何年ぶりだろう…
毎週の地上波ドラマを楽しみに待っているという状態は…
タイトル通り寅次郎の少年時代を描いているのだが、これは大きな賭けでもある。ひとりの俳優が演じた最も長い映画シリーズというギネス記録にもなっている名作中の名作を唯一無二の存在感で引っ張ってきた渥美清氏の代役を演じられる役者は存在しないからだ。
いくら少年時代の寅次郎とて、やはり渥美清氏の面影を感じえないと納得できんだろう…。
それをものの見事にクリアしたキャスティング力が素晴らしい!!
営利を目的としない公共放送という名目のもとに、いま売れている数字を持ってるだろう演者を集めるだけのクソキャスティングにならなかったのは非常に好感がもてる。
寅次郎も最高だったが、光子を演じた井上真央も最高なお母ちゃんでした。立ち姿、佇まい、雰囲気から優しさと包容力、そして愛情が画面から溢れていて、それを見ているだけでなんだか涙が止まらない…
光子「ありがとう。子どもたちの味方になってくれて、ありがとう。子どもにとって一番大事なのは、自分の味方になってくれる大人がいるってことだ。あの子たちは幸せだ…ありがとう。これからもよろしくね。なんかあったらあの子たちのこと頼みます」
自分の味方になってくれる大人。
子どもが少ない一人っ子の多い現代においては、甘やかして甘やかして全ての大人が味方のように感じるが、昔は全くそんなことはなく、親でさえ味方なのかと思えてしまうほど…
とにかく毎回毎回泣きまくった…
それは本シリーズの素晴らしさも勿論あるが、やはり映画シリーズの長い長い歴史の上に本作品が立っていることだ。なにをとっても、その背景に必ず映画シリーズの様々な場面を想起させ、それがまた堪らないのだ。
これを見ると本家・渥美清の寅次郎に会いたいなる…