者脚本・監督・主演で描く、田辺・弁慶映画祭グランプリ受賞作。
ちょっと Well-made 過ぎて自分の好みではないが、確かに主演の 瑚海みどり も脇役陣も悪く>>続きを読む
(2024.1.22 64分版 観賞)
過去2度しか上映されていないという短編版を、やはりポレポレで観賞。
64分あるのに意外なほど薄味で、やっぱりこの企みは150分版の方でこそ堪能できるのだと思った>>続きを読む
妻の浮気を疑う男の幻想譚。
柔らかいトーンのモノクロで綴られる白昼夢。夫が務める不動産会社を訪れる変な客たちやら、日焼け止め男 (「はこぶね」の 木村知貴) やら、飛行帽の少年やら、クセのある脇役が>>続きを読む
料理を通して愛を確かめ合う男女の話。
冒頭30分続く午餐のため料理シーンにただただ見入ってしまう。子供の頃 (1970年代)、確か日曜午前中の早い時間に、グラハム・カーの「世界の料理ショー」というT>>続きを読む
「週末」を貸別荘で過ごす一家に忍び寄る世界の「終末」。危機に瀕することで露わになる人間の本性を描く。ある登場人物が本作のキーで、その雰囲気は「US」、「NOPE」や「ノック 終末の訪問者」に近い。>>続きを読む
悪ガキたちを主演にすえた映画についての撮影記録風モキュメンタリー。
フィクションとドキュメンタリーのあわいを狙った作品。ドキュメンタリーかと錯覚してしまうほどリアルな子供達。演劇の功罪、映画による搾>>続きを読む
感謝祭の聖餐をめぐる物語。
勝手にブラックなユーモアを期待して行ったら真面目なホラーで、おまけに特にひねりも無く、盛大な空振りに終わる。
盲目だった少年が70年かけて人生を取り戻す話。と、そんな一言では表せない、表現が難しい作品。監督・脚本・原案・音楽は 半野喜弘。
冒頭しばらく音声だけで、事故かと思ったが、よく見ればスクリーンには>>続きを読む
「心臓より先に脳が壊れるすべての人に」捧げられた作品。
冒頭、寄り添って眠る老夫婦の俯瞰、それがいつの間にか中央で左右に分割され2つのスクリーンになり、夫婦それぞれの姿を追いかけ始める。その舞台は、>>続きを読む
存在するのに存在しないことになっている人の話。原作戯曲の脚本家 戸田彬弘 が、自ら監督しての映画化。
市子の子供の頃のイヤなエピソードに被せるように、冒頭から寝落ちしてイビキをかく隣のオッサンが気に>>続きを読む
アイドルグループのリーダーが、既に卒業した初期メン2人の力を借りて、自身の卒業公演を成功させようという話。
アートワークが綺麗なのと、監督が「君は永遠にそいつらより若い」 の 吉野竜平 ということで見>>続きを読む
オープニングとラストがめちゃカッコいい映画。
自分が何者で何をしたいのかわからない、破滅的な女の子を演じる ソーラ・バーチ。彼女のファッションがいちいち可愛い。相棒の スカーレット・ヨハンソン は実>>続きを読む
体調と館内の暖房のせいで、冒頭20分間うつらうつらしてしまったので正しい評価は不能。
その範囲で言えば、実に捉え所のない映画。
前半1時間のヤングケアラーのリアル パートと、残りの2時間の徐々に現実>>続きを読む
誰もが「X」になり得るという話。「X」とは、異星人でも、移民でも、犯罪者でも、LGBTQ+ でも、自分にとって異質と感じる相手なら誰を代入しても成り立つ変数ということなのだろう。
ちょっと不思議な、>>続きを読む
見ているこっちがむなしくなるよ。
唐田えりか、芋生悠 出演ということで期待していたのだけど、深夜ドラマで散々コスられたようなネタを、同じような描き方で今また映画にする意味がわからなかった。
泣かないのではない、泣けないのだという話。
ありがちな話を、終始べたべたな、言ってしまえば古臭い演出で見せるのだが、コレは意図的なんだろうと思う。
タクシー運転手役の 上川周作 がずっと可笑しい。見>>続きを読む
ポレポレ東中野恒例の「いい肉の日 (11/29) リバイバル上映」で観賞 (初見)。
貝塚市、だんじり祭りのお膝元、元部落地区にある精肉店一家のドキュメンタリー。 映画は 2013/11/29 公開>>続きを読む
「ゴジラ -1.0」 が華麗にスルーした戦後の庶民の暮らしを、ひたすら重く苦しく描く。
うーん、しかしまたしてもコレじゃない感。俳優の演技がエキセントリックすぎて逆に冷める。結局マイゴジの二の舞い?>>続きを読む
