しゅうへい

無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 第1クールのしゅうへいのレビュー・感想・評価

4.5
「俺は、これから本気だす ——」

3人の高校生を助けようとしてトラックにはねられた引きこもりの無職の男は、元冒険者夫婦の息子ルーデウス・グレイラットとして前世の記憶を持ったまま転生する。言葉を覚え、自身が剣と魔法の存在する異世界に転生したことを理解したルーデウスは、魔術の練習を重ねてゆく。愛情を注いでくれる両親や魔術の家庭教師ロキシー・ミグルディアとの生活を幸せに思ったルーデウスは、この世界で本気で生きていくことを誓う。

「異世界転生ラノベ」の代表的な作品として位置づけられる、理不尽な孫の手による作品『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』を原作としたテレビアニメ。34歳無職の日本人が、中世ヨーロッパ風の異世界に転生したという設定の王道ファンタジー。

成長期の段階で物覚えが良いうちに出来るだけの学び、鍛える。前世での過ちを繰り返さぬように…。本当にPTSD持ちの元ニートだったのかと疑問に思う程のコミュ力と行動力。なんせこれまでの人生が全てリセットされた剣と魔法の世界。名家グレイラットの子息として転生しただけあって、天賦の才を持ち合わせており、“ド”がつくスケベさと腹黒さを除けば眉目秀麗・才色兼備な少年。長きにわたる引き篭り生活で培ったオタクな知識が通用してしまう世界。そして、そんな彼の心(前世)の声、圧倒的“杉田智和”。全男子の味方、適任中の適任だった。

この手の異世界系アニメでヒロインが魅力的に感じたのは初めて。年齢不相応の身体をして、露出度の高い服を着て、甲高い声で騒ぎ媚びる美少女などの苦手なキャラがいないのが最大の魅力。ルーデウスが本能のままに下心丸出しで接するからなのか、美少女を前にして動揺せず斜に構える他作品の主人公達に比べ、ノンストレスで男として共感できてしまう。「見た目は子供、頭脳は大人」をリアルに体現したのがルーデウス。彼が何をしでかそうが、父親譲りの性欲、盛りのついた子供で済まされてしまう。

アニメの制作会社に疎いせいか、スタジオバインドを知らなかった。注目作だけあって作画がレベチ。選曲も場面の入りも洒落てるのなんの。話も丁寧な作りで分かりやすい。1話につき1〜2回、濡れ場というかムフフなシーンがあって良くも悪くも恥ずかしくなる。下品で気持ち悪くて倫理観として問題がある描写は少なからずあるものの、ある程度許容できる人であれば楽しめる傑作。早速不快に感じた方、特に女性の方はこれ以上の視聴はやめましょう。これだけのクオリティで深夜アニメなのは納得(笑)

2期が始まったということで2週目。原作未読。異世界系でダントツの面白さ。流し見させてくれない完成度。サクサク進むのにネットリ濃厚の新食感。一気見しても疲労を感じないレベルで観られた。性描写が多過ぎて少し気分は悪いがスコア4.5は固い。やや懐古厨な自分が観た近年のアニメで一番面白い。
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