Moeka

大いなる自由のMoekaのネタバレレビュー・内容・結末

大いなる自由(2021年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

同性愛者を捕まえる175条。酷い!レズビアンは対象外だったらしい。(逆に、なんで?)
「肉体の触れ合いと結びつき」が生々しく、時に暴力的だが、描かれているのがいい。肉体によって強固になる関係はあるから。
主人公がいいなと思う若い男の子…ジェシー・アイゼンバーグふうの優男イケメン。思えば、主人公の元彼と雰囲気が似ている。
幸せな時を過ごしたのに、どちらも刑務所にいれられ、元彼は自殺した。
点呼の時に起きてなかった罪(酷すぎんだろ)で連れてかれた場所でデートする2人。瞼に優しく口付ける動作で泣いてしまう。すごい愛おしい人って、瞼にチューしたくなるよね。
それから、死を知って、同房の粗野なおじさん(最初ジョニー・デップさんですか!?と思いました)が抱きしめてくれる、、、慟哭を包み込む温もり。大号泣。
大好きな人にもう二度と会えないということは、世界で最も悲しいことのひとつだ。あの体、唇、瞼に触れられないなんて。
そして、少しずつ少しずつ心を近め、肉体も同じく、特別な関係を結んでいく主人公と懲役20年のツンデレ兄貴。
(主人公がムショ出られるかも、、脱獄しよう、、の時に無理に決まってんだろ!って言った後、窓をガシャンガシャンやる仕草には大変不謹慎で恐縮ですが愛おしすぎました、沼を作るなって)
自由とは何か?様々な映画で問われ描かれてきたことだと思う。社会や倫理や法に抗い、逸れ続けることかもしれない。それは、恐ろしいことだ。自らの「これをしたい、これを行動したい」という欲望に忠実であり続けることはちょっと怖いことだ。たいていの人間はできないに決まっている。
主人公は、やってみせる。
それが素晴らしかった。
熾烈なラブストーリーだと思いました。
深い深い場所での「戦い」を見たように思った。
Moeka

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