ほほえみデブ

ヘルドッグスのほほえみデブのレビュー・感想・評価

ヘルドッグス(2022年製作の映画)
1.5
何十年かぶりに途中で帰ろうと思うほどつまらん映画だった。
ほんとにこの監督とは合わない。

原作は読んでいないので映画だけで判断するしかないが、「あーこんなの撮りたいんだろなー」という映像の、味のないうっすい上澄みだけがテンポもメリハリもなく永遠一定リズムの高速でただ進んでいく。
しかもそれが恐ろしく長い。

一貫してこの映画の核が全く分からない。
何を言いたいのか、何を見せたいのか。
ヤクザ映画、アウトローものにつきものの、任侠道、男の浪漫、ヒリついた哀愁なども全く見当たらず、心を鷲掴みする何かも、ヒリヒリした痛みもない。
五臓六腑に染み渡らぬ、言葉に力のない、あっさい台詞が意味なく彷徨うのみ。
そういう世界観を狙っているのかと必死に肯定的に考えようとしたが、やはりどうにもズレている。

魅了されるものが全くない。
ないならアウトロー道に振り切るのかと思えば、海外アクション映画にありがちな女アサシンを出してきたりして(原作にあるんだろうけど)何ちゃってアウトロー廉価版。
かといって怒涛のエンタメに振り切ってるわけでもなし。

その間、出るわ出るわステレオタイプの見飽きた演出のアウトロー、サイコパス。 

唐突に挿入される全く合わないトンチンカンな劇伴。
突如挿入される、これ必要か?という謎カット。しかもスベリ倒している。
ダサいカット割、奥行きのない照明。

何だろう、虚しさだけが残る映画であった。
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