足らんティーノ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスの足らんティーノのレビュー・感想・評価

5.0
アカデミー賞の前後に、これを観せられたらどの作品も太刀打ちできない、って話をよく聞いていたけど、その意味が良くよく分かった。
マルチバースという発明を、その本当の価値を、はじめて体現した作品であり、「映画」というものを新しいレベルに引き上げたと言っても、決して言い過ぎではない、あらゆるものが、あらゆるジャンルが、あらゆる感情が詰まった、しかし、とてつもなく壮大でありながら普遍的な、「映画」。

「"正しい"とは臆病者が考え出した小箱」
すべてを知り無意味を悟り厭世的になった子どもに親がかけてあげる言葉を探すための戦い。
これが親子愛。

そして考えうる限りのあらゆる可能性が全宇宙規模で誰にでも秘められていることも、面白く、楽しく教えてくれる。
カオスに屈服した世界なら、カオスに屈服していない世界にも繋がっている。
レミーのおいしいレストランにも、花様年華にも。

2023-209/字幕
足らんティーノ

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