APO

ましろのおとのAPOのレビュー・感想・評価

ましろのおと(2021年製作のアニメ)
4.0
BURNOUT SYNDROMESで "BLIZZARD" のOPでがっしり心を掴まれた。"銀世界" も良い曲。
津軽三味線、青春音楽アニメを丁寧に描いている。
日本伝統楽器もっと知っていきたくなった。
津軽三味線は本当に力強い音を出せて、はたまたとても繊細な透き通る音も出せる。かなり奥深い楽器だと素人ながら思った。

『この音とまれ!』で初めてしっかりと青春音楽アニメを観た。その際にも思ったが、音楽アニメの演奏描写が凄い。演奏の音に裏付けられている背景描写が視覚さえも虜にする。箏にしろ、本作の津軽三味線にしろ、奥ゆかしいこと甚だしい。
特に本作の演奏描写は作画の綺麗さも加味して、楽しかった。
『この音とまれ!』程仲間との成長ストーリーが強い内容ではない。部員一人一人の演奏技術向上の描かれ方が結構ざっくりしていたように思う。ただ本作の主人公・澤村雪の人間性や演奏技術云々に関するサクセスストーリーであることは間違いない。

ただ津軽弁が強烈過ぎて、字幕無くしてついていくのがとてもとても大変に感じた。



第4話
雪の下宿先「たぬきち食堂」の大家の一人娘・山野桜が作ってくれたおにぎりを見つけた時の雪が急にお茶目で仕草が可愛い。

澤村松吾郎の「春暁」のカセットテープを聴くシーン。圧倒された。


第5話
学校に訪問した神木清流と澤村雪の合奏が凄まじい。
毎回思うが、しっかり演奏部分が施されている点が本作の大きな魅力の一つ。

松吾郎杯 個人戦
「じょんがら節新旧節」
祖父松吾郎の音を出そうと心底大人びた音を響かせる前半。母梅子に言われたように、松吾郎の音を皆に知らしめる為に必死に演奏する雪。
しかし一転、後半は自身の音とは何かを問い続ける。そしてガラッと軸を変えた音を出す。会場は迫力ある音に盛り上がるものの、結果は3位。初の大会で、大会の演奏というものが出来なかった雪。優勝出来なかったのと、自分の音に専念出来なかったことに対する悔し涙を流した。

三本の糸の共鳴。深層の音を聴かせたい一心で後半部分を弾いた雪。
"慕情"。 聴いてる者に嘗ての懐かしさを思い出させる。
雪自身も楽しんでいることを観客に伝える演奏。


第2期も十分に考えられる作品なので、今後に期待したい。
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