Fitzcarraldo

ひとつ屋根の下のFitzcarraldoのレビュー・感想・評価

ひとつ屋根の下(1993年製作のドラマ)
5.0
フジテレビのドラマ部門の歴代最高視聴率を記録し「そこに愛はあるのかい?」が流行語になったものの、現在では『ひとつヤクの下』と揶揄され二度とTVで再放送されることのない野島伸司の脚本による伝説のホームドラマ。

ビデオテープが文字通り擦り切れるほど、何度も何度も見直し、我が心に杭を打ち込むほどに青春の影を投影した大好きな作品。

Blu-ray BOXを持っているにも関わらず、Blu-rayプレイヤーがブッ壊れて再生できないために、YouTubeに落ちてた動画で鑑賞。

久しぶりに見たのだが、いい歳こいて未だにぼろぼろ泣いている自分に少し安堵する。

様々な経験をし、多くの作品に触れてきた自分には、下手したらもう面白くない、くだらない…と感じてしまうかも…昔の彼女に久しぶりに会って、なんでこの娘と付き合ってたんだろう?と不思議になるくらいの違和感が生じるのではないかと恐れていたのだが…

なんてことはない…青春の衝撃は、そんなヤワなものではなかった。相も変わらず同じ場面で泣き郷愁の念に駆られている自分に嬉しくなる。

そして、時の試練に耐えうる作品であることに感謝しかない。

改めて見直した時に、今まであまり気にも留めていなかった柏木小雪を演じる酒井法子の芝居の巧さが妙に際立っていた。天然のあざとさなのか、これもヤクの力なのか…とにかく細かい仕草や表情が完璧に小雪を捉えていると感じる。

こんな彼女が現在では全く見られないのが、とても勿体ない。

彼女のためにも、彼女が輝ける場所を用意してあげなくては…と強く思った。

とにかく問答無用に最高傑作なので、若い人たちにも見てほしいなぁと願う。
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