ある女が、別れた夫と共に過ごす一夜の物語。原作は戯曲らしい。
全編ほぼ女 河野知美 と男 梅田誠弘 二人の会話劇。それが余りある余韻をもって実にスローに進行する。そのペースにシンクロするのに少し時間>>続きを読む
都会に住むDJが、兄が世話している痴呆症気味の母親を引き取って、一緒にモンゴルの原風景を探す旅に出る話。
原題は「臍帯 / The Cord of Life」、つまり臍の緒のこと。劇中で象徴的に使われ>>続きを読む
SNSの負の側面やディープフェイクがテーマのアート映画 (これでエンタメ映画とは言えないと思う)。
少し前に公開された「PLASTIC」同様、観客に説明する気がない監督であり、さらに今作はわざと分か>>続きを読む
働かない夫をもつ17歳の一児の母の視点から、ゴザを舞台に沖縄の無理ゲー社会を描いた作品。
ウチナーグチのセリフはよく聴き取れないし、ひたすら救いはないし。それでも、淡々としてはいるが実に丁寧に作られ>>続きを読む
6月14日、一日空いた大阪で再観賞。
2回目だと大分情報が整理できて初見時よりはずっと分かり易い。ただ、劇場がイマイチだったのか、初回に感じた繊細な音響効果を味わうことができなかったのは残念 (前日の>>続きを読む
ちょっとケチの付け所が見つからないくらいの傑作と思う。主演の ブレンダン・ブレイザー はもちろん、リズ役の ホン・チャウ、娘役の セイディー・シンク が実に良い。
出演者はほぼ5人だけ、舞台もチャー>>続きを読む
金と時間と性欲が有り余るコミュ障男はこうなるよなとか、いろいろ刺さりまくりの、人気漫画家零落 (落ちぶれ) 放浪記。と同時にある種のファンタジーでもあると思う。
斎藤工 のクズ漫画家ぶりはもちろん、>>続きを読む
桜に囲まれた田舎の高校の、卒業式の前日・当日の二日間の出来事を、4人の少女たちをを中心に群像劇で描く。
主演は「由宇子の天秤」の 河合優実。彼女のエピソードにまつわる映画上の仕掛けが一箇所あるのだが>>続きを読む
家族の厄介者の四男坊と障がいのある女性との一年間にも満たない結婚生活を淡々と描いた中国映画。これが2011年の話というんだから中国って色んな意味でスゴイ。
終盤近くなって、まだ終わるなまだ終わるなと>>続きを読む
テーマは「正しいことが幸せとは限らない」。
老人向け性風俗という扱い辛い題材をよくここまで描き切ったと拍手したい。この歳になるとホント身につまされる話。
2時間15分とちょい長めながら、ゆりかごから>>続きを読む
90年代に撮られた、30歳の父と11歳の娘との夏休み旅行を収めたホーム・ムービーをめぐる物語。
先日の「なぎさ」以上に全体を通して余白が多く、冒頭からしばらくはこの映画の文法が理解できなくて難儀した>>続きを読む
7月9日 アップリンク吉祥寺で再観賞。21時の回でしかやってないけど、やってくれるだけでもありがたい。
やっぱりこれは「火垂る墓」だった。バラバラに提示される断片を時系列に並べ替えるとこうなるはず >>続きを読む
妖怪より、幽霊より、人間が一番怖いという話。旅先で他に見るものがなく、評判も良いので足を運んでみた。
トントンと事が運ぶ序盤の構成が気持ち良くて、横溝正史的なノリで見てしまったが、いやいやコレは妖怪>>続きを読む
超常現象と陰謀論 (「ダヴィンチ・コードか?」というセリフがある) に取り憑かれた男二人の顛末を描くモキュメンタリー風映画。
冒頭から終始漂うLAの不穏な雰囲気が良い。主人公たちは「信頼できない語り>>続きを読む
予告編を見た時から悪い予感はしていたが、コレは壮大な美術とセットで見せるコントなのだな、と解釈することでなんとか最後まで観賞。
あー、ココもココも絶対アドリブだよなとか、首が飛ぶシーンとか、切腹のシ>>続きを読む
いまおかしんじ作品のメイキング監督などを経験した後、自主制作で立ち上げた作品が協力者にも恵まれ劇場公開へ。
まなみちゃん (中村守里) と、彼女以外とは簡単に寝れるボク (青木柚)、二人の付かず離れ>>続きを読む
公開当時結構評判が良かったのに見逃していたやつを WOWOW で観賞。
確かに怖い。金●が縮み上がるほどゾクゾクする。撮影は小高い山の山頂に塔の先端部分だけを組んで行われたとか。
終盤のトリックも>>続きを読